スタッフの雑記
■イキウメさん、今朝小屋入りされ、現在仕込の真っ最中です。
■実は僕、少し前から、『おじさん』なるものに興味を抱いていたのです。単なる中年男性という意味ではありません。「伯父さん」ないし「叔父さん」です■・・・人には誰でも、"ちょっと変わり者の"あるいは"ちょっと困った"おじさんが一人か二人はいる。そんなことないですか?結婚式や法事などで親族が集まると、みんながちょっと身構えてしまうおじさん。親が、自分の子供を近づけまいとするおじさん。あまり働き者ではなく、夢見がちで、気前がよくてお酒が好きで・・・。まあ、特に変わり者でなくても、こっそりお小遣いをくれたり秘密の遊びを教えてくれたりするおじさんが子供は大好きです。余計なことをしでかしたりもしますが、親からは得られなかった貴重な教訓を与えてくれることもしばしばです。きっと『おじさん』の特性は、"血はつながっているけれど責任はない"というその独特な立ち位置に由来するのでしょう。親兄弟や祖父母の関係ではそうはいきません■そんなわけで、おじさんについて考えるべく、最近以下の本を買い込んだのです。『ぼくのおじさん』(北杜夫)、『おじさん・おばさん論』(海野弘)、『「おじさん」的思考』(内田樹)。実はまだこのうち1冊しか読んでないのですが・・・えらいことです!■今回のイキウメ『ミッション』のモチーフはなんと『おじさん』だったのです。劇団ウェブサイトに掲載されている作者・前川知大さんのインタビューによると、物語は、『ある家族が叔父さんという異物によってバランスを崩し、異なる配置でバランスを取り戻す、という話です。叔父さんの思想がキモになっています。叔父さんには大きな使命がある。それは「世界のバランス」を取っているというものです』・・・とのこと。うーん、今晩中におじさん論を読んでおかなければ!(※6/1朝、内田先生の本をパラパラめくったのですが、いわゆる「日本の正しいおじさん」的思考を擁護する本のようでした。絶対面白いと思いますが...失礼)■ま、僕のそんな個人的なナニはどうでもいいんですが、大きな演劇賞を立て続けにとっているイキウメの新作、いよいよあすから、たった4ステです!!
イキウメ 『ミッション』 作:前川知大 演出:小川絵梨子
6月 1日(金) 19:00
2日(土) 13:00 18:00
3日(日) 13:00
※当日券は開演1時間前より発売(6/3は若干枚)
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- 2012年05月31日木曜日
『ABCホール開館4周年記念 中之島春の文化祭2012』、無事終了しました。ご来場いただいたお客様、参加団体の皆さん、スタッフの皆さん、出店していただいたお店の方々、毎年ご協力いただだく京阪電車さん・・・本当にありがとうございました。東日本は大きな被害も出るほどの荒れ模様だったのに、お天気にも恵まれました。幸い大きなトラブルもなく、中も外も大盛り上がりでした。すべてに感謝です。
来年は開館5周年。ひとつの節目を迎えます。さて・・・
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- 2012年05月07日月曜日
■・・・ということで、昨夜は大変な賑やかさでした。Patchの最終オーディション。決められたショートプレイとダンスによる審査で、15人の第一期メンバーが選ばれました。おめでとうございます!Twitterのコメントなどから察するに、すごい盛り上がりだったみたいですね■艦長は、結果を見届けることなく、夕刻ミナミの小劇場に逃亡してしまいました、すみません。若者たちよ、今度会おう。スターになったら、孫にサインを書いておくれ。
■さて明けて28日(土)、ABCホールは本日も厳正な審査が行われるイベントです■『"おはようパーソナリティ道上洋三です"35周年記念・おはパソ音楽祭』。多数の応募者の中から選ばれた10組のアマチュア・アーティストが、課題曲を思い思いの方法で演奏したり歌ったり。子供からお年寄りまで様々な人たちが現在にぎやかにリハーサル中です。客席では、道上さんと先頃10代目アシスタントとなった久野愛さんが、スタンバイ中の出場者と歓談しています。こういうAMラジオならではのリスナーと作り手の距離感、素敵だなあと思います■僕は、ゴールデンウィーク初日お決まりの大渋滞が収まるのを待って、夕方から西へ移動予定です。2日半の休暇。目的は、中国地方のとある小さなラジオ局で、パーソナリティのオーディションを受けること。頑張ります!!■うそです、とりあえず...(艦長)
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- 2012年04月28日土曜日
■バンタムクラスステージ『洗礼者の接吻(キス)』、本日初日です。舞台は1930年代の上海・・・。
と書いたところでふと悩みます。通常、この手の『舞台は』という表現は、《物語が進行する場所》を《劇場の舞台》に見立てた隠喩(メタファー)なんですが、演劇の場合、実際に舞台の上で物語は進むわけで、かえって表現がぼやけてしまうような気がするんですね■はい、どうでもいいことです。しかし、どうでもいいようなことにずっとかまけていたいほど、世の中は騒然としている。特に昨日から今朝にかけて・・・■1930年代上海と聞いて多くの演劇好きが思い出すのは、オンシアター自由劇場の名作音楽劇『上海バンスキング』ではないでしょうか。僕は31年前、吉田日出子さん、余貴美子さん、小日向文世さんら、今思えば錚錚たるキャスティングによる全国ツアー公演を、京都市教育文化センターというところで鑑賞しました■自由を求めてやってきた上海で、音楽と恋に明け暮れる男たち女たち。やがてその日々に戦争が暗い影を落とし始めて・・・。哀感あふれる終幕の後、ロビーで俳優たちが賑やかにジャズを演奏し、唄い、観客を見送るという素敵な趣向に大感激でした■実はそんなことを思い出しながら一昨日の夜、新入生勧誘の立て看板が並ぶ大学前の通りをクルマで走っていたのです。今でも時折芝居小屋として使われるオンボロ学生寮、アングラの拠点として有名だった講堂、大学のそばにあるそのホールなどを横目に見ながら。そして八坂神社の石段下を折れて四条通を西へ。夜桜も最高な京都・東山だったのですが・・・。
■さて、『洗礼者の接吻』、何といっても、若い俳優に混じって奮闘する澁谷天外さん(松竹新喜劇)の存在感が圧倒的です。暗黒街の大物の役だそうです。これだけでも絶対観るべきでしょう!(艦長)
4月 13日(金) 19:00
14日(土) 14:00 18:30
15日(日) 13:00 17:00
※当日券は開演1時間前から発売
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- 2012年04月13日金曜日
■この間社内のある人がやってきて、ホールの事務所に紙袋をひとつ置いていきました。中にはスクラップブックが何冊か。そこに整理されていたのは、古びた月刊の小冊子『ABCホール・ごあんない』・・・つまり、大淀にあった先代ホールの月ごとの予定表でした。「置き場所に困ったけれど捨てるわけにもいかないのでここに持ってきました」というようなことでした。ま、そうだよね。しかし僕にとっては、お宝というほどではないけれど、相当に懐かしいコレクションです。押入れの奥で青春時代のアルバムを見つけた程度には・・・。
■今から31年前、1981年4月のABCホール・予定表を書き写してみました。試写会を除くと、すべて番組の公開収録、ないし公開生放送です。
4/1(水) シャボン玉プレゼント ABC名画試写会
2(木) 世界一周双六ゲーム
3(金) ABC名画試写会
4(土) プロポーズ大作戦
6(月) ヤングプラザ
8(水) ABC名画試写会
9(木) 三枝の国盗りゲーム
10(金) 霊感ヤマ感第六感
11(土) プロポーズ大作戦
12(日) フレッシュ漫才 9年9組つるべ学級
13(月) 東西対抗お笑い春の陣
15(水) シャボン玉プレゼント ABC名画試写会
16(木) 世界一周双六ゲーム
17(金) ABC名画試写会 ABC名画試写会
18(土) プロポーズ大作戦
19(日) 枝雀寄席
20(月) ヤングプラザ
22(水) シャボン玉プレゼント
23(木) 三枝の国盗りゲーム
24(金) 霊感ヤマ感第六感
25(土) プロポーズ大作戦
26(日) プロポーズ大作戦
27(月) ヤングプラザ
29(水) 第8回ホリデーワイド
30(木) 世界一周双六ゲーム
■いちいち説明するのは控えますが、実に豪華なラインアップです。歌番組あり、若者向け音楽番組あり、クイズあり、ゲームあり、恋愛バラエティあり、漫才あり、落語あり・・・。全国ネットの番組も5つ(特番を入れるとおそらく6つ)あります。さらにここには出てきませんが、毎週土曜の深夜には非公開で、実験的な双方向番組『THEビッグ』もこの時期ABCホールから生放送されていたはずです。常々懐古的になるまいと自らを戒めている僕ですが、こんなのを見ると、大阪のテレビ界の青春時代だったなー、なんて思いますね。
■そして、来る2012年秋。現在ABCホールで作られている唯一のテレビ番組が、収録の場所をよそに移すことになりました。この拙文を読んでいただいた方にのみ(?)そっと小声でご報告です。これがホール運用にどんな影響をもたらすか、お判りですよね?・・・思うにこれで、わが三代目ABCホールの目指すべき『道』が、より明確になったようです。他人事のような言い草ですが、ABCホールなどで作る公開番組に憧れて朝日放送に入社した(元)テレビ屋としては、複雑な思いがあるのも事実なんです■ちなみに、場所を移す番組・・・『新婚さんいらっしゃい!』は相変わらず高視聴率!ますます元気ですから念のため(艦長)
またわけのわかんないことカタカタ書いてる間に、『中之島春の文化祭2012』、両日とも予約分終了しました!あとは当日ヨロシク!!
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- 2012年04月08日日曜日
■大阪・日本橋のin→dependent theatre2ndに、男肉du Soleil(おにく・ど・それいゆ)の公演を観に行ってきました。今関西で大注目のダンス・カンパニー(?)です。ヒップ・ホップ、J‐POP、マンガ、ゲームその他様々な若者文化をごった煮にして、裸の男たちが演技し踊りまくるという・・・昨今幅を利かせている草食系男子たちに冷や水ならぬ男臭い汗水を浴びせかける、猥雑で、それでいて実にチャーミングなグループです。この「チャーミング」っていうニュアンスは、実際に見ないと絶対分からないので、是非一度!今回の大阪公演は日曜までなんですが・・・そう!男肉du Soleil、「中之島春の文化祭2012」に出演するんですねー。楽しみ!■というわけですっかりお馴染になった文化祭、安心して入場するには予約が必須ですが、いよいよ4月1日(日)10時から受付開始です。お早めに!
普通の舞台公演では一般客の写真撮影なんてもっての外なんですが、男肉のステージは撮影、実況ツィッター大歓迎。ということで、明らかに客席最年長の僕も1枚(艦長)
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- 2012年03月29日木曜日
■ニューアルバムの発売がらみだと思うのですが、最近各メディアで毎日のように、クレイジーケンバンドの横山剣さんを目にします。いかにも酸いも甘いも噛み分けたナイスミドルって感じですが、自分があの方より4つも年上だという事実に愕然としてしまう今日この頃です。・・・ま、どうでもいいですけど。ぐす■このあいだ『浅草芸人 ~エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史~』という新書を読んでいたのですが、あ、なるほど!と驚いたことがあります。第二次大戦前の東京の興行界で覇を競っていたのは、松竹、東宝、吉本という3つの会社。この3つの興行団体を中心に、新しい演し物の開発競争やタレントの引き抜きなどの戦いが繰り広げられていました。で、です。現代日本のエンターテインメント業界でも中心的な存在であるこの3社、なんとルーツは全部関西なんですね。白井松次郎と大谷竹次郎の松竹。小林一三の東宝。吉本せいと林正之助の吉本興業。うーん、地盤沈下とか嘆いてばかりいないで、頑張んなきゃダメだな関西■さてご存知の方も多いと思いますが、吉本興業は今年4月1日、創業100周年を迎えます。その記念企画のひとつとして、吉本の総本山・なんばグランド花月で、『吉本百年物語』という月替わりの作品が上演されるそうです。豪華キャストによる12本のお芝居で、吉本が歩んで来た100年を振り返るという壮大な企画。5月には、近代漫才の元祖、横山エンタツ・花菱アチャコのコンビを、板尾創路と中川家・礼二のご両人が演じるとか■実はエンタツ・アチャコがコンビを組んでいた期間はごく短く、もちろんテレビもない時代ですから、ちゃんとした形の漫才の舞台映像は残されていません。しかし、コンビ解消後も二人での映画出演は数多く、その中で、《登場人物の滑稽な掛け合い》としての漫才を繰り広げた映像は残されています。僕も見たことがあるのですが、鷹揚で温かい感じのアチャコさんに対し、エンタツさんは、動きもしゃべりも『これぞコメディアン!』な、何とも軽妙な芸風です。そのエンタツさんを、あの板尾さんがどう演じるのか!?興味あるなあ・・・■余談ですが、昔の日本のプログラム・ピクチャーには、ストーリーと関係なく、人気お笑い芸人がかなり唐突に本芸を披露する、みたいなシーンがよくあったようですね。当然作品の一貫性とか完成度は下がってしまうわけですが、大衆娯楽の王様としての観客サービスなのだと思います。尺を稼ぐ、という意味合いもあったのかもしれません。いずれにせよ、今となっては貴重な映像資料です。
■さて、『少年ハリウッド』上演チームの皆さん、昨日小屋入りされ、明日、明後日と4ステの上演です。かっこいい男の子がいっぱい。前売チケットは全ステージ完売していますが各回若干の当日券が出る模様。夢をあきらめない男の疾走の物語、です(艦長)
3月24日(土) 15:00 19:00
25日(日) 13:00 17:00
※当日券若干枚は開演1時間前から発売
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- 2012年03月23日金曜日
■第7回大阪アジアン映画祭、無事終了しました。ご来場いただいたお客様、ありがとうございました。フェスティバルを支えた関係者の皆さん、多くのボランティアスタッフの皆さん、お疲れ様でした■とかいいながら最終日僕はお休みをいただき、朝は自宅で、録画していたTV番組を鑑賞。世界的サーフィン写真家・佐藤傳次郎さんのドキュメンタリーです。見応えがありました。今まで全然考えたことがありませんでしたが、サーフィンをしている人の写真ってサーフィンしながら撮影するんですね。なるほど、でなければ迫力あるショットは撮れっこない。つまり写真家は、被写体のサーファーと同じくらい波乗りの技量がないとだめなわけだ!すごい・・・■それにしても、海は美しい。波は美しい。番組は、1年前の津波の被害を受けた人々にもう一度そのことを思い出してもらおうという、傳次郎さんの自作の映画や写真の紹介活動を追います。