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■イキウメ別館カタルシツ、今朝小屋入りされ、明日『語る室』大阪公演初日です■「カタルシツ」とは、大人気の劇団・イキウメが、本公演とはちょっと趣きを変えた上演スタイルをとるときのユニット名ですね。これまで2回の公演は、劇団メンバー・安井順平さんによる一人芝居、ないしはそれに近い形でした。いずれも、ドストエフスキーの同名作品を下敷きにした『地下室の手記』。現代日本の孤独な男性がニコニコ生放送で自らの日常を愚痴り続け、どうしようもなく卑小な自意識をさらけ出す、という、滅法面白いのだけれど観る者の心をヒリヒリさせるお芝居でした■今回の作品は、その名も『語る室』。一人芝居ではなく、安井さんら劇団メンバー4人と、中嶋朋子さんを始めとする客演3人、計7人が出演します。会話劇ではありますが、それぞれの出演者の独白が劇中大きなウェイトを占めていて、ダイアローグ(対話)による客観的な物語部分と、主観的なモノローグ(独白)が層をなすようにして全体を構成しているのだとか。なるほど、『地下室の手記』もそうでしたが、カタルシツは文字通り『語る』ことに重きを置いていたのですね、今更ながら■ある田舎町で姿を消した一人の幼稚園児と、送迎バスの運転手。5年経っても行方は分からない。周囲の人々の言動を通じて、この奇妙な事件の全貌が見えてくる・・・というSF風味のミステリーだそうです■いつもながらすべての面でハイクオリティなイキウメ、そしてカタルシツの世界に今回も期待マックスな艦長です■
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- 2015年10月08日木曜日
■ABCホールでは現在W.Strudel×劇団壱劇屋の本番直前、ゲネプロ中とのことですが、艦長はただいま東京•渋谷。1970年代以来、日本の若者文化の発信基地として名を馳せてきたPARCOの最上階、今や老舗のホールとなったPARCO劇場にお邪魔しています■前にもお伝えした名作舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』(作:後藤ひろひと、演出:G2)が明日初日を迎えるにあたり、メインキャストの皆さんの記者会見がつい先ほど行われたのです。写真はその風景■主役のカビ人間を演じる佐藤隆太さんが真摯に作品の魅力を伝えます。そしてお隣、謎のシスター役の篠井英介さんが、この作品に一杯詰まっている小劇場演劇のエネルギーをしっかり感じて欲しい、と熱く語っておられたのが印象的でした。こちらも今、ゲネプロの真っ最中■『ダブリンの鐘つきカビ人間』、大阪公演は11/13(金)から15(日)、森ノ宮ピロティホールにて。関西小劇場が生んだ傑作をお見逃しなく(艦長)
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- 2015年10月02日金曜日
■N-Trance Fish「それでも『これ』は奇跡のカケラ」、明日から(土)(日)(月)の3日間4ステージの公演が始まります■エヌトラの作品って、基本ダンスでありながら、毎回なんというか非常に思索的なテーマ、しかも既成の文学や哲学だとかに寄り添ったものではない、あくまで主宰・尾沢奈津子さんの肉体の奥から溢れる「体感的」(?)な命題が掲げられています。今回のそれは、『欠落』なのだそうです。・・・身に沁みる言葉だなあ。人間誰もが持ち、きっと一生付き合っていかなければならない、それぞれの何か■小さい頃、自分が特別な人間だと思っていませんでしたか?僕は思っていました。自分は全てにおいて満点で、特別なものが見え、特別な運命に導かれている気がする、ある意味最も幸福な状態。やがて学校に通い出すと、同年代の他人と比較されて徐々にリアルな自己像を否応なく把握させられ、社会に出て更に過酷な試練に晒されて、夜ごと「アーオレハナンテ・・・!」