関西ニュースKANSAI

　来月開幕する大阪・関西万博を紹介する公式ガイドブックに未完成のイラストが掲載された問題で、発行元の日本国際博覧会協会が謝罪し、訂正表を差し込むことなどを発表しました。

　イラストを制作した絵本作家は、ＡＢＣテレビの取材に対し「最初の失敗を挽回するくらいの成功を収めることを願う」とエールを送っています。

　３月１９日に発売された大阪・関西万博公式ガイドブック（税込み３０８０円）は、大阪府市や国などで作る日本国際博覧会協会が２０２４年に事業者を公募し、国費で制作されました。

　絵本作家の青山邦彦さんは、事業者に選定されたＪＴＢパブリッシングを通して「未来社会」をテーマにしたイラストの制作を依頼され、先月１０日に完成したイラストを納品しました。

　ところが、出来上がった本には完成作品を送る５日前に送信したスマホで撮影した未完成のイラストの画像が引き延ばされた状態で掲載されました。

　未完成作品の画像は編集者から「レイアウトの確認のためダミーの写真を送って欲しい」と頼まれて送信したということです。

　本が発売されるまで編集者から確認の連絡はなく、青山さんは自宅近くの本屋で販売されているガイドブックを手に取り、自分の作品が未完成のまま掲載されていることに気が付いたということです。

　万博協会は２８日、青山さんに対し「不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます」とするコメントを出し、販売前のガイドブックに完成したイラストを載せた訂正表に差し込むことや、重版では完成したイラストの掲載をすることを発表しました。

　青山さんには、２７日深夜に協会と出版側から直接謝罪があったということです。

　青山さんはＡＢＣの取材に対し、謝罪を受け入れたとした上で「万博は半年間続くイベントなので、最初の失敗を挽回するくらいの成功を収めて欲しい」と話しています。