スタッフブログ
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スタッフの雑記

大田王・4(終)

■何ということでしょう。『大田王2014ジゴワット』についていろいろ書いておこうと思っていたら、いつの間にか公演から早1か月もの時間が経っていました。いつまでも思い出に浸っていては完全に老人扱いされてしまう、急がねば!■・・・と思っていた矢先、素敵なニュースを目にしました。かつてイギリスで活躍したコメディグループ『モンティ・パイソン』が、この7月、ロンドンで約30年ぶりの復活公演を行ったのだそうです。当時の日本でも、コント的な笑いを目指す数多の人たちから"崇拝"されていた、伝説の男たち。かく申す僕も、DVDボックスくらいは持っていたりします。そしてその公演の千秋楽・7月20日の模様が、まもなく日本でもTV放映されるとのこと。やった!えーと・・・イギリス時間で7月20日の夜なら、日本では21日、うわ、『大田王』の千秋楽と一緒じゃあないかっ!!不思議な縁だなあ・・・。他局のことでもあり詳細情報は控えますが、こりゃ必見です。

■とまた余計な話が長くなりましたが、いよいよ残る8人について■石原正一さん。今回舞台に立った8人のメンバーの中ではなんとなく『若手』の立場を担ってもらう流れになってしまいました。年齢はみんなとほぼ一緒、しかも"石原正一ショー"一国一城の主なんですが、持ち前の誠実なキャラクターで、稽古場でも何かと細かい部分を支えてもらいました。深く感謝です。妻子同伴でパンツ一丁街頭ロケ、という若手芸人ばりの苦労もお願いしました。ピンネタを存分にやりきってもらった分で全部チャラにしてください、面白かったです!■久保田浩さん。誰も追随できない存在感。この方も遊気舎の代表です。劇団では最近抑制気味のキャラクター『羽曳野の伊藤』が、久々に弾けました。腹筋さんとの10分に及ぶ"戦い"は、実は2001年、シアター・ドラマシティ(大阪)、スペースゼロ(東京)で上演された『天才脚本家』(作・後藤ひろひと、演出/プロデュース・G2)の一場面の再現なのですが、憶えている人が実に多かった。個人的には、あんな馬鹿な伊藤がもっと見たいです!■腹筋善之介さん。PiperメンバーにしてIQ5000主宰。最近『爪痕を残す』という言い回しをよく耳にしますが、今回最も大きな爪痕を残したのはこの人かもしれない。とにかく、あのパワーマイムがお客様に与えた衝撃が予想以上に凄かった。右脳左脳延髄ニューロンにリボソーム・・・連発される専門用語と漫画的マイムと時折見えるリリシズムの憎い融合。やられてしまいました!■土田英生さん。MONO代表で、日本劇作家協会関西支部長で、大田王の革部(レザークラフト部)部長でもあります。自分が作・演出する舞台では、客いじりナシ、アドリブ一切禁止です。なのに、大田王みたいな空間に出ても実に巧いのだから始末が悪い。つっこんでよし、いじられてよし。いやだいやだと言いながら、客いじりとアドリブの極致『昆虫君』もやってくださいました。すごくいい人です!■楠見薫さん。一座の紅一点。自分勝手でわがままで子供みたいなオッサンたちを相手に、多くの出番に、ダンスの振付にと、八面六臂で頑張っていただきました。僕の憧れのコメディエンヌです。何というか長打力が凄い。どんな過激で馬鹿なことをやっても気高さ、品位がある。稽古場でも本当はずっと楠見さんを見ていたかったのですが、常にダンナ様の目があったのが残念です ! stage_516.jpg■さていよいよ中心の3人に行きます!■後藤ひろひとさん。17年前、川下+三上=田王というユニットに後から参入したにも関わらず、『大田王』と名乗ると結局どうにも自分が中心に見えてしまう、というのはこの人の持って生まれた才能なのでしょう。今回、オープニングの三人芝居からフィナーレのダンスまで全部で何と23シーンもあったのですが、それらを一本の作品に(笑いとともに!)見事につないだ手腕、筆力には改めて感嘆しました。その上長さがジャスト120分!というのも神がかり的。やっぱすごいやこの人!■三上市朗さん。東京在住ということもあり、この方の本読み・立ち稽古的なものには今回初めて同席させていただきました。圧倒されました。ううううまい!台本をパッと見たときの把握力が凄いのだと思います。しかも繰り返すたびに違う引き出しから演技が出てくる。これがプロの役者っちゅうもんかー!なんて。「革部」部員として人生2つ目の作品だという名刺入れを、僕の誕生日プレゼントとして頂きました。ありがとうございます、使ってます!■川下大洋さん。一人で平均年齢をだいぶ上げている、などと自分を棚に上げ失礼なことばかり云ってごめんなさい。しかし大田王リーダーとしてこの方の情熱がなければ、この公演は成り立たなかったと思います。ただただ感謝です。次の『大田王』公演は大洋さんの還暦の時か、という話がありましたが、実はその前に艦長(僕)の還暦・引退があるのです。その時には何としても是非!それまでに、今回の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に続いて、どんな映画のオマージュにするか、考えてといてくださいね!■・・・というわけで、ご覧になってない方にはわかりにくい部分があったかもしれません。申し訳ありません。とりあえず、舞台の映像はTV放映にも耐えられるクオリティで記録してあります。いつの日か、今回観劇していただけなかった方にも何らかの形でご披露できれば、と思っています■では、過去に思いを馳せるお話はそろそろ終わりにします。お客様、スタッフ、キャストのみなさん、本当にありがとうございました!(艦長)

