スタッフの雑記
■ネット上に、僕がよく参考にさせていただいている、ある覆面劇評家さんのサイトがありまして。たぶんアレだろうとお察しの方も多いと思います。おそらく首都圏在住の方なのですが、その方の劇を観る目が実に優しい。演劇愛に満ちている。感想文には、劇の中身のみならず、上演時間、客席の入り具合、チラシ束の厚みまで記載されていて、読めばまるで実際に劇場に行ったかのよう■特筆すべきはその観劇数の多さで、大劇場から小劇場まで、現代演劇を中心として、ダンス、歌舞伎、オペラ、落語もまじえ、だいたい1か月平均40本ほど、多い月は50オーバーの観劇記がアップされています。つまり、ほぼ毎日、休日は原則昼夜ハシゴで時には3本、みたいな感じなんです■さらに驚くべきは、関西にも頻繁に足を運ばれていることで、例えば、今や関西を代表する劇団といえるヨーロッパ企画は、結成間もない2001年から恐らく全作品をご覧になっていますし(僕より1年早くてちょっと悔しい)、京都の民家の居間みたいなところで上演されている一人芝居の、数人の観客の中の1人だったりもする(その中には僕もいたみたいですが)■いったいどんな方なのか全く知らないのですが、その方の記録の中で、前から特に気になっていた物件があります■2000年8月、KAVC(神戸アートヴィレッジセンター)で開催された、劇団・遊気舎による『エル・ニンジャ対アマゾネス・キョンシー』というイベント。作・演出は、かつての遊気舎座長、大王こと後藤ひろひと氏。2000年といえば、後藤氏が川下大洋氏と演劇ユニット"Piper"を立ち上げて3年目です。私・艦長、このPiperの初仕事だった当社のある深夜TV番組(1997)の担当Pだったりするのですが、2000年当時は東京勤務だったこともあり、この催しは見逃しています。ちなみにこの深夜番組、実に奇抜で面白かったのですが、あとで会社の偉い人に少々叱られもしました。えへ■でですね、今からこの劇評サイトを元に、『エル・ニンジャ対アマゾネス・キョンシー』がどんな催しだったかを説明します・・・■①ある映画作品の上映会という設定。進行役の大王によると、どうやら完成フィルムが間抜けな理由でオシャカになってしまったらしい■②「ならば今から上映時間までに、急いで足りないシーンを撮り足そう!」「まさか!?」「エキストラならここにいるじゃない!」ってことで、観客がいくつかのグループに分けられ、建物の中の何か所かに集められ、それぞれが変てこな演技指導を受ける。そして訳の判らぬままその姿を撮影される■③撮影された素材は急いで編集に回され、その間観客は自由行動。館内の至る所に設けられたお楽しみコーナーで、遊気舎座員との様々な触れ合い(?)を楽しむ。さながら高校の文化祭のような雰囲気であたろうと思われます■④そしていよいよ完成した映画の上映会!映画の出来そのものは何をか云わんや、大王云うところの『ゴミ映画』だったはずですが、あちこちに、さっき撮影したばかりのエキストラシーンが!しかも写っているのは他ならぬその場の観客。「なにー!?さっきの演技指導でつけられた動きってこういう意味だったの!」って、編集の魔術で意外な使われ方をしちゃってるという趣向。もうこれは盛り上がらないわけがない■ いやー観たかったなーこれ!と、13年前に記されたこの文章を読んで涎を垂らしていたわけですが。なんと。この企画がグレードアップしてABCホールで観られるというじゃありませんか。長生きはするもんです■題して『デルシネ』、つまり出るシネマ。イベントの骨格は上に記したとおり。司会進行はもちろん後藤ひろひと。氏の監督による『エル・シュリケンvs悪魔の発明』という映画は相変わらずゴミみたいですが出演者は超豪華で、ナインティナインの岡村さんはじめ大師匠から若手人気者まで吉本の芸人さんがズラリ■そして、編集の間、お客様を楽しませてくれるのは、ご存知Piperの長老・川下大洋、もとい彼が扮するキャラクター、ドナインシタイン博士による、久しぶりの『ひみつ学会』。関西演劇界一の屁理屈男・DOCによる今回の研究発表はずばり『後藤ひろひとのひみつ』。毎ステージ、博士の発表に加えてゲストの研究発表、さらに豪華なVTRゲストの発表もあります!
