ABCホールの舞台裏
昨夜のABCホールは、「報道ステーション」のテーマ曲などでおなじみの芦屋出身の天才ジャズ・ピアニスト、松永貴志さんの「ハッピーハロウィン!コンサート2017」で盛り上がりました。ABCホールとしては珍しく、グランドピアノを持ち込んでのライブ。ディズニー映画の名曲からテレビ番組のテーマ曲、ジャズのスタンダードナンバーや新曲まで、プログラムはサービス精神たっぷりで、しかも演奏は超一流という贅沢なコンサート。客席から飛び入りの8歳のお嬢ちゃんがドビュッシーを見事に弾きこなしてビックリのおまけ付きでした。
そして今朝は、明日からの本公演「出てこようとしてるトロンプルイユ」を前に、ヨーロッパ企画のスタッフが小屋入りされました。
「トロンプルイユ」というのはだまし絵のことで、常々「アート」が気になっていた作・演出の上田誠氏が遂にアートの世界に真っ向から(なはずはなく、当然斜めからでしょう)挑んだ作品です。去年の本公演「来てけつかるべき新世界」で、今年4月に第61回岸田國士戯曲賞を受賞。受賞後初めての注目の本公演ということで、東京公演も大阪公演も前売完売。
「来てけつかるべき新世界」の評判を聞きつけて初めてヨーロッパ企画の舞台を観た東京のお客様はびっくりしたんじゃないでしょうか。タイトル的に、ベタベタの浪花芝居をイメージさせる受賞作(しかもセリフは珍しく関西弁)とは打って変わって、パリが舞台でだまし絵ですから。でも東京からは「面白かった!」という評判が続々と聞こえて来ているので、東京に熱狂的なファンが大幅に増えたことは間違いないでしょう。チラシのデザインを見ても、面白くないはずがないというビジュアルに仕上がっていて、期待がふくらみます。当日券も若干枚数は準備されているようです。
ヨーロッパ企画
「出てこようとしてる
トロンプルイユ」
会場:ABCホール
11月1日(水) 19時
2日(木) 19時
3日(金) 13時/18時
4日(土) 13時
5日(日) 13時/18時
6日(月) 19時
7日(火) 19時
8日(水) 14時
さて、11月のABCホールは、来週金曜日から月亭方正さん、エレキコミック、ナイツのお笑い単独ライブ3連発。次の週末は恒例の劇団まげもん「よいではないか19」。23日(木祝)~26日(日)には今年映画化されて話題になった、劇団イキウメの「散歩する侵略者」が2011年の初演依頼、6年ぶりにABCホールに戻って来ます。再演や映画化を経て、どんな舞台に生まれ変わっているのか楽しみです。11月もABCホールに遊びに来て下さい!(艦長)
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- 2017年10月31日火曜日
先日7月17日の海の日に開催された「ABC夏フェス2017マイドほたるまち!」には、たくさんのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。堂島リバーフォーラムで収録した特別番組、「ABC夏祭り!66周年オールスターお宝映像クイズinマイドほたるまち」は、7/29(土)16時~17時半の放送。貴重映像満載で必見です!ABCホールで収録した各ステージの模様も、7月29・30日の21時05分~22時にABCラジオで放送します。こちらも是非お楽しみに!
さて、ABCホールではこの日、2008年の開館以来初めての立見の音楽ライブを開催しました。夕方6時から9時半まで、ベリーグッドマン、ЯeaL、SHE'S、I Don't Like Mondaysの4バンドが熱いライブを繰り広げました。
元々ABCホールは立見公演を想定していなかったのですが、2010年に消防に申請し、2015年に非常誘導灯を増設。可動式の1階席をロールバックして、531人の定員で立見のコンサートが可能になりました(通常の着席での定員は327人)。当日、バンドのリハーサル直前にバリケードを4列設置し、事前応募した若い音楽ファンが1階を埋め尽くしました。
初めての立見ライブは大成功し、アーティストの皆さんからもレーベル関係者の皆さんからも、「いいホールですね!」とおほめの言葉をいただきました。テレビ番組の収録のため、残響のないスタジオ仕様の空間になっていて、残響はアーティストサイドで自在にコントロールできます。今後も定期的にやれたらいいなと思っています。
さて、7月後半のABCホールは、明日土曜日、「大阪ますだおかだ寄席」が当ホール初開催。松竹芸能の人気芸人たちがとっておきのネタを披露してくれます。日曜日は、よしもとのコロコロチキチキペッパーズ初全国ツアーの大阪公演。このところ人気急上昇のコロチキ、地元関西で盛り上げてくれることでしょう。来週末からは劇団ZTONさんの「天狼ノ星」。朝日放送近くの大人気和食店「うえ河」の大将の息子さん(モデルの亮介)が客演しているので、楽しみです。この夏も是非ABCホールに遊びに来てください!(艦長)
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- 2017年07月21日金曜日
中之島春の文化祭、無事終了しました!ご来場いただいたお客様、ありがとうございました。出演者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした!ホール内ステージはいつもの満員御礼。リバーデッキも好天に恵まれ、対岸で開催中のフードソニックの影響もあってか、去年の倍の賑わいでした。
春の文化祭は、これまでもほぼ毎年来ていますが、丸2日通して観たことはなく、今回は新艦長に就任直後の文化祭ということで、通し券を2日とも買ったつもりで、ホールのステージを「とにかく全部観る!」と心に決めていました。で、ご挨拶等で一部途中までしか見られなかったステージもあるのですが、結局全演目観ました!