大田王・3

■『大田王2014ジゴワット』、公演記録ページが公開されました。やー、思い出が蘇りますね。大田王の大好物である"客イジリ"(失礼な表現ですがこういう言葉なのでご容赦ください)のコーナーでは、お客様の肖像権のこともあり、ゲネプロの際に引っ張り出された僕が写っております。役得役得■

校庭撮影風景.JPGさていよいよ各出演メンバーについて■まず、今回スケジュールの都合で映像のみの出演となった木下政治さん。劇団M.O.P.解散後も東京を拠点に、いろんな舞台作品、映像作品で活躍中です。仕事の合間を縫って1日だけ大阪に来ていただき、三上さんと2人で作る静かな演劇(笑)『校庭とヤシ蟹』に出ていただきました。この人でしか絶対出せない味わい、間。素晴らしかった。「缶コーヒーを飲みながら背広姿の男2人がぼそぼそ喋るやつ」は僕が是非再現して欲しかった演目の一つです。撮影当日、台風の接近で天気が不安だったこともあり、急遽屋内で芝居を撮り、背景を合成することになりました。映像担当・垂見Dの技で、レトロなRPGみたいな独特の奇妙な空間が出来上がりました。木下さんの唯一無二の存在感もこれで増幅した感があります■そうそう、もうひとつビジュアル面で特筆しなければならないのは、宣伝美術を担当してくださった粟根まことさんです。 大田王オモテ.jpgご存知、劇団☆新感線の人気俳優。劇団の公演中にもかかわらず、お送りした写真を使って、当方のイメージを1万パーセント体現しためっちゃかっこいいチラシを作ってくださいました。ドク(川下さん)が足を載せている段ボール箱は撮影時その辺にあったのをテキトーに使ったもので、当然CG処理で別の何かに差し替えてもらう前提だったのですが、これをまんま残すセンス!裏面の賑やかな8人ショットの下にこっそり自分も同じポーズで参加しちゃうお茶目さ! 大田王ウラ.jpg眺めているだけでニヤニヤ、何ならウルウルもしてしまう僕です■まだまだcontinued(艦長)

大田王・2

■カレンダーを見れば終わってもう結構な日にちが経ってしまった『大田王2014ジゴワット』■僕は今回の公演をずっと前から楽しみにしていたわけですが、これをちょっと唐突ながら食事に喩えてみますと・・・。調理の過程をずっと厨房で見学し、出来上がった料理を目や舌で存分に味わい、のど越しを楽しんだところ。これからようやく、ゆっくりゆっくり消化していく感じです■今回『大田王』の公演をやることになった発端は、昨年のいつだったか、大王こと後藤ひろひと氏と僕が大阪環状線福島駅裏の焼き鳥屋で飲んだ夜の僕の一言。あとで伝票を見たら二人でビールを17杯だか頼んでいたのでかなり酔っていたわけですが、僕がその勢いで遠慮がちに「大田王やりたいな、やってほしいな・・・」と云ったのです (このあたりのもっと詳しいニュアンスは後藤氏のブログに書かれているので、興味のある方は是非)■前にも書きましたが、『大田王』というユニットでの公演は1997年と1999年の2回、そのプロトタイプともいえる『田王』を入れても3回だけ。前世紀末のはるか昔の話です。個性豊かな30歳そこそこの役者たちが繰り広げる秀逸なコント、あるいはアイデアは抜群ながら敢えてユルユルに仕立てている企画コーナーとかのラッシュに、僕は完全にKOされました。個々の演し物の面白さと同時に、普段は別々の団体で活動しているメンバーたちの独特の連帯感が素敵だったのです。ベタつかず、ライバル心を保ちながら、しかし互いの才能や技量を信頼して、まるで舞台で遊んでいるかのうように見せつつお客様を楽しませる・・・。そんな部分に感銘を受けたのだと思います■『今って、あんな感じないかもなあ・・・』。これには、当時、OMS(扇町ミュージアムスクエア)という関西小劇場界の梁山泊的な空間があったことも大きかったのかもしれません。ABCホールが、そんな存在に少しでも近づけたらいい、僕がずっとそう思っているのも事実です■さて、そんな思いとは別に、僕はこれまでの経験で、現役の芸人さんとか俳優とか劇作家とか演出家とか・・・そんな人たちと話をする時に、その人の『むかし(の作品)』を称賛することがあまりいい空気を生まない場合が多いことを学んできました。つまり、創造を生業とする人たちは基本的に今の自分を見てほしい、褒めるなら今を褒めてほしいものである、と。第一かっこ悪いしね、『昔のアレ、よかったからまたやろう』って云うのは、年寄り臭くて後ろ向きで。更に云い出しにくかった理由をつけ加えるなら、『大田王』は、ちゃんとした演劇作品ではない。その時信頼し合っていた仲間たちが、自分が面白いと思うネタを持ち寄ってまとめ上げたバラエティショウなのです。時代の空気・人間関係が舞台の内容・出来栄えを大きく左右します。『再演』することは無意味かつ不可能で、『同じコンセプトで新しいもの』を作るしかありません。参加メンバーにとっては、手間だけはかかるけど、演劇人としてのキャリアにあまりプラスにならない結果に終わることだって考えられます■しかし、"飲んだ時にした話は全然覚えていない"という噂だった大王は、心優しくもこの夜語った僕の夢を胸に留めていてくれたのです。あとは・・・別のプロジェクトで大王と会っていた当ホール猪瀬Pが全部やってくれました。完璧なキャストの座組みと、彼らの奔放な発想を叶える最高のスタッフの招集■そして、2014年4月1日。まるでウソみたいな日でした。桜咲く堂島川の畔のレトロな写真スタジオに、あの8人がやってきたのです・・・■to be continued(艦長)