■うー!書いていても、ちょっと予備知識がいりそうな文章で恐縮ですが、なーにややこしいことは知らなくて結構。会場に来て下さりさえすればいいんです。類稀な才能とサービス精神で関西の演劇界を牽引し続けている大王が、盟友・ドナインシタイン博士と共に、あなたを奇妙な世界に連れて行ってくれます!
■あ、初日の昼の回には、映画のヒロイン、桜 稲垣早稀ちゃんも登場してくれます。
■でもって、現在ここから、当日精算予約受付中!!
王立劇場vol.10 デルシネ エル・シュリケンvs悪魔の発明 with ドナインシタイン博士のひみつ学会2013
9月22日(日) 13:00(ゲスト・桜 稲垣早希、久保田浩) 18:00(ゲスト・兵動大樹)
23日(月・祝) 13:00(ゲスト・内場勝則) 18:00(ゲスト・楠見薫)
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- 2013年09月19日木曜日
■すごく昔の話のような気がしますが、悲運の名投手・津田恒美さんを主人公にした実録型演劇、よろずや「バイバイ」(8/10-11)は大好評。ABCラジオの朝の顔、道上洋三アナウンサーと先日エレベーターで一緒になった際、「感動したわー!」と言ってもらいました。テレビの方の朝の顔、浦川泰幸アナウンサーも、私・艦長がラジオで紹介したのがきっかけで観に来てくれ、ハンカチを握り締めながら帰って行きました。自分で作ったわけじゃないけど、やっぱり褒めてもらえるとうれしいものです■さてその後しばらくABCホールは比較的のんびりした日々が続きました。お盆はお休み、甲子園・決勝戦のパブリック・ビューイングも成功、ホームランが出た時には客席に大拍手が起こりました。私は客席最後方でしばらく観ていたのですが、背後からスタンドの大歓声が響いてきてびっくり。そうか。今回のパブリック・ビューイングには最新鋭のデジタル映写システムを使用していたので、映画上映の時と同じく、サラウンドシステムが生きてたんですね。いやー、素晴らしい解像度の映像もあいまって、さすがに凄い臨場感でした■それからSkyのライブがあって韓国の女性アイドルのクローズドイベントが昨日あって、明日土曜日は恒例、全国童謡歌唱コンクールの近畿ブロック決勝大会。・・・そんな夏が終わり、いよいよ9月、秋の繁忙期に突入です■ABCホール初登場のmuro式、東京公演も大評判のようで楽しみです。そして某超大物芸能人のファンクラブイベントの後、関西の舞台で日々振り付けまくっている(?)ダンサー・コレオグラファーの尾沢奈津子さん率いるダンス・ユニット、N-Trans Fishが本公演では4年ぶりのABCホール登場。「おはよう朝日です」(私も大昔担当してました)で当社とは縁が深いエレクトーンのコンサートがあったり、芝居小舎がベテランの味を見せてくれたり。そして、意外にも!なのですが、大王こと後藤ひろひと氏が初めてABCホールの舞台に上がります。『王立劇場vol.10 デルシネ エル・シュリケンvs.悪魔の発明withドナインシタイン博士のひみつ学会2013』。とにかく人を楽しませることが好きな大王らしい、バカで素敵な催しです。その後まもなく発表されるであろう上方の落語会があって、最後は柳家三三さんの江戸古典落語で粋に締めてもらいます■しかしこの9月のスケジュールも、10月から12月の怒涛の3か月の序章に過ぎないのです。わお!(艦長)
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- 2013年08月30日金曜日
■高校野球は連日熱戦を繰り広げています。僕的に正確に申し上げると、「いるようです」。朝日放送従業員としてそんなことでよいのか!とお叱りを受けそうですが、自分が高校球児より年上になってしまった時点で、あまりTV観戦もしなくなってしまいました■子供の頃は、高校野球ファン、というより京都の某古豪チームのファンだった祖父に連れられて、西京極球場によく地区予選を観に行きました。また高3の夏には、母校の野球部の応援団に参加しました。男子校だったものでチアガールなどいません。さてどんな応援をしようかというミーティングを同級のY君の部屋でやることになり、それが終わって皆と一緒に帰ろうとしていたらY君に引き止められ、その後二人で交わした会話が高校時代の僕の大切な思い出のひとつなんですが、それはまた別の話■大人になってからは唯一、KKコンビのPL学園は見ていた気がします。『甲子園は清原のためにあるのか!』という植草アナの伝説の実況も生で聞きました。そんなところ。実は今年の地元の代表校がどこだかも知らない体たらくです。申し訳ありません■さて、奇特にもこのブログを読んでいただいている方はご存知かと思いますが、この1月から、『浦川泰幸の劇場に行こう!』というラジオ番組で、近々上演されるお芝居について毎回1コーナー喋らせていただいております(毎週日曜21:05~22:00、もちろんABCラジオ 1008kHzです)。『貴重な電波やないか、シロートのおっさんに喋らせるより○○か誰かに喋らせろ、ないしはオレが喋る!』という声なき声があるのは重々承知しております、しかしまあ、予算やスケジュールなど諸々事情がありましてご容赦ください■外部の方にお願いしにくい理由のひとつに、『プロ野球のナイター中継が押すと放送が短縮、あるいは無くなってしまう』という事情があります。ご存知の通りABCラジオは阪神タイガースのゲームを中心にお送りしているわけですが、ラジオの野球中継というのはテレビに比べて大変フットワークが軽く、A球場で予定されていたタイガースの試合が中止になったら直ちにB球場の別試合に切り替え、みたいな態勢が整っていて、しかも昨今ドーム球場が増えていますから、真夏の日曜の夜には必ずどこかでナイターをやっており・・・(泣)。実は昨日・8/18夜の『劇場に行こう!』の放送も見事なくなってしまったのです■演劇、しかもたいてい小劇場演劇についてレギュラーで喋るというラジオ番組というのも全国的に見ても稀有ではないかと、いつもそれなりに頑張っているわけですが、大変残念です。
■昨夜ご紹介しようと思っていたのは(というか録音・編集まで済ませていたのは)、8月22日(木)から27日(火)まで、大阪・日本橋のin→dependent theatre 2ndで上演される、悪い芝居の『春よ行くな』という作品でした。いま全国的にも注目の若手演劇人の一人である山崎彬さんが劇作・演出をつとめる劇団の新作です■実は先週、京都の稽古場に取材というか見学にお邪魔したのでした。面白かったー!悔しいのでそのことを少し書きます■稽古のはじめ、演出の山崎さんと俳優の対話の時間が持たれたのに先ず驚きました。役へのアプローチ、今回なぜこういう身体性にこだわるのか、みたいな。演劇論ってやつですね■前に番組内では少し話したことがあるのですが、1990年代後半以降、日本の演劇はかなり「わかりやすく」なっています。60年代に始まったアングラ・小劇場運動では、才能溢れる作家がイメージの赴くままに書いた、筋とか辻褄とかはよく分からないけど何だか面白くて高揚する舞台がメインストリームでした。バブル期にはそれがより洗練され、それでもやはり結構難解であることに変わりはない作品に、大企業がお金を出したりもしていました。『ストーリーより演劇ならではの華やかな興奮』、が価値を認められていたのです■しかし、阪神淡路大震災やオウムの事件が起こった95年頃から、演劇界に『物語回帰』が叫ばれるようになります。演劇のみならず、恐らくあらゆる表現において、頭でっかちの理論よりも、わかりやすさ、感動、が、求められるようになってきた。不安な時代、右肩が上がっているとはいえない時代の空気なのかもしれません。言い方に少し悪意がこもっていて恐縮ですが(ここはあくまで僕の嗜好性の問題です)、若手集団のレパートリーに、RPGみたいなファンタジー芝居、あるいは閉鎖的シチュエーションコメディが増えたように思います■話が少々大きくなりましたが、山崎さん自身が冗談ぽく話してくれたように、悪い芝居はそういう意味において、『古い芝居』だという気がするのです■『春よ行くな』には、現代日本の若者の生活を彩る様々な記号が溢れています。言葉遣いはとてもリアルで軽い。しかしそのコミュニケーションの底に横たわる"何か"は果てしなく重く、切ないのです。正直云って、『オシバイを観て元気になりたーい!』という方にはお勧めできません。置いていかれるかもしれない。しかし、『演劇にとってリアルな俳優の身体と言葉とは何か?』『それによって何が表現できるのか?』・・・まあそんな頭でっかちな動機でなくても、現代演劇のひとつのエッジに触れてみたい、演劇でしか味わえない興奮を体験をしたいという方には是非観てもらいたい、と思いました■ところで、どうして『悪い芝居』という劇団名なのか?ホームページやチラシには『悪いけど芝居させてください』の略だ、と書かれていますが、多分嘘です。または韜晦です■かつて日本で、『悪所』といえば遊里と芝居小屋でした。つまり、芝居小屋は、遊郭と並んで人間を駄目にする場所だとされていたのです。『悪い芝居』は、ちょっと健康的になり過ぎた日本の現代演劇に、密かに悪だくみを仕掛け続けているのだと思います■悪い芝居『春よ行くな』、22日(木)初日です(艦長)
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- 2013年08月19日月曜日
■なんだかいろんなことがありまして・・・ご無沙汰しております■一週間前の7月26日、七代目劇団そとばこまち公演『のぶなが』が初日を迎えておりました。出演者総勢40人になろうかという賑やかな舞台。ま実は大変血なまぐさい時代のお話ではあるのですが、サービス精神たっぷりの演出で、満員のお客様も喜んでおられました。この日僕は28日(日)に復活オープンする道頓堀角座の内覧会へ。古式ゆかしい芝居小屋の造りだったかつての角座とは似ても似つかぬモダンな小劇場ですが、東京で大人気の料理店の関西初店舗を敷地内に招聘するなど、松竹芸能の勢いを感じさせます。「私が、蝶が美しいと書いて蝶美です」「そして私が蝶の子供と書いて」「イモムシです」「てい!」のツカミでお馴染みの(?)蝶美蝶子さんも復活したしなあ...■日曜日は、炎天下京都郊外の自宅から自転車を漕いで街中の小さな劇場で若手の劇を鑑賞。ドキドキぼーいずという劇団で、自分の子供たちよりはるかに年下の人たちのナニを汗だくでナニするというのも変な気分ですが、でもとても良かったのですこれが。達者やわー今の人は■月曜日は昼間書類作りに没頭し、夜は久しぶりに天満天神繁昌亭へ。桂九雀さんの落語と、九雀さん演出による『噺劇』というものを拝見しました。落語『鰍沢』を、国木田かっぱ、や乃えいじ、嶋田典子という3人の俳優さんと三代澤康司アナの現場ナレーションで芝居仕立てにするという試み■火曜もワープロ仕事とあとラジオの準備■そして水曜の朝、ラジオ「劇場に行こう!」のスタジオで、笑福亭松喬師匠が亡くなったのを知ったのです。思い起こせば、2011年の暮れ。ここABCホールで五夜連続の独演会を大成功させ、その直後、たしか翌日か翌々日とお聞きしたと思うのですが、お医者さんに診てもらったら癌が見つかったのです。僕などが申し上げるのは失礼かもしれませんが、本格派の大きな芸でした。ご冥福をお祈り致します■そんな今週、前半ホールの方はメンテナンス作業。そして今週末から来週はお笑いと野球です■8/3(土)ウーマンラッシュアワーの全国ツアー■8/4(日)笑い飯のABCホールライブ7■8/7(月)には、甲子園の開幕に先駆けてあの松井秀喜さんのトークイベント!(観覧募集は締め切られています)■そして8/8(木)は銀シャリ「SAMURAI BLUE JACKET」■8/10(土)、11(日)は久々に演劇公演なのですが、これが何と、演劇集団よろずやの名作「バイバイ」。広島東洋カープの炎のストッパー、津田恒美さんの物語です■暑い夏です。皆様お身体ご自愛ください(艦長)
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- 2013年08月02日金曜日
■やっとこさ昨日の夕方、初めてグランフロント大阪に足を踏み入れた艦長です。いけませんねー、年々人混みが苦手になる。人混みだけじゃなくあんた人づきあいも苦手よね、なんて茶々を入れられそうですが、はい、あえて反論は致しますまい■もともとデパートが4つと駅直結の専門店街があるところに、さらに新街区が生まれて、大阪の人こんなようけモノ買うお金持ってるんかいな、なんてちょっと心配になってしまいます。記念にTシャツの1枚でも、と思ってブラブラしていたのですが、歩くだけで疲れちゃって、結局1円も使いませんでした■「ナレッジシアター」の前にも行ってみたのですが、当日は休館状態で近々の予定を知らせる掲示物もなく、入口周辺は薄暗くてちょっと近寄り難い感じ。最高の立地で大きさもいい感じ(たしか収容人数380ほど)なんですけどね。うーむ■ABCホールも今週末は演劇公演はなくて、EMALFという、("という"などと書いたらファンの方に叱られそうですが)、男性ユニットの催しです。その代わり7月には芝居とコントが6本も!■それにしても6月はいやに長いな、湿気のせいで時間までベトついているのかな、と思ったら、劇場にいる時間が結構長かったみたいで...