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出演者インタビュー

  • 渡辺小五郎役 東山 紀之さん
  • 経師屋の涼次役 松岡 昌宏さん
  • 仕立て屋の匳役 田中 聖さん
  • 花御殿のお菊役 和久井 映見さん
  • 小宮山泰山役 里見 浩太朗さん
小宮山泰山役 里見 浩太朗さん
まず、『必殺』シリーズに出演が決まったときの印象からお聞かせください。

『必殺』シリーズは、時代劇のひとつの形を作り上げた作品だと思います。長い間、人気を保ち続けるのはすごいことです。そんな作品に初めて出演させて頂くことになり、まずあらすじを読ませていただきました。「なんてかっこいい“悪”(わる)なんだ!」という思いが、自分の役に対する最初の印象です。こんなかっこいい役は他の役者さんにやらせたくないと思い、喜んで出演させていただきました。もちろん敵役というのは初めてですので相当の覚悟が必要でしたが、時代劇をまた一から見直すきっかけをいただいたような気がしました。

実際に撮影に入られてみて、いかがでしたか?

時代劇が少ないこの時代に、時代劇をやらせていただけることは、時代劇をずっとやってきた僕にとっては、とてもうれしいことです。全体的に十日間くらいの撮影でしたが、毎日が楽しかったですね。ひさしぶりに立ち回りもやらせてもらいました。十年間ずっと『水戸黄門』をやっていましたが、立ち回りはやらせてもらえませんでしたから(笑)もちろん、まだまだどんな長い殺陣でもできる自信はありましたから、今回は思いきり刀を振り回すことができて楽しかったです。

初めての悪役・敵役を演じた感想はいかがですか?

敵役が大きければ大きいほど、また憎らしければ憎らしいほど、主役が際立ってくるわけですよね。敵役を演じるときは、そういうことを考えながら自分の立ち位置を確立していかなければなりません。そのへんをどう演じるかが、今回の僕の課題でした。僕の演じる小宮山泰山と息子の間にはある悲劇がありまして、その悲劇を通して悪が浮かび上がってくるんです。親子の苦悩というテーマはとても面白いし、今の時代にも通じるものがあります。だから、自然体で演じることができました。

渡辺小五郎役・東山紀之さんとの共演の感想をお聞かせください。

昔、『遠山の金さん』で同心役を演じた東山くんを見て、すごくきれいで清楚でかっこいいな、と思ったんです。それで、「これをきっかけにずっと時代劇を続けてほしい」と話したことがありました。今回、東山くんの演技や立ち回りを見て、彼が今まで勉強してきたことの積み重ねを感じられましたね。二枚目でシャープだった東山くんに、大人のムードみたいなものが加わって、男としての魅力が出てきた感じがします。時代劇の役者として大人になっていく東山くんを、これからもずっと見ていきたいですね。

里見さんにとって“時代劇”とは?

僕が10代の頃は、いろいろな時代小説を読んだものです。美しいお姫様との恋があり、御家騒動があり、殺人事件があって、それを二枚目の若侍が解決していく。それを往年の時代劇スターたちが演じて、映画やテレビドラマという形で表現してくれた。見る人を、だれも経験したことのない時代の世界に導いてくれて、夢を見させてくれるのが時代劇だったんです。今、時代劇の作品が少なくなってきていますが、時代劇ファンの方々はまだまだたくさんいらっしゃいます。時代劇という日本ならではの文化を、ぜひ残していきたいと思います。