いや面白かったですね。不勉強で名前しか知らなかったり、名前も知らなかった劇団もたくさんあったのですが、大好きな劇団・アーティストが一杯見つかりました。そりゃそうですよね。それぞれの出演団体が、自分たちの魅力をいかに20分に凝縮するかを徹底的に考え、いくつかの団体はこの文化祭のために新作を作り、準備に膨大なエネルギーをかけた上で、いつもの本公演のお客様ではないアウェーの環境で爆発させるわけですから。
2日間終了してホールのスタッフから「疲れたでしょ」と聞かれたのですが、とにかく演目にバリエーションがある上、20分という尺ではシリアスなテーマを語ることが難しく、とにかく笑える演目が多かったからか、不思議なことに全く疲れませんでした。
打ち上げでも、普段一堂に会することが滅多にない出演者や劇団関係者がワイワイと親交を深め、私自身もたくさんの出演者とお知り合いになれました。
手前味噌ながら、スタッフのプロフェッショナルな仕事ぶりもすごいです。今まで外から見ていて、こんな催しが毎年滞りなく開催できていることが不思議だったのですが、周到な準備と過去8回の経験の積み重ねでステージを完璧にサポートしています(なんとホールのステージでは丸2日以上かけて入念なリハーサルが行われています!)。
でも、この文化祭を続けさせてくださっているのは、何と言ってもお客様です。お客様にお越しいただき、盛り上げていただくことで初めて演者もスタッフも最大限のパフォーマンスを発揮できます。これからも劇場にどんどん足を運んで関西の舞台を盛り上げて行っていただくよう、よろしくお願いいたします!(艦長)
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- 2017年05月05日金曜日
山村艦長定年退職に伴い、今月から2代目艦長に就任させていただくことになりました。プライベートではブログもフェイスブックもインスタもやってない旧式人間なので、人生初ブログでございます。炎上にビビりながら色々と発信させていただきますので、今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。
さて、4月3日のABCホールでの山村艦長退艦式は盛り上がりました。結婚披露宴ばりの艦長幼少期からの写真のスライドショーに始まり、艦長による尾崎豊「卒業」の熱唱、祝・岸田國士戯曲賞の上田誠さんと諏訪雅さんが登壇して、ヨーロッパ企画プレゼンツ「君は艦長を知っているか!?」◯☓クイズ、美津乃あわさん始め、演劇集団堕天使による「堕天使エロ回文劇場」では艦長渾身のエロ回文が炸裂。「自分大好き」な艦長自作自演の退艦式だけに、「今日の帰り、死んでもいい!」と言い放つほどのご満悦。関西演劇界を代表する豪華な皆さんにお集まりいただき、本当にありがとうございました!
で、静かに去って行かれるのかと思ったらさにあらず。ABCラジオ「橋詰優子の劇場に行こう!」の「GO!GO!ABCホール!」のコーナーに、「山村艦長」ならぬ「キャプテン山村」として引き続き出演していただきます。4月から放送時間が土曜日の18時からに変更になりました。最近はradikoのタイムフリーで、1週間以内ならスマホやPCでいつでも聞けるようになりましたので、是非お聴き逃しなく!