今月観た芝居を列挙します■6/1(土)THE GO&MO'S『白石の瓶』@一坪シアタースワン。6/6(木)ハイバイ『て』@AI・HALL。6/10(月)スイス銀行『暮らしとゾンビ』@in→dependent theatre 1st。6/12(水)突撃金魚『富豪タイフーン』@名古屋・ナンジャーレ。6/13(木)イキウメ『獣の柱』@ABCホール。6/15(土)男肉 du Soleil『石田剛太のスペースコブラ』@元・立誠小学校。6/17(月)STAR☆JACKS『おぼろ』@江坂スペース・シアター。6/21(金)タカハ劇団『ブスサーカス』@in→dependent theatre 1st。6/23(日)月面クロワッサン『オレンジのハイウェイ』と、夕暮れ社弱男ユニット『夕暮れ社、海のリハーサル』ともに@元・立誠小学校。ほかに、資料ビデオでオイスターズ『日本語私辞典』。この後は6/30(日)にiaku『流れんな』@八尾・プリズムホール、の予定■い、いかん。今月は特に多めですが、ラジオ番組の取材もあって、完全に年100本超ペースに乗っかっています。巷の演劇レビュアーの方に比べれば量的には大したことはないけれど、50代後半のおっさんとしてはかなりマニアックなラインアップ、ですよねー。松竹座新歌舞伎座はおろか、ドラマシティにもBRAVA!にも行ってないよ。取材などと言い訳しましたが、ま、ほとんどは僕好みのチョイスです。いやはや....■
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- 2013年06月28日金曜日
■ブルーシャトル「ゼロ・ファイター」&「八月のオリオン」が昨日終わり、明日からはイキウメ!今日火曜日は忙中閑あり、の休館日的一日ではあるのですが、何だかバタバタだよー■午前中はラジオの録音があって、午後イチはとある有名企業様の下見・打合せがあって、ちょっと病院に行って、夕方は社内の管理部門の人にちょっとお説教・・・などと書いたら叱られるな、もとい、指導を受けました。いやはや■実は昨日はブルーシャトルのバラシなどを失礼し、昼間はスイス銀行のマチネを拝見し、夜は今朝のラジオ用にiakuの稽古取材に行ってきたのです。深夜に帰宅してからいただいた台本を読み込み、資料をまとめ、入浴、夕食ときたものですから、今朝は不覚にも寝坊。サラリーマンになって以来寝坊で仕事をトチったことは一度もない(それ以外ではありますけど)のが自慢なのですが、やばかった~。と、ここまで時系列めちゃくちゃですがご勘弁ください■さて、昨日のスイス銀行本公演「暮らしとゾンビ」、日本のフツーの町に突如ゾンビが出現し、密室に数人の男女が逃げ込んだらどうなるか?ハリウッドのゾンビ映画では決して描かれることのない、様々なアホ問題が続出します。「リーダー適格者がいない」、「トイレはどうするの?」、「恋愛弱者は閉鎖空間の恩恵にあずかれるか?」、「だいいち火葬が定められている日本にゾンビってどうよ?」・・・コメディ要素てんこ盛りで、楽しませていただきました■そして夜は、横山拓也氏の演劇ユニット・iakuのお稽古見学。ABCホールとはまったく関係ない公演ですけど、PRしちゃいます。何せあの、作・横山拓也/演出・上田一軒という、ABCホールプロデュース#3「目頭を押さえた」のコンビですからね。まだやっと通しの台本が完成したばかりですけど、横山節、今回も全開です。つまり、イヤーな会話劇。人間の欲とか、怨みとか、ひがみとか・・・関西地方のとある小さな港町で、本来親しい関係にある人々が、始終大小の口げんかや噛み合わない会話を繰り広げる100分ほど。言い争いばかりなのに、笑わせられたり泣かされたりする不思議。もっと観ていたくなる不思議。こんな後味悪い作品(失礼)でカタルシスを感じてしまう僕って一体何なんだろう?・・・って自らを振り返ってしまいます。必見■公演詳細は、「iaku」で検索検索!(艦長)
「流れんな」稽古場にて 左から、橋爪未萠里(劇団赤鬼)、酒井善史(ヨーロッパ企画)、緒方晋(The Stone Age)、峯素子(遊気舎)、演出・上田一軒(スクエア)、北村守(スクエア)・・・下手な写真でスミマセン
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- 2013年06月11日火曜日
