- まずは約一年ぶりに『必殺』の現場に戻ってきた感想からお聞かせください。
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「前回から一年が経ちましたが、時間が空いたという印象はほとんどありません。スタッフもほとんど変わりませんし、ひさしぶりという感じがしないんです。現場に入れば、涼次という役がスッと僕の中に入ってきてくれるので、すごくやりやすいですね。」
- 初めて台本を読んだときは、どんなふうに感じましたか?
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「今回の敵もとんでもない方がおやりになるんだろうな、と思いながらドキドキして台本をめくったら、里見浩太朗さんが出演するとわかって驚きました。僕が子供の頃に見ていた時代劇は里見さんがご出演されたものばかりでしたし、どんな作品になるかワクワクしましたね。東山さんとの斬り合いを見るのも楽しみですし、ひとつひとつの動きを勉強させていただいて、今後の僕の財産にしていきたいです。『必殺』に出演しているからこそ、数々の先輩方と共演させていただけてお芝居も見られる。こんな幸せなことはありません。」
- 涼次を演じて6年目に入りましたが、意識の変化はありますか?
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「僕の中では『必殺仕事人2009』で連続ドラマを2クールやらせていただいたのが大きかったですね。自分が涼次であるということを、常に意識して動くようになりました。だから、いつ『必殺』の撮影に入っても大丈夫なように普段から意識しています。ただ、『必殺仕事人2009』のときとくらべると、僕自身が年を取ったように、涼次も年を取ってカドが取れてきたように感じます。とはいっても、“仕事”の立ち居振る舞いには磨きをかけていかなければいけない。それができなくなったときには、仕事人は身を退かなきゃならないですから。僕の中には常に、松岡昌宏であると同時に、仕事人の涼次でもあるという気持ちがあるんです。」
- 渡辺小五郎役・東山紀之さん、仕立て屋の匳役・田中聖さんとの共演の感想を
お聞かせください。 -
「同じ事務所の先輩後輩ではありますけれど、芝居のときは一切意識しないようにしています。あくまで小五郎と匳だと思って向き合っています。そうじゃないと、芝居が成り立たないんですよ。だって、カットがかかって先輩後輩に戻ったら、「今日、メシどうする?」って仲ですからね(笑)でも、芝居をしているときは、小五郎のことは「クソ役人」と呼びますし、匳も「おい、仕立て屋」と呼ぶわけです。『必殺』の現場では、いつもの先輩後輩関係とはちがった、横ならびの関係がありますよね。 現場で東山さんを見ていると、年を重ねるごとに「熱さ」みたいなものが強くなっているのを感じます。東山さんも、『必殺仕事人2007』からいろんな方々を斬ってきて、前回は高橋英樹さん、今回は里見浩太朗さんですから、これは大変なことですよ。人の命を絶つという行為のひとつひとつの重みが、小五郎のバックボーンとして表現されるようになっているんでしょうね。それが強くなればなるほど、『必殺』はもっと素敵になっていくと思います。 田中聖も独自のオリジナリティがありますよね。彼が持っている牙というのは、僕から見ても魅力を感じます。それはいつまでも磨いて、丸くしないでほしいですよね。」
- 最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
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「『必殺仕事人2013』、とても面白い内容になっていると思います。また、この作品を糧に『必殺』シリーズを続けていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。」