必殺仕事人2014

出演者インタビュー

『必殺』の現場に戻ってきて

監督をはじめ、スタッフのみなさんも変わらず、素晴らしいプロフェッショナルの方たちばかりなので、すぐに現場の雰囲気に溶け込めましたし、役もいい意味で染み込んでおりますので、ふるさとに帰ってきたような気持ちを持ちながら、決意を新たに演じました。

新仕事人・知念侑李さん( Hey!Say!JUMP )のこと

僕自身が時代劇を始めたのが19歳、知念が20歳ということで、同じような年頃でこういう世界を経験するのは素晴らしいことです。彼がこの経験を将来につないでいってくれるものと信じて、期待しながら見守っています。
(昔の自分とくらべると)僕のほうが大人っぽい感じがしますね。子供っぽい童顔の彼がどう仕事人になっていくのか、そのギャップが今回、非常に重要な見せ場になっています。監督をはじめ、スタッフみんなが考えて知念に素晴らしい役を用意してくれました。知念自身も、2月の寒さの中で水の中や豪雪の中で演じているので、そのがんばりがみなさんに伝わるといいですね。

高橋英樹さんとの再共演

70歳になられたそうですが、2年前とほとんどかわっていないですし、そのすごさというか、存在感の大きさをあらためて感じました。今回も剣を交える場面があるんですが、向かい合った僕だからこそ感じるスケール感と力強さがありますね。さらにパワーアップされて戻ってきた英樹さんと、こうして同じ空気を吸えるのは光栄だと思いながら、良い日々をすごさせていただきました。
役の上では、お互いに尊敬する部分もありつつ、ライバル心が強くもあり、負けられない部分もあります。その関係性の強さが、英樹さん演じる仙吉と小五郎との間に、暗黙の了解のように存在しているように感じますね。それがいい相乗効果を生んでいるのは、僕ら自身もうれしいです。

『必殺仕事人2014』のみどころ

世の中の不条理や理不尽な出来事を、ドラマ性の強いかたちで表現するのは僕らの役目でもありますし、それによって視聴者のみなさんにストレスを発散していただいたり、共感していただいたりできると思います。
必殺の良さは、市井の人々が感じている、いま現在の空気を社会風刺という形で時代劇として表現するところですから、それを視聴者のみなさんがどういうふうに感じるかは僕自身も楽しみです。必殺はとても深い歴史を持っていますし、そういうスタイルを貫いていますから、きっと面白さを感じていただけると思います。

『必殺』に出演が決まって

初めて出演を知らされたのは、マネージャーさんが何も言わずにただ「はい」って封筒に入った台本を渡してきたときです。中をのぞいたら、「必殺」って文字が見えて、「まさかあの『必殺』じゃないよな」って思いながらも緊張しました。取り出してみたら、やっぱり『必殺仕事人』だったので、本当にびっくりして。
台本を開いて、僕の役の下に「(仕事人)」って書かれているのを見たときは、本当に自分にできるのかって思いましたね。人気シリーズに大事な役で出るっていうことは、やっぱりすごいプレッシャーですよ。

撮影現場での驚き

でも、いざ現場に入ってみたら、独特のやり方に驚いてしまって、プレッシャーも忘れました。ふつうは、撮影を始める前にシーンの最初から最後まで段取りして流れを確認してから、ひとつひとつのカットを撮っていくんです。でも、この現場では、その段取りがないんです。だから、演じていても次に何が起こるかわからないんですよ。今までいろいろな現場をやってきましたけど、こういうやり方は初めてだったので、最初はとまどいました。
実は、撮影に入る前日に東山紀之さんと松岡昌宏さんと一緒に食事に行って、「台本はあてにならない」っていう話を聞いていたんですよ。僕も現場に入ってみて、その意味がわかりました。
たとえば、台本に「月の見える丘」って書いてあったのに、現場に行ったら「滝のある川」で、そんなに変わっちゃうの?って(笑)。そこまで変わっちゃうと、想像すらできないですよね。本当に「台本はあてにならない」んだって思いましたね。

隆生という役柄

この隆生という役は本当に重い役です。こういう役は今まで一度もやったことがなかったので不安でしたし、大変でした。
演じているときに気づいたんですけど、今回の僕はぜんぜん笑ってないんですよ。いつもの仕事では笑顔が多いのに、このドラマではぜんぜん笑顔がなくて、自分でもそれが少し辛く感じたときもありました。
でも、それは、隆生という人間が本当に辛い思いや苦しい思いをしてるってことですから、なんとか前を向いて生きていこうとする隆生を演じようと努力しました。隆生がどういう過程で仕事人になるのかは、みどころだと思います。

大先輩二人との共演

東山さんと松岡さんからは、撮影前に緊張しなくて大丈夫だよって声をかけていただきました。撮影の合間でも、いろんな場面でいじられたりしているうちに、先輩と共演するっていう緊張はなくなりましたね。
やっぱり先輩方の演技を見ていると、自分にあんなふうにカッコいい演技ができるのかなって感じることは多いですけど、いつかは僕も挑戦してみたいですね。そのためには、どうしたらカッコよく見えるか、もっとアクションを研究しなければいけないと思っています。