大田王・1

■『大田王』、終わっちゃいました。喪失感でいっぱいです。何か書かなきゃと焦るのですが、いろいろ思うことが多過ぎてかえって総括が難しい。まずはお客様への感謝から■たくさんの方にご覧いただけて本当に良かったです。正直、不安がなかったと云えば嘘になります。『大田王復活します!』とアナウンスして、どれくらいの数の人たちに「おーっ!」と振り向いてもらえるのか?■何といっても、OMSという小劇場で17年前と15年前の2回公演しただけ。ステージ数から想像すればそれぞれ軽く1000人以上は動員しているはずですが、両方観た人も多いでしょうから(僕も)、実際「大田王」経験のある人は恐らくこの世に千数百人。そのうち多くの方が年齢的にみて、劇場、特に小劇場から既に足が遠のいた日常を送っていると思われる。それ以外の方、新しく「ちょっとチケット高めだけど、これ面白そうじゃん!」と思ってくださる方がどれくらいいるか?■小劇場演劇というのは、作り手と観客の距離が、物理的にも心理的にも近いのが特徴です。心理的に、というのはつまり、例えばある劇団に知り合いがいてその縁で舞台を観に来た、それがきっかけで劇団の、あるいは小劇場演劇そのもののファンになった、というお客様の比率が高い。これは小劇場ならではの麗しき美点でもあり、逆に、ともすれば表現や活動形態を内向きにしてしまう危険も孕んでいる■そういう意味では、今回、大田王の3人をはじめ8人のメンバーは、云わば『大物』ばかりで、現在の関西の小劇場に足繁く通う若い演劇ファンにとっては、やや距離のある存在なのではないか、と。『オッチャンらが何かやるらしいけど、うちらには関係ないわ』なんて反応が多数派だったらどうしよう、と。まあいろいろ心配していたわけです■杞憂になってよかった。いや、冷静に考えると完全な杞憂ではなかったかもしれないのですが、猪瀬Pを先頭にスタッフの獅子奮迅の頑張りで全ステージ満員のお客様にお越し頂くことが出来ました。みんな、『こんな面白いモノ、一人でもたくさんの人に観てもらわないとモッタイナイ!』という思いだったと思います■昔やった名作もいくつかあって、それを知っている人にはより楽しい、という時間もあったわけですが、それとて、「知っていなければ解らない」という作りは絶対にしていません。大田王なんて全然知らなかった、っていう若い方にも、めちゃくちゃ楽しんでいただけたはずです■首都圏をはじめとする遠方からお越し頂いた方も多数。本当に有難いし申し訳なくもあるのですが、『関西でしか観られない、全国の演劇ファン垂涎の』舞台を作ることが出来たことを誇りに思います■ご来場いただき、本当に本当に、ありがとうございました!(艦長)

ありがとう!

■『大田王』、千秋楽の公演も開演まであと1時間。・・・てことはあと3時間でお別れです。淋しいっ!■これまでご来場いただいたお客様には本当に楽しんで頂いているようで、終演後Twitterを開き、「大田王」という言葉で検索をすると、「死ぬほど笑った!」、「まだの人は絶対観るべき!」といったお客様のつぶやきが溢れていて、それをスクロールして眺めていると、最高に幸せな気分に浸れます。出演者・スタッフのチームワークも最高。40代後半のおっさんたち(一部50代)が、あんなに和やかに楽屋で笑いあっているなんて、いいなあ。サラリーマン社会じゃ中々ないもんなあ・・・それは僕が孤立してるだけかなあ・・・。いかんいかん、現実に戻ってしまった!今日いっぱいは夢を見ていよう■映画撮影所に生きる人々を描いたつかこうへいさんの名作、『蒲田行進曲』に出てくる、大好きな台詞。

『だって、ここはキネマの天地ですもの。望めばどんな夢もかなうところですから』

劇場も同じです(や)

『大田王』初日を終えて

■『大田王2014ジゴワット』、昨夜無事初日の幕を開けました■ご来場いただいた皆さん、温かい笑いと拍手を本当にありがとうございました。出演者・スタッフ一同になり代わりお礼申し上げます。本当云うとね、出演者のみんなにも僕らスタッフにも、きっと不安はあったんですよ。「これ、面白いんだろうか?」「分かってもらえるんだろうか?」・・・つまり、大田王という、ふた昔も前の"知る人ぞ知る"演劇ユニットを敢えて"復活"という謳い文句で再結成するという今回の企画が、果たして受け入れてもらえるのか?■大体ですね、今月の1日、つまり初日から遡ることことたった16日前にメンバーが顔を合わせた時点では、この公演の中身、まだ影も形もなかったのです。「大洋さんと、ツッチーと正一君は、ちゃんとした新作、1本書いてね。無論俺も書くし」「ふぁーい」「昔やったアレやアレはどうする?」みたいな打合せをざっくりやったら、その夜は早速飲み会へ。ワールドカップ観戦に合わせて練習は夕方からしかしないし。余裕というか何というか・・・。みんな平気な顔をしているから僕も不安は露わにしませんでしたが内心はドキドキでした■そして昨夜7月17日(木)、19時きっかり。豪華な前説、オリジナルのキンソン(※)に続く、大田王の3人によるオープニング芝居で最初の笑いが起きた時に僕は、まず大きく胸をなで下ろしました(きっと出演者も)。やがて彼らの動きがキマッて、おなじみのあのテーマ曲が流れてきた時には、もう目頭が熱くなっておりました。カッコイイわーこのオッサンたち!!■それから2時間。新しく書かれたコント、年齢を忘れさせるバカな企画、懐かしのあのネタ、あのキャラクター・・・温かいお客様に支えられて、出演者全員実に楽しく演じることが出来たと思います。まだ始まったばかりで具体的な中身のことを書くわけにいかないのが残念ですが、ほんと、みんなに観てほしい。人生にこんな2時間があるって素敵だと思います■当日券は各回必ず出ます。枚数には限りがありますが、是非!(や)