■文化庁芸術祭大賞受賞記念『平成の女道楽 内海英華でございますinABCホール』、昼夜とも超満員のお客様が大満足されつつ、さきほど目出度くお開きとなりました。落語とお囃子の関係がよくわかるコント仕立てのコーナーなんかもあって、構成も見事。鮮やかな三味線の技と、艶やかな唄声と、軽妙なおしゃべり。三味線方として長年御簾の奥から上方落語を支え、幾多の名人上手の話術に耳を傾けてきた、膨大な蓄積がそこにあります。今それが見事に花開きました。いや、英華さんの芸の素晴らしさは昔から知る人ぞ知る、だったんです。しかしやはり賞というものは大きい。それもゲージツサイやもんなあ。いーなーいーなー。おめでとうございます(艦長)
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- 2013年05月29日水曜日
お疲れ様でしたー!「中之島春の文化祭2013」、4日間の日程を無事終えました。出演団体の皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました!そしてお客様!本当にありがとうございました!きっと4日間通い詰めた方もいらっしゃいますよね?連休明け、大丈夫ですか?社会復帰できてますか? いろいろな出会いが生まれ、思い出が出来た日々でした。とりあえず、恒例の打ち上げ写真です。
そしておまけ。 5月5日、6日とこの界隈全体で開催された「ABC感謝祭2013MaiDOほたるまち」も大成功!ABCホールのお隣、堂島リバーフォーラムでは、ABCテレビの番組セットがいっぱい展示され、皆さんに実際に触れていただいたりしました。そこで こんな思い出のショットを撮った方もいます。文化祭に出演の変ホ長調のご両人、7年越しの夢が実現です!?
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- 2013年05月07日火曜日
■『ゴドーは待たれながら』、先ほど大阪3ステ目の幕が開きました。2幕で休憩込み計120分の作品。小劇場の一人芝居で二幕ものというのは珍しいと思うのですが、元ネタである『ゴドーを待ちながら』が二幕であることに倣ったのだと思われます■しかし実際問題、幕間休憩は役者のためにも必要なのでしょう。たった一人の出演者である大倉孝二さんの運動量は半端なものではありません。『ゴドーを待ちながら』というと、前にも書きましたがウラジーミルとエストラゴンという2人の男がうだうだとお喋りしながら謎の人物(?)"ゴドー"をただ待っているというお芝居。演出にもよるにせよ役者の運動量はさほどではない、という印象があったのですが、少なくともこのケラリーノ・サンドロヴィッチ演出による『待たれながら』の"ゴドー"はよく動く。大倉さんは、舞台を縦横に動き回りつつ、ヴォードヴィリアンの如き切れ味のよい身のこなしでゴドーを演じます。ウラジーミルとエストラゴンが、そして世界中の演劇ファンが待ち焦がれたゴドーの苦悩を。客席には終始笑い声が絶えないのですが、演じる側にとっては肉体だけでなく精神にもきつい舞台だそうです。文字通り全人類の苦しみを背負っているようにもみえるわけで、追い込まれるのも仕方がないかもしれません■さて、実は昨夜予定されていた、いとう、KERA、大倉のお三方によるアフタートークに、サプライズな4人目が登壇しました。20年前にこの『ゴドーは待たれながら』をいとうせいこうさんの作・演出で初めて演じた、きたろうさんです。ご自身が属するシティボーイズのライブの大阪公演千秋楽がちょうど昨日のマチネで跳ねて、共演されていたいとうさんと一緒に夜ABCホールに本作を鑑賞に来られたのです(シティボーイズミックス、僕も拝見しましたが、素晴らしくトンガった舞台でした。熟年俳優による不条理爆笑コントライブ。あんな六十代になりたい!)■自分が20年前に青山の小さな会場で3日間だけ演じて以来一度も上演されていなかった幻の作品を、つまり初めてご覧になったわけですが、きたろうさん、大倉ゴドーを大絶賛されていました。自分の戯曲を上手く刈り込んでくれた、とこれまたKERAさんを絶賛のいとうさんと共に、この作品を海外に持っていく話で大盛り上がり。なるほど、大倉さんの素晴らしい長身痩躯と無国籍?な風貌もゴドーにはぴったりです。海外の演劇ファンもこの作品には驚くかもしれません■千秋楽の明日・火曜日は、追加公演が出来たことを知らない方もおられるのか、当日券がそれなりに出ます。大阪ではラストチャンスです。発売開始は18時!開演は19時!
