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インタビュー

渡辺小五郎役東山紀之さんインタビュー

9年目の『必殺』

『必殺』シリーズはとても歴史のある作品ですから、その中での9年という年月は、僕にとってもかけがいのない時間です。藤田さんがお元気だった頃の思いをみんなが受け継いでやってきました。「よく9年続いたな」という気持ちと、「まだまだこれからだな」という気持ちと半々ずつありますね。

『必殺』はハードボイルド

ある意味、『必殺』はハードボイルドじゃなきゃいけないと思っていますが、今回の台本を読んだときには、それを強く感じましたね。今回は男の出演者が多いですし、男の「欲」であるとか「嫉妬」であるとか、そういう人間の業のようなものがよく出ている脚本だな、と思いました。

安田顕さんとの共演

安田さんが演じる朝比奈は免許皆伝という腕前ですから、それよりも小五郎の経験のほうが勝っていたということを、対決の場面の中で出さねばなりませんでした。やはり、そこには僕がこの作品にたずさわってきた9年間が集約されていると感じましたね。安田さんは立ち回りが初めてということで、とても緊張しているのがわかったので、僕も現場ではあまり話しかけないようにしました。でも、立ち回りって緊張感を持ってやらなければいけないものですから、かえっていい緊張感になったんじゃないかと思います。こういう場面は役者同士の戦いですし、まさに『必殺』らしい場面になりました。

『必殺仕事人2016』のみどころ

このシリーズが始まってから9年が経ちました。『必殺』はその時代の社会性を映す鏡だと思いますし、9年の間でもそれぞれの時代の市井の人々の思いが描かれてきました。その時代を読むという意味でも、『必殺』は必要な時代劇だと思っています。そんなことを感じながらドラマをご覧いただけたら、と思います。