桜もそろそろ満開。4月のABCホールも、いよいよ初登場、C/Ompanyさんの「忘れろ/ボレロ」からスタートします。京都出身で世界的に活躍するダンサー、大植真太郎さんを中心とする4人の精鋭ダンサーたちが繰り広げる、噂の「談ス」公演。「談ス」とは、去年、全国15箇所24公演を駆け巡った、言葉とダンスが融合した新感覚のパフォーマンス。ラヴェルの名曲「ボレロ」に乗せてどんな「談ス」を見せてくれるのか、楽しみです!開演は本日19時。18時から当日券も販売されます。
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- 2017年04月07日金曜日
■ご無沙汰しております、艦長です■2008年5月の開館より、このABCホールの責任者として誰に断ることもなく「艦長」を名乗っておりましたが、ついに本日、この名を返上する時がやってきました。定年退職です。2007年の3月から開館準備の業務に携わっていたので、ちょうど10年になります。いやあ、いろいろなことがありました。でもこれまで大きな事件事故を起こさず、このホールが関西の舞台芸術の発信場所のひとつとして皆様に認知してもらえるように育ったのは、ご来場いただいたお客様、上演団体の皆さん、そしてド素人の僕を支えてくれた技術担当の柴田さん、制作の猪瀬さん、宮川さんを始めとするプロフェッショナルな皆さんのお蔭です。感謝の気持ちの一端を、ここに記させてください■元々演劇や演芸が大好きな性分で、そういう芸能に関わりつつ、自分でも作品を作り、広く発信し、なおかつ安定した生活も得たいというずうずうしい思いから放送局を志望し、願いは概ね叶えられ、最後は小劇場の支配人という、夢の原点とも云えそうな職を得ました。幸せな人生だね、とよく言われます。実際そうだと思います。有難いことです■でも・・・これは偏に僕の力不足からなのですが、10年前、「キミ来月から新ABCホール担当ねー」と、人事担当者から電話で告げられ、正直に告白すればかなりのショックを受け、無論一介のサラリーマンとしてその定めは受け容れざるを得ないと覚悟した時から、ずっと念じ続けてきた僕の目標は、遠くに霞んだままです。それは、ABCホールが、舞台芸術とこの会社の本業である放送を多角的に結び付ける架け橋になることです■ABCホールで上演された舞台作品を放送する、あるいはABCホールで活躍する舞台人がラジオ・テレビの出演者や作家として起用される、というのがまずはシンプルな形。一歩進んで、たとえば劇団と局が人とノウハウを出し合って、複数のメディアにまたがったコンテンツを構築する、などということも考えられます。放送業界も困難な時代に突入して久しく、こんな夢見がちな発想はきっと一蹴されるわけですが、巨大なお笑いプロダクション以外にも、将来の放送界を担うべき人材は隠れているに違いないのです■昨年、この朝日放送で『第1回 劇的!ABCドラマグランプリ!!』というテレビ番組が放送されました。関西で活動する演劇人を対象とした短編コメディの脚本募集に、およそ100の応募があり、3本が実際にドラマ化されました。「劇場には、こんなスゴイ才能を持った人たちがいたのか!」という、若いテレビディレクターの驚きがこの企画の原点にあります。僕が一番嬉しかったのは、その思いです。全体としては色々反省点もある1回目だったとは思いますが、なに、今をときめくM-1グランプリだって、1回目の審査方法なんか日本中から酷評されたのです。今なら大炎上です。願わくば、この小さな灯がこのまま消えてしまわないことを祈ります■そんなわけで、この9年、僕は何も出来ませんでしたが、劇場というのは有難いもので、たくさんの出会いがありました。「次もよろしくお願いします」と言われればホっとし、「いつかはここでやりたいです」と言われれば涙してしまいそうになりました。うん、いいものです劇場は。これからもABCホールをよろしくお願いします。長い間本当にありがとうございました!(2017年3月31日 艦長・山村啓介)
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- 2017年03月30日木曜日
■こう寒いとブログの更新も滞ってしまうようで申し訳ありません。いやはや。冬場はお芝居が少なくて、当ホールも先週末は韓流アーティストさんのライブだったのですが、不勉強でここに記せるような知識も情報もなく・・・ ■そんな中、先週、こんな方々がABC、およびABCホールに遊びに、じゃないですね、お仕事で来てくださいました。サンミュージック所属のお笑いコンビ・かもめんたるのご両人です。いかにもコント職人的な静かでディープな佇まい。かもめんたるは、ご存知の通り2013年の『キングオブコント』で見事優勝、その時の最終2ndステージで獲得した982点という点は、その後KOCの審査方法が変わったこともあり、歴代最高得点として記録に残るはずです。