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- 2013年04月22日月曜日
■『中之島春の文化祭2013』、近づいて参りました!絶賛前売り中!!■その前に『ゴドーは待たれながら』、あります!4/23(火)の追加公演、若干残席あります!東京では、当日券が買えず泣く泣く帰ったお客様が連日多数出たという人気の作品です!■その間にあるエレキコミックのライブは前売が売切れてしまったらしいですが、当日券若干あり!■あ、今夜のABCテレビ『スタンダップ』は中之島春の文化祭特集です。「あなたにとっての文化祭とは?」という質問を、何人かの役者さんにしています(僕もカメラの横にいたのですが、呼んでもらえませんでした)■ラジオ『浦川泰幸の劇場に行こう!』もあるし。芝居、観なくちゃいけないし。何だかわからないが、あー盛りだくさん過ぎる。
■さて、僕はネット依存症です。いや、正確に云うと、検索依存症です。道を歩いているときにもスマートフォンをいじり続ける『スマホ馬鹿』と呼ばれる人種がいますが、僕は検索馬鹿かもしれない■テレビを観ている。画面に映っているタレントさんが誰か分からない。とりあえずリモコンの「番組情報」ボタンで名前の見当をつける。「あーこの人が」・・・で済めばよいが、さらに気になる場合はその名前を手元のスマホで検索する。画像検索の結果も自動的に表示されて、「セクシーショットも案外OKなんだ」って余計なことを知ったり■芝居を観に行く。終演後、一番最初にやりたくなるのは、気になった役者さんの名前を検索することだ。大抵の場合、劇団○○を観に行く際、○○についてはある程度知っている場合が多いので、調べるのは気になった客演の役者さんと、その人の所属劇団について。そんなわけで今も、おととい鑑賞した若手劇団の作品に客演で出ていた別の劇団の役者さん(僕の子供たちよりはるかに若い)が仲間とやっているウェブラジオを聴きながら、これを書いていたりする。ここにたどり着くまでに幾度検索をかけたことか■このブログは、会社のサイト内から発信しているものだから記述する内容に間違いがあってはいけないので(ゼロではないと思いますが)、例えば過去に上演された芝居の話など、必ず検索サイトを何度も使ってチェックしながら書き進めている■仕事中ももちろん。知らない団体の方からABCホールご利用希望のメールをいただいたら、まずその団体名を入力して検索しHPを探し出す。お電話をいただいた場合だと、会話しながら団体名を検索したら、相手の方のお顔まで画面に出てきて(劇団の役者兼制作さんみたいな場合ですね)、それを見ながらお話したりすることもある■そんなこんなで、数えてみたことはないが、公私合わせて一日に軽く百回以上は検索システムを使っていると思う。恐ろしい。まあ僕の検索回数がどんなに多くてもそれはよい■しかし、『ちょっと分からないこと』、『何となく気になったこと』についての解答が、誰でもこんなに簡単に手に入るようになったというのは、人類の知の歴史において実に大きな変革であるはずなのだ。その変革がほんの十年ちょっと前から起こり、自分もそこに立ち会っているという偶然が恐ろしい■『森羅万象が、掌の中に収まる小さな機械に詰まっている』、という感覚。・・・錯覚。眩暈がしてしまう(艦長)
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- 2013年04月18日木曜日