スタッフの雑記
世の中の出来事っていうのは、「当分なにもないだろう」と思っていることでも急転直下的に動くことがあるのですね。というのは昨日、会社を出たすぐのところで1年先輩の方とバッタリ出くわしまして、とりあえず帰りの電車に乗ったのですが、会話が私の関心のある話題になってきたので「ちょっと一杯いきませんか?」と途中駅で寄り道して21時過ぎに帰宅すると、号外が発行されるレベルの大ニュースが2つ起こっていました。サラリーマンの愚にもつかないウダウダ話をしている間に、世の中は動いていたのですね。テレビも緊急編成だったりして、なんだか少し取り残された感じがしました。森繁さんについては、きっと艦長からコメントがあると思いますのでお任せするとして、私は全く違うことを書きたいと思います。
最近頻繁にニュースに出てくる「事業仕分け」というのが、どうも気になります。(決して気にくわないというわけではないのですが・・・。理念には賛成します。)別名「行政のムダ削減」「ムダ撲滅」ともいわれます。まあ平たく言ってしまうと、「今まではお金があったからできとったけど、これからはそうはいかんからやめさせてもらいます。でも全部やめるわけにはいかんから、ムダだと思われるものはやめます。」ということなのでしょうが、どのようにして「ムダ」と決めるのでしょうか?
「売上が伸びないから、経費を削減しろ。」世間でもこの1~2年の間にやってきていると思います。経費の削減には、①一律カット②特定項目を重点的にカット、の2通りあると思います。①は公平でわかりやすいですが、成長分野の経費も結果的にカットしてしまうことがあります。②は作業が大変ですが、不要経費を効率的に削減できれば最大限の効果を得ることができるでしょう。
賢明な読者の皆様に偉そうなことを言ってしまいましてすみません。何が言いたいかというと、「ムダを削減するのは、ムダと判断する基準、大多数が納得する基準を示すのが難しい」ということです。前述の「事業仕分け」ですが、いま対象になっているのは、官僚の天下り先の独立行政法人への補助金の見直し、公共事業・文化事業予算の削減が多いと思います。日本は景気対策といって、ハコモノをたくさん作ってきました。ダム・道路・空港も作りましたが、日本各地にはたいへん立派な公共の会館・ホールも建設されました。(ABCホールは朝日放送が自前でつくりました、念のため。)せっかくホールを建てたのだからということで、コンサートや演劇を開催する。これが財政の負担になる。極端な話、会館・ホールを全て壊してしまって、全てのコンサートや演劇をやめてしまえば財政はよくなるでしょうが、それでよいのでしょうか。
おかげさまで、ABCホールも連日、演劇・落語・試写会などを開催させていただいています。常時全ての人が文化事業のメリットを享受できてきているわけではありませんが、その気になればいつでも、身近に接することができる環境を作ることが「生活の質」を維持することにつながるのでないでしょうか。もちろん、「事業仕分け」は「何かをやめる、あきらめる」結果として「誰かが不利益を受ける」ことなのですから、「生活の質」を維持するなんて甘いことを言ってる場合ではないのでしょうが・・・。だからこそ「公平な観点から、公正な判断が求められる」と思います。
偉そうなことを言っている私もこれから懐が寂しくなりそうなので、生活の「事業仕分け」をしようと思います。まず第一に、会社の同僚と途中下車してまで飲みに行くのは、時間とお金のムダなので今後廃止することにします。
(乗組員・F)
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- 2009年11月11日水曜日
■ただ今ホールは明日からの公演『jade版人生ゲーム』の仕込み真っ最中です。前売り券はすでに完売!当日券発売はキャンセルが出たときのみ、ということで開演5分前に判断とのこと。チケットないけど見たいという方は覚悟してお越しくださいm(__)m。
■さて先週木曜のことです。水・木と2ステだった劇団民藝さんの『らくだ』が終演してお客様の退館が終わった頃合で、主演の大滝秀治さんにご挨拶を、と申し出たら、『あ、もう病院に点滴受けに行っちゃいました』とのこと。いや、特にご病気ということではなく、体調維持のためだそうです。すごいなー。大滝さんの役は台詞も一番多いし、古典落語『らくだ』を題材にした作品ですから終盤には『かんかん踊り』を踊るシーンもあって、運動量もすごい。しