- まずは約一年ぶりに『必殺』の現場に戻ってきた感想からお聞かせください。
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「一年経った気がしないですね。時間が経つのは早いというか、ついこないだ撮ったばかりという感じがします。そう思えるのも、撮影現場のスタッフのお力添えのおかげです。スタッフの皆さんとこうやって頻繁に会える状況にあるのはうれしいことです。」
- 初めて台本を読んだときは、どんなふうに感じましたか?
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「今回、僕にとっては里見浩太朗さんと共演させていただくことが、この上なく意味のあることです。19歳のときに時代劇の現場で初めて里見さんに出会い、時代劇における心構えや所作などを教えていただきました。雑誌で僕のことを語ってくださり、「時代劇を続けてほしい」と言っていただきました。それが僕自身とても喜びであり、モチベーションでもありましたし、そう言って下さった里見さんに恥をかかすわけにはいかないなという思いで今日までやってきました。」
- その里見浩太朗さんと共演した感想はいかがですか?
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「剣が重たかったですね。こうやって共演させていただくのは初めてなので、夢が叶った感じがします。19歳の自分より成長した姿を見せたい、ご指導いただいた恩返しをしたい、という気持ちで、とにかく全力で演じました。里見さんが培ってきたものを、剣を交えることによって感じることができたと思います。これは時代劇ならではの経験ですし、こういうふうに先輩方から引き継げる立場にいることはうれしいですね。引き継いだものは僕の手で次の世代に渡していかなければいけないので、次の世代が出てくるまでは良い作品を残せるようにがんばりたいと思います。」
- 経師屋の涼次役・松岡昌宏さん、仕立て屋の匳役・田中聖さんとの共演の感想を
お聞かせください。 -
「2人ともハートが熱くてプロとしての意識もしっかりしています。この撮影所のスタッフは皆さん本物のプロフェッショナルですから、その集団の中にいても、プロとしての仕事を見せることができるのは素晴らしいことです。彼らとは年齢もちがいますし立場的には先輩後輩ですが、画面の中ではそういうことは関係ありません。安心して思いきり勝負できる相手だと思っています。」
- 小五郎を演じて6年目に入りましたが、意識の変化はありますか?
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「昼行灯という小五郎の性格は、最初からできあがっていました。でも、それは藤田まことさんが作り上げた中村主水のキャラクターを踏襲したからこそで、やはり藤田さんのおかげですね。僕の仕事は、それをより深く表現していくことだと思っています。最近は、話の内容によって、小五郎の好みも変わってきていますよね。好みというものは年齢によって変わるものですが、芝居好きだったのが博打好きになったり、今度は何を好きになるのか、楽しみです。たぶん、女好きにはならないと思いますが、女性にハマる小五郎なんていうのも面白いかもしれませんね(笑)」
- 最後に『必殺仕事人2013』のみどころを教えてください。
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「今回は里見浩太朗さんが初めての悪役を演じてくださいます。前回の高橋英樹さんもそうでしたが、その巨悪を仕事人たちがどうやって倒すかが、やはり一番のみどころです。里見さん演じる小宮山泰山には、泰山なりの大義名分があるわけで、そのぶつかり合いはとても面白いと思います。 僕たちが『必殺仕事人』に携わらせていただいてから6年が経ち、ようやくどっしりと腰を据えて演じることが出来るようになりました。「東山も渡辺小五郎が板に付いてきたな」と視聴者の皆さんに感じていただけたら嬉しいですし、作品をより良いものにして、今後も継続していかなければと思っています。是非、キャストとスタッフ一丸となって創り上げた『必殺仕事人2013』の世界観を楽しんでください。」