有意義だけれど、とても勇気のいる行動だと思います。感心した僕は、お昼頃まで一時サーファー志望中年になりました■で午後からは、ハリウッド映画『ヒューゴの不思議な発明』(監督/マーティン・スコセッシ)を近所のシネコンに観に行きました。こちらも素敵な作品でした。そしてやはり同じく、映像の持つ力についての作品でした■1930年代、パリの駅に暮らすひとりの少年が紐解いてゆく、映画の魔法についての物語。映画愛に溢れた作品です。映画の父・リュミエール兄弟が作った「列車が駅に到着する」映像で、当時の観客が驚いて逃げ出そうとしたという伝説。また、チャップリン、キートンと並ぶサイレント時代の喜劇王、ハロルド・ロイドが、ビルの大時計の長針にぶら下がる有名なサスペンス・シーン。これら映画黎明期の名場面へのオマージュが散りばめられています。映画の立体(3D)化は実はごく初期から試みられていて、今は何度目かのブームだそうですが、これこそ本当に意味のある3D作品だよな、と感じ入りました■あまり書くとネタバレになってしまうのですが、SFXの原点ともいえる百年前の『魔法の映画』作りの現場が、僕にとっては一番の見どころでした。新しい芸術を作り出そうという情熱が溢れ、どんな奇抜なアイデアでも実践してみる撮影スタジオの活気。『半世紀前のテレビの現場もきっとこんなだったろうな』という個人的な憧憬も含めて、素晴らしいシーンでした■人を楽しませること、驚かせることの悦び。ヤル気の出る映画です。普段は使いたくない表現ですが、この作品については『勇気をもらった』って、いってもいいような気がしました、うん。
■そういえば、この『ヒューゴの不思議な発明』、先日、美術、視覚効果など最多5部門で見事アカデミー賞を受賞しましたが、作品賞や監督賞はノミネートされたものの惜しくも受賞を逃しました。『ヒューゴ...』を押さえ、作品、監督、主演男優など同じく5部門で受賞したのが、『アーティスト』。『ヒューゴ...』とほぼ同じ時代のハリウッドの映画界を題材にした、サイレントで白黒のフランス映画です。フランスを舞台にしたアメリカ映画に競り勝ったのが、アメリカを舞台にしたフランス映画だというのですから、よく出来た話です。しかも、どちらも映画を題材にした非常にメタな作品だという・・・■この大注目の『アーティスト』、日本公開は4月7日ですが、実はABCホールでの試写会が3月27日(水)にありまして、なんと現在まだ応募受付中です(メールは3/21・10時まで)■急げ!(艦長)
※追記・・・すでに「アーティスト」試写会の観客募集は終了しました(3/21夜)
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- 2012年03月19日月曜日
■MONO『少しはみ出て殴られた』、大好評のうちに6ステ中2ステ終了。本日・土曜は唯一の2回公演日。その後、(日)(月)とマチネを1回ずつやっておしまい、と、何とも大人のスケジュールです。いやー面白そうな舞台です。ビシビシ空気が伝わってきます。というのも実は僕まだ拝見してないわけで・・・■実は、この2012年3月2週目の週末、関西では何故か小劇場の公演がむちゃくちゃ集中していて、演劇ファンの人たちはスケジューリングにとても苦労しているのです。昨日も上田剛彦アナウンサーがやってきて、『どうやって回るか困ってるんですよー、艦長』と嘆いておりました■演劇は、とっておいて後で見るとか、よその劇場にかかるのを待つ、とかいうことが出来ない。特に、上演期間の短い小劇場演劇は、その週に見逃すとその作品にはもう永遠に触れることができません(DVDがあるじゃないか、とかいう話はここでは措きましょう)。何度も書きますが、この『一期一会性』(?)が演劇の魅力であり、ファンを限定してしまう泣き所でもあるわけです。まあ、神代の昔から誰もが云ってることですけど■そんなわけで実は僕も、昨日おとといと、他所の劇場に演劇鑑賞に出かけていたのです■昨夜は、神戸アートビレッジセンター・KAVCホールで『地中』という劇を拝見しました。今、神戸で作られるべき、観るべき作品だと感じ入りました。『土地』の持つ記憶。ある土地に息づく、何組もの人々の営みの思い出。太古から未来に至るさまざまな物語が、舞台上を覆う一枚の布(地面)の表と裏で重層的に描かれます。荒涼たる大地のビジョンは、17年前にここ神戸の地を襲った大震災を否応なく想起させます。