※キンソン・・・主に関西の演劇界で使われる業界用語で、劇が始まる直前に流れる音楽。これが流れると次第に客席の灯りが落ち、曲の高まりに合わせて舞台袖の役者の緊張も高まる。つまり、「キンチョウソング」。今回のキンソンを含む、過去に大田王周辺で作られた4曲の「音頭」が収録されたCDをロビーで限定発売中です。プロデューサーは"音響王子"こと兒島塁。

初舞台!

■昨日・7月9日(水)、三上市朗・木下政治の2人による『大田王2014ジゴワット』映像部分収録は無事夕方に終了。木下さんは、きっとその後も残って皆と一緒にわいわいやりたかったはずですが、台風で帰れなくなっては大変と、残念ながら予定を切り上げて帰京されました■そして夜は、たまたまABCホールが空いているというわけで、初めて本番の舞台で揃ってお稽古。現在ラインアップされているネタは全部で何と20!ほど。練習不要の企画モノもちょっとだけあるわけですが、それでも大変です。この日は、たしか1997年の第1回目の「大田王」の公演で伝説となったあのネタの練習を最後にみんなでやりました。そして、大した意味なくシメの撮影■いやー、それにしても豪華だ!(や) IMG_3178.JPG

今日は撮影

■『大田王2014ジゴワット』の制作作業もいよいよ追い込みに入ってきた感じ■今朝、まずはおなじみ「浦川泰幸の劇場に行こう!」のゲストとして三上市朗さんをお招きし、PR活動。同じ京都人で、僕より9つも年下なのになんでしょうあの落ち着きぶりは。声も素敵だし。毎日稽古を見続けている僕ですが、台本を初見で読み合わせるときの三上さんの巧さといったら!プロの俳優さんに失礼なことを言ってるかも知れませんが、「なんでこの人こんな上手に台詞いわはんにゃろ!?」とあきれてしまいます。一瞬にして持っていかれる。

■さて、昨日書いたとおり昨夕木下政治さんが来阪され、今日は映像作品の撮影日でもあるのです。本当は木下さんにも生で出演していただきたかったのですが、某超大物アーティストの舞台作品への出演が早々に決まっており、今回は映像のみの登場となりました。映像ディレクターは、関西小劇場界とは長い付き合いで大田王メンバーの信頼も厚い垂見トモユキ。台風の接近でいろいろ予定変更は余儀なくされたものの、撮影は快調に進んでいます。何を撮ってるかって?ヒントはこの写真です。僕が大王に「あれをまたやって」と泣いて頼んだ作品(あ、設定は同じでも中身は新作です、念の為)。マニアには分かりますよね。この2人でしか成立しない、後藤ひろひと渾身の「静かな演劇」です。ご期待下さい!(や)

※20日(日)、21日(月・祝)の前売りが完売しました。(土)マチネも残り僅か。 (木)(金)(土)の夜が狙い目です!

(左・三上市朗 右・木下政治)IMG_3175.JPG

コント

■『大田王2014ジゴワット』、連日熱く面白いお稽古が続いております。本格的なシチュエーション短編劇あり、ナンセンスあり、音楽ネタあり、大喜利的なアドリブネタあり、実にくだらないコーナーあり・・・新作をメインに、過去公演(17年前と15年前)の懐かしの傑作を織り交ぜつつ、現在のところ全部で20近い『ネタ』を上演することになりそうです■稽古場にいると、後藤ひろひと、土田英生、川下大洋、石原正一・・・豪華な作家陣が書き下ろしたコントの初読みを目撃することができてめちゃくちゃ幸せです。役者陣も、さすが初見から超面白い!がっちりチューンアップして、本番でお披露目しますので、絶対見逃してはなりません■