で、お二人がお越しになる前夜、私、その時の『白い靴下』というコントを、同録ディスクで見直してみたのです・・・■サイトウという人物が勤める新宿のオフィスを、男(岩崎う大・写真左)が訪ねてくる。彼はサイトウから命令され、千葉から1時間かけて白い靴下を届けに来たらしい。「サイトウはもう帰った。第一そんなものコンビニでもどこでも買えるのに」と、サイトウの同僚(槙尾ユウスケ・同右)が疑問を呈すると、男は、「自分はサイトウさんの家来なので」という。次第にこの男とサイトウの異常な関係が顕わになってくる。そして最後、男がその手に携えた小さな紙袋から取り出したモノは・・・!?■いやーなんというか、ネタ、というより「作品」ですね。立派な不条理劇だと思いました。さすが二人とも演劇の聖地・早稲田大学卒業の知性派です。まそれはともかく、基本的には岩崎さんが異常な人物を演じ、槙尾さんが困惑したり迷惑したりするのですが、時にその関係性が逆転することもあり、同じ構図でボケて突っ込んでの反復ではなく非常にダイナミックで深みのある、そしてもちろんめっちゃ面白いコントです■この日は、ABCラジオ『武田和歌子のぴたっと。』に生出演、そして『橋詰優子の劇場に行こう!』で不肖私のインタビューも録音させていただきました。その模様は今週29日(日)の夜放送です■そして肝心のライブ『ノーアラームの眠り』は2月12日(日)18:30開演!場所はもちろんABCホール。各プレイガイドでチケット絶賛発売中です(艦長)
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- 2017年01月23日月曜日
今夜はスーパームーン、そして『エミちゃん祭り2016』。まもなく開演です。関西演劇界を代表する女優だった牧野エミさんが天国に旅立ってまる4年。今年もその命日を前に、彼女を慕う人たちが賑やかにABCホールに集まりました。今回は「エミィ賞の栄冠は誰の手に!?」と題して、若手ベテラン入り混じっての豪華なメンバーによるコント大会です。司会はこの会の仕掛け人・升毅さんと三代澤康司アナウンサー。果たして、初代のエミィ賞授与の名誉を勝ち取るのは誰か?この先五十年百年続くかもしれないイベントですから楽しみです!
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- 2016年11月14日月曜日
■『だーてぃーびー』ついに初日を迎えました■テレビの生放送の裏側をリアルタイムで実際にやってみようというお芝居なので、一度開演してしまえば、照明や音響の「キッカケ」がごく少ない。その分役者さんがずっと演技を持続しなければならないので大変なわけですが(CMも入らないし)、昨日の場当たりは驚くほど短時間で終えることが出来ました。あとは今日の午後行われる本番同様のゲネプロを残すのみ■朝、非喫煙者の私には普段とても入ることができない楽屋脇の喫煙室、通称タバコ部屋を覗いてみました。いまはまだ臭くない。作・演出、主演を中心とするこの密室での会話が、実はお芝居のテイストの相当の部分を作っているものと思われます。そう思うとこの殺風景な写真も私には感慨深いのです■今日は19:30開演、若干ですが当日券も出ます。千秋楽はまだご予約可能です。是非!(艦長)
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- 2016年08月18日木曜日
『だーてぃーびー』初日まで6日。今日は稽古をお休みして劇中で使用する映像・音声の収録です。朝から大勢の若手役者さんとヒミツのある大物タレントがABCホールに集合して、馬鹿馬鹿しい録音や撮影を真面目に行っています。 一番最初に撮影したのはこれ!真夏の日差しが照りつけるABCホールの玄関前で昭和のコメディアンのようなポーズをとるおっさん。私・艦長ですね。来月下の娘が30になります。でも頑張るのです。お芝居の方は、とんでもない問題作に仕上がりつつあります。この作品を観て、演劇とテレビと、両方をより好きになってほしい!そんな思いを込めてみんなで作っています。残席がどんどん少なくなっています。急げ!(艦長)
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- 2016年08月12日金曜日
N-Trance Fish『KISOU本能』、あと30分で初日の開演です。 日射しは強いですが、風は爽やか。本格的な秋まであとわずかの、気持ちのいい快晴の土曜日です。 実は先ほど、ABCホールの玄関が面しているABCの「リバーデッキ」において、結婚式が催されました。 このデッキの一隅にあるお洒落な料理店のウェディングパーティーの一環で、人前の挙式の部分をこの堂島川べりのこのデッキで行うという試み。お天気も二人の門出を祝福しているようでした。 最後は、参加者が持っていたバルーンが澄んだ青空に吸い込まれていって・・・ああすてき。
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- 2014年09月27日土曜日