そして今週末、日本は昨年の巨大な惨事からまる1年の日を迎えます■決してメッセージを前面に押し出した作品ではありません。あくまで、演劇でしかできない詩的かつ絵画的な舞台表現を、脚本の角ひろみさん、演出の丸尾丸一郎さん(劇団鹿殺し)、そして選りすぐりの俳優陣がしっかり創り出していたと思います。特に、ほんの10日ほど前までABCホールで軽快な西部劇に出演していた美津乃あわ・行澤孝のお二人が、打って変わった重厚で妖艶な演技を見せていたのが印象的でした■この公演は、演劇プロデューサーを目指して学ぶ人たちが、実践の集大成として、先輩の指導を受けつつ実現させたものだそうです。素晴らしい■そうだ!!他人事じゃない。先日速報が出たABCホールプロデュース第三弾も頑張らねば、ですね。乞うご期待!!■ところで僕はMONOをいつ観るんだ!?早く観たい!!(艦長)
■MONO『少しはみ出て殴られた』、今土曜のマチネ公演中ですので、残りは3回。(土)18:30、(日)14:00、(月)14:00。当日券あります。見逃すと一生の不覚です。
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- 2012年03月10日土曜日
■伊藤えん魔プロデュース『ビリィ・ザ・キッド』、本日小屋入りされ、明日初日です。男優陣がみなヒゲ面です。はは■西部劇は、ポリティカル・コレクトネスの問題もあって近頃アメリカではあまり作られなくなっていますが、ビリィ・ザ・キッドはこの世界の大人気キャラです。僕も子供の頃にはテレビの吹き替えドラマなどでこの名前をよく耳にしました■銃の腕前が抜群で、人殺しや盗みを繰り返すのだけれど何故か憎めず、若くして追跡者の銃弾に倒れる。彼の生きた時代は、日本では幕末から明治初年に当たりますが、同時代の日本で探すなら、岡田以蔵みたいな感じでしょうか?ちょっと違うかな?幕末にもウェスタンにも強くないのですみません■でも、劇中にも登場する有名な拳銃、コルト・シングル・アクション・アーミー(SAA)の愛称は僕でも知っています。『ピース・メーカー』。つまり、平和を作り出す銃。日本人の心性からは相当遠いネーミングです。開拓地の荒くれ者を鎮め治安を守る立役者、というわけですよね■ピースメーカーが登場した百年足らず後、アメリカは今度は『ピース・キーパー』という名の兵器を作り出します。平和を維持する、つまり戦争を抑止する道具。大陸間弾道核ミサイルです。うーむ、すごい世界観です。幸い、このピース・キーパー型は実戦に出撃することなく退役しました。まあ、更に強力な後継のミサイルが今でも無数に配備されているわけですが・・・■えーと、ICBMの件はさておき、です。西部劇に象徴されるアメリカ特有のフロンティア・スピリットには、極東の島国の草食中年男子といえども憧れる一面が確かにあります。去年だったか、『トゥルー・グリット』(2010)という西部劇映画を観ました。数十年前の名作、『勇気ある追跡』のリメイクです。その時、とても印象に残ったシーンがあるのです■・・・父の復讐のためひとり汽車に乗り、はるばる終点の町に降り立った少女。カメラが引くと、プラットフォームもなく、ただ町の広場の真ん中で蒸気機関車が煙を吐いています。そして線路は、その機関車のすぐ鼻先で途切れています。アメリカ大陸を西へ西へと伸びてきた鉄の道の、先っぽに作られたごく簡単な『車止め』。その実に間に合わせな感じ。《今はここが最果てのフロンティアだけれど、じきにそうじゃなくなるんだ》、とそのカット1枚で表現されていています。かっこいいー!と思いました(記憶に頼って書いているので、細部が違っていたらすみません)■そんなわけで、西部劇です!かっこいい役者が勢ぞろいの伊藤えん魔プロデュース『ビリィ・ザ・キッド』、かっこいいガン・アクションもふんだんです!
2月24日(金) 19:30
25日(土) 14:00 ★19:00
26日(日) 13:00 ★18:00
27日(月) ★ 19:30
※★・・・トークショー「500円えん魔ちゃん」 2/25(土)17:00~ 2/26(日)16:00~ 2/27(月)17:45~ (入場料は全額震災復興の一助に寄付されます)
※当日券は開演1時間前から発売
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- 2012年02月23日木曜日