まず、『必殺仕事人2012』への意気込みからお聞かせください。
今回のストーリーには、人を好きになるという気持ちや、悲しみや寂しさや怒りなど、匳のさまざまな感情が盛り込まれています。それをどうやって表現したらいいのか、プレッシャーを感じていますね。とりあえず「がんばるしかない」という気持ちで、台本を何度も読み込んでから、撮影に臨んでいます。でも、この作品には安心して演技できるホーム感みたいな感覚があって、すごくいい雰囲気の中で撮影できていると思います。
これまでの撮影で印象に残ったシーンがあれば教えてください。
松岡さん演じる涼次とのシーンは、この作品の中で唯一、肩の力を抜いて演じられる場面なので、個人的にはすごく好きですね。今回は、涼次の創作料理を2種類も食べさせられるんですけど、それも『必殺』ならではのシーンに仕上がっています。松岡さんはアドリブも入れて演技しますし、勉強にもなりますね。僕自身も楽しんで演じています。
殺しのシーンはどのような気持ちで演じていますか?
殺しのシーンのときは、本当に敵を殺すくらいの気持ちを込めて演じようと思っています。その一瞬だけは、相手を親の仇だと思って嫌いになるように努力するから大変です。でも、楽しみもありますよ。毎回、殺し方も変わるので、「今回はどんなやり方になるんだろう」と考えると、ワクワクしますね。
今回は、高橋英樹さんとの共演もありますが、いかがでしょうか?
とにかく「勉強しなきゃ」「盗まなきゃ」と思って撮影に入りました。高橋さんは悪役を演じられるのは初めてでいらっしゃいますが、やっぱり悪役でもかっこいいんですよ。共演させていただいたシーンで、高橋さんが高笑いをする場面があるんですが、いかにも悪そうな笑い方でした(笑)本当にいろいろと勉強させていただいています。
最近は時代劇が少なくなりつつありますが、それについてはどのように感じていらっしゃいますか?
僕が初めて時代劇に出演させていただいたのは二十歳のときだったんですが、そのときに自分の中で芝居に対する概念が変わりました。それ以来、時代劇が自分の芝居の根っこにあるんだと思っています。だから、時代劇はずっと続けていきたいですね。
『必殺仕事人2009』から数えて3年目に入りましたが、田中さんにとって『必殺』とはどんな存在ですか?
僕にとってはお芝居の深さと楽しさを教えてくれる存在ですね。舞台をやっていても、現代劇をやっていても、どこか通じるところを感じるし、自分の基盤になっていると思います。
最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
今回の話はすごく面白くて、「そんなまさか!」と思えるドンデン返しも最後に待っています。僕自身も今から出来上がりが楽しみな作品ですので、ぜひ楽しみにしてください。(了)