などと嘆き叫ぶことになる・・・■『欠落の自覚』は大人の証なのかもしれません。そして、同時に生きて行く上でのエネルギーの源なのかもしれません■平安朝最大の権力者・藤原道長はその絶頂期の宴で、『この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば』と詠んだと伝えられます。つまり、俺の人生に欠落はないぜ、と。しかし実はその道長も、子供たちに次々と先立たれ、自身も様々な病に苦しんでいたそうです。人の恨みを買うことを恐れず、成し得ることを全て成し遂げた果ての苦しみは、ひょっとしたら市井の人々が抱える悩みより一層深いものだったのかもしれません■さて、「望月」という言葉が出たので、ひょっとしたらと思って暦を調べてみたのです。すると、N-Trance Fishの公演の中日・9月27日(日)が今年の『中秋の名月』(旧暦八月十五日)。そして、本当の満月は、千秋楽の翌28日(月)、しかも今年一番大きい、いわゆる「スーパームーン」が見られるのだそうです■うーむ、よく出来ている。ていうか、欠落してないがな。あとは台風が逸れて雲が出ないことを祈るばかりです(艦長)
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- 2015年09月25日金曜日
■「大王」こと後藤ひろひと。何の権利があってかもう何十年も前からこの偉そうな名前を勝手に名乗っている、でもやはり、関西が誇る劇作家で、演出家で、俳優。昨年は川下大洋・三上市朗・後藤ひろひとによるユニット「大田王」の久々の公演をABCホールで行い、その最高(最低?)に下らない一面を見せつけてくれました。しかし実はこの大王、もう誰が観ても感動する、どこに出しても恥ずかしくない名作戯曲を数多く発表しています■その中のひとつ、『ダブリンの鐘つきカビ人間』がまもなく久しぶりに全国5都市で上演されるのです■このお芝居は、大王が遊気舎の座長だった時代の1996年、伊丹のAI・ホールと東京・下北沢のザ・スズナリで初めて上演されました。当時人気上昇中だったとはいえ、関西の小さな劇団による、小劇場での公演でした。しかしその後、この作品は、2002年と2005年に、当代一流の豪華キャストにより渋谷のパルコ劇場ほかで再演・三演され、大反響を呼んだのです■美しく、そして怖ろしいお話です■姿は醜いけれど心が限りなく美しい、「カビ人間」と呼ばれる男と、思っていることの反対のことしか口に出来ない少女の恋。中世ケルト風の不思議な町で繰り広げられる物語はやがて涙なくして観られない悲しい結末を迎え、そして更に驚愕のどんでん返しが劇世界全体を包みます■しかし、本当に怖ろしい・・・と僕が思うのは、この劇の上演時間の90%が余りにバカバカしいシーンで出来ている、という事実です。登場人物は上から下まで、とんでもないヘンテコリンばかり。王様は演説で突然新作落語を語り、いわくありげな市長とシスターは突如、母校・群馬水産高校の校歌を唄い出す。群馬には海がないのに。ていうか、どうみても舞台は中世ヨーロッパ風なのに・・・。もう何が何やらです■大馬鹿野郎たちに笑わされ、切ない運命に泣かされ、怖ろしい真相に震え上がらされ・・・観客はまるでジェットコースターに乗っているかのように、あらゆる感情の波に翻弄されるのです。是非、その興奮を劇場で味わってみてはいかがでしょうか。主役のカビ人間は、念願の後藤作品出演が叶った好漢・佐藤隆太さん、大王もそのまんま、素っ頓狂な王様役で出演します(艦長)
ダブリンの鐘つきカビ人間<大阪公演>
■会場 森ノ宮ピロティホール
■日時
11月13日(金) 19:00
14日(土) 13:00 18:00
15日(日) 13:00
■料金 一般 8,800円
U-25チケット 5,000円
各プレイガイドでチケット発売中!
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- 2015年09月20日日曜日
■梅棒チーム、今朝小屋入りされまして、梅棒4thPLAY『クロスジンジャー ハリケーン』、あさってからの5連休、怒涛の9公演です■梅棒・・・と聞いただけでは一体何をやる人たちなのかなかなかイメージが湧きません。今注目度は急上昇中ですが、とはいえ今回がまだ4回目の公演、ご存知ない方も多いと思います。はっきり云って、絶対一度観た方がいいです。私なりに言葉で説明すると、J-POPのヒットナンバーをバックに、シンプルでハッピーエンドなストーリーを、身体能力の高い演者たちが踊りとマイムで描く、というパフォーマンスです。いやー実際に観れば1分で分かるんですがねー、もどかしい■流れる曲は、今回は内緒ですが過去作の例を挙げると、近藤真彦、ミスチル、ゆず、いきものがかり、SEKAI NO OWARI・・・新旧さまざまなアーティストの名曲ばかり、しかもフルコーラスで20曲強が、ほぼ隙間なく続けて流れます。1曲が平均5分ほどですから上演時間は約2時間、その間10人余りの出演者はほぼ出ずっぱりの踊りっぱなし。そうして描かれるお話は、壊れた家族の再生や、絶望的な戦いに挑む勇気や・・・つまり、「苦しみを乗り越える前向きな物語」です。これが、J-POPの、切ないメロディ、ポジティブな歌詞と相性が抜群なんです。つまり、理屈抜きでアガる。グッとくる■・・・と、ここまで読まれて、「それってわりと単純な理屈やん」と思われた方もいるかもしれません。でも、今までやった人はいなかった。小劇場の舞台におけるひとつの発明だと思います。ミュージカルのようにお話自体を歌うわけではない、しかし音楽が場面を盛り上げるBGMにはとどまらない、その、歌詞と場面の絶妙な距離感がたまらなく心地好いのだと思います。なーんて、私も今までビデオで1作、ライブで1作しか拝見していないんですけど■今回の舞台は、様々な人が日々奮闘しつつ生きる小さな島。都会の生活に疲れ果てた一人の女性がその島を訪れ、思わぬドラマが巻き起こる。その悲喜こもごもの交差点としての神社。だから、『クロスジンジャーハリケーン』■最近なにやら日本中が騒然としていて、嫌なこと、鬱陶しいことばかり心に沈澱してきてますが、連休は梅棒観て、笑って、泣いて、口ずさんで、思い切りデトックスしてください(艦長)
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- 2015年09月17日木曜日
■ブログを書くというのは結構習慣性の強いもので、2か月の休館期間の間、日常のよしなしごとでも書き続けていればよかったのですがそれもまた「語りたいオヤジ」みたいでどうかと思い、まあ結構語りたいオヤジではあるのですが日々のそういう欲求は別の表現活動で消費しようと自戒しているので、とうとう殆ど何も記さない夏になってしまいました、なんて「。」を打たないで書いてみたのだけれど、これって、久しぶりにプールで泳ぐ時にいきなり飛び込んで潜水でどこまでいけるか試してみる、みたいな感じでかね。ぷは。
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- 2015年09月05日土曜日
くがつーーー!ABCホールの玄関も通れるようになりました。いよいよあさって(金)、行動派の落語家・桂かい枝さんの独演会で本格リ・オープン。そして週末(土)(日)はご存知、日本エレキテル連合の単独ライブです!
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- 2015年09月02日水曜日
■ひっさしぶりの更新です。申し訳ありません■たびたび申し上げているとおり、ABCホールの周辺、おもに玄関の前に広がるウッドデッキやそこにつながる大階段の改修工事をやっておりまして、ホール自体は何ともないのですが、お客様にご入場いただけるルートが閉ざされてしまったので、やむなく7月8月は休館とさせていただきました。その間スタッフもずっと休んでいたかというとそうでもなく、ウィークデーは事務所に詰めて、いろいろ事務仕事をしとるわけですが、とはいえ普段に比べれば時間に余裕が出来たのは間違いなく、私・艦長も久しぶりに旅行に行ったり、余暇活動に精を出したり、とこの時間を有効活用させていただいております■そんな久しぶりの擬似夏休みももうすぐ終了、また忙しい日常が始まるわけですが・・・ちょっと目を離したスキに、朝日放送は大変なことをやろうとしております。
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- 2015年08月24日月曜日
■そんなわけで、夏至(昨日)も過ぎ、2015年もまもなく半分が終わろうとしています。早い。早過ぎる■年のせいか私・艦長の夏バテも早く始まっている感じで、その上最近訳あって夜間と週末が忙しく、ここ半月ほど、たくさんお芝居を観逃してしまいました。劇団レトルト内閣、下鴨車窓、劇団鹿殺し、イエティ、壱劇屋、悪い芝居、・・・みーんな行けなかった。残念です。いずれも、現在とこれからの関西演劇界を支える集団なんですけど(鹿殺しは東京からの来演ですがルーツは関西だし...)。
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- 2015年06月23日火曜日