高橋英樹さん・佐々木希さんとの共演

高橋英樹さんは、オーラがすごかったですね。冬の撮影だったので現場はすごく寒かったんですけど、暖房のところに高橋さんがいると、なんだか近づきがたい感じがしてしまって、寒いところでガマンしてました(笑)でも、川に入ったシーンの後に体を温めるときにご一緒させていただくことができて、昔の撮影のエピソードをたくさん聞かせていただけたのは、すごく勉強になりましたね。
佐々木さんは、なんていうか、ふわっとした雰囲気の人です。現場に入るとすぐに監督とも打ち解けて楽しそうに話してるんですよ。僕は、あまりコミュニケーションが得意じゃなくて現場でうまく会話できないことがあるので、いつも佐々木さんを見ながら「いいなあ」って思ってました(笑)

初めての坊主頭

特殊メイクは初めてだったんですけど、3時間かかるんです。まずそれにびっくりしました。メイクをしていただいている最中につい寝ちゃったんですけど、気がついたらもうツルツルで(笑)自分の顔みて笑っちゃいました。今まで坊主頭にしたことはないですけど、一度やってみたいと思っていたので、うれしかったです。みんなに似合ってるって言われたのも、よかったですね。

「仕事」のシーンに初挑戦して

隆生が初めて「仕事」をするシーンは、すごく大変でした。表情にしても、自分では相手をにらみつけているつもりでも、監督からは「目が優しい」と言われてしまったり。もっと勉強しなきゃいけないですね。
『必殺』は「スマートにカッコよく」っていうイメージだと思うんですけど、今回の僕の場合は、もっと人間らしさが出ていると思います。残酷さの中にも、ちゃんと人間らしさが出ていることが大事なんです。初めて挑戦した「仕事」のシーンをぜひ見ていただきたいですね。

「新仕事人誕生!」
石原興監督が語る知念侑李

シリーズ第1作『必殺仕掛人』にカメラマンとして参加して以来、斬新なカメラワークで『必殺』の世界観を築き上げてきた石原興監督が、新仕事人・隆生を演じる知念侑李さん( Hey!Say!JUMP )の魅力を語ります。

第一印象は…

初めて会ったのは、東京で衣装合わせをやったときです。知念さんはどちらかというと小柄でかわいらしい顔をしてるし、年齢とくらべても若く見えますよね。『必殺』というドラマは、しかめ面して人の命を殺めるわけやないですか。今までキャメラマンとしてたくさん『必殺』を撮ってきましたけれども、知念さんみたいな仕事人はいなかったし、芝居がきちんと画(え)になるかどうか、心ンなかでは少し心配だったんですよ。でも、こういうのは実際にやってみないとわからんもんやから、彼の個性を活かせるようにしたいと思ったんです。

坊主姿を披露

知念さんが演じる隆生はお寺で修行中の坊主という役なので、普通の髪型ではおもしろくないなという気がしまして、スタッフに「特殊メイクでつるつるの坊主頭にせえ」と言ったんです。ごらんになっていただければわかりますけど、最初は子どもみたいに見えますよ。言うたら、一休さんです(笑)「ちねん」じゃなくて、「ちんねん」くん(笑)スタッフもみんな「かわいいやん」言うてね。このかわいい丸坊主が、最後には人を殺すというギャップはおもしろいですよ。

印象に残ったシーン

やっぱり殺しのシーンですね。隆生が障子を開けて敵の部屋に入っていくカットなんですが、普通に入っていけばいいところを、「障子開けたら、バッと回転してやれ」と言ったんです。『必殺』では、そういう演出をするんですよ。クルっと回ったほうが警戒してる雰囲気が出る。そうすると、羽織った薄い衣がパッと舞うわけですよね。そのカットがすごくきれいで、いちばん印象に残りました。その立ち居振る舞いは、やっぱり彼にしかできないもんやと思います。

衣装へのこだわり

仕事人には、それぞれの生き方に合った衣装があります。たとえば、松岡昌宏さん演じる涼次は、自分の命を危険にさらしている以上、いつ死んでもいいように着飾って、自分なりのけじめをつけるために衣装を変えている。だから、隆生の衣装も、知念さんの個性が出せるように考えたつもりです。履き物なんかも、牛若丸が履いていたような高ゲタを履いてもらっています。さっきお話しした殺しのシーンでも、ゲタを履いたまま、回転しているんですよ。

「知念侑李の世界」

このドラマには、小五郎と涼次、そして、隆生という3人の仕事人がいるわけですけれども、殺しのシーンでは、それぞれが主役なんですよ。そこが『必殺』の面白いところで、隆生の仕事のシーンでは知念さんが主役になるんです。そうなると、やっぱり彼もしっかりがんばるわけで、知念さんの世界がちゃんとできあがってくるんですよ。見ごたえのあるシーンになってますよ。

先輩たちに囲まれて

仕事人の3人は、同じ事務所の先輩後輩ですから、知念さんも意識してるでしょうね。同じ作品の同じ舞台に立っているといっても、精神的に五分五分になるのはなかなかむずかしい。それでも知念さんは彼なりに、諸先輩方に囲まれて、いろいろ気をつかいながら、がんばってましたよ。今後、彼がこのドラマで成長していけるかどうかは、先輩たちと五分に渡り合う根性を持てるかにかかってるんやないですかね。

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