・・・というわけで、僕はコント大好き人間なのですが、テレビの世界ではコントは今受難の時期を迎えているよう。数年前・・・ピークは2007-8年頃でしょうか、テレビにはプライム帯、深夜帯を問わず、『ネタ番組』が溢れていました。持ち時間1組4~5分から短いのは1分まで、芸人さん達が爆笑ネタを競い、軒並み高視聴率を獲得していました。しかし、今やネタブームは完全に終わりました。最近では、下積みの長かった芸人さんがようやく大型のコンテストに優勝しても、アルバイトを辞められない時代になっていると聞きます■実は現在、テレビにおけるコントというジャンルではNHKが孤軍奮闘しています。レギュラーで、「コント」という言葉がタイトルに入った番組が僕の知る限りで3つ。三宅裕司さんが座長を務める公開コント、選抜された7人の若手芸人によるスタジオコント、そして内村光良さんをリーダーとする一座のコント番組・・・。本当に頑張っている。少し前、これらを名指しで「わざわざNHKで作らなくてもいい番組」みたいに批判した議員さんがいましたが、何をかいわんや、これらはNHKでしか作れないのです。セットに何百万円もかけ、何時間も稽古して、出来上がる作品はたった数分・・・。ロケ、ゲーム、クイズ、トークなどで作る番組に比べて、コント番組はとてつもなくコストパフォーマンスが悪い。お金の面を含めいろんな状況が日々シビアになっているテレビ界において、コント番組は立派な"絶滅危惧種"です■日々の視聴率にきっと民間放送ほどはシビアじゃないNHKだからこそ守っていかなければならない。いや是非守って下さい、お願いします。

8人.jpg■翻ってわが『大田王2014ジゴワット』■演劇は元々コストパフォーマンスが最悪の世界なわけで、稽古は大変ですがスタッフ・キャストみんな慣れっこ。川下・三上・後藤・楠見・土田・腹筋・久保田・石原の8人に、今夜、映像出演の木下政治さんも合流!あるときは絶妙の間で台詞を合わせ、ある時はキレキレのダンスで腰を振り、闘いつつ楽しみつつ完成形がおぼろげに姿を現してきた感じです。めっちゃ面白いよー!ご期待下さい!(や)

あす、初日

■水木英昭プロデュースご一行、今朝小屋入りされまして、『眠れぬ夜のホンキートンクブルース 第二章~復活~』、あす大阪の初日です■当ホールには一昨年に次いで二度目の来演。リーダーの水木英昭さんは長年、劇団スーパー・エキセントリック・シアターに在籍し、俳優として中心的存在でありつつ三宅座長の演出助手を務め、さらに自らのプロデュース公演も積極的に展開してこられました。独立後も2005年からプロデュース公演を復活させ、ヒューマンで誰でも楽しめる正統派コメディの道を歩んでおられます■さて、今回の舞台は横浜のホストクラブ。あの『アナと雪の女王』でハンス王子の吹き替えを担当している津田英佑さん始めイケメンホストがずらり並ぶ中、歓楽街の改革を目指す横浜市長の役で登場するのが、なんと山田邦子さん!■・・・(全然関係ないですけど、私、数日前本当に遅れ馳せながら映画『アナと雪の女王』を初めて観まして・・・最近TV等で耳にしない日はない歌『Let It Go』は、サビのところばかり流れるものだからハッピーな楽曲かと思っていたら、云わば"逆ギレの決意表明"の歌だったんですね。恐ろしい。そして、清々しい)・・・■それはさておき、今もお笑い芸人であることにこだわる山田さん、聞くところによると、往年のネタをたっぷり披露するシーンもあるそうです。うーこれだけでも観たくなります(やまむら)

水木英昭プロデュース 『眠れぬ夜のホンキートンクブルース 第二章~復活~

ホンキートンク2.jpg6月14日(土)  14:00  18:00

   15日(日)  13:00  17:00

 

※当日券ですが、各回ほんの1、2枚出るかもしれないとのこと。発売される場合は、開演1時間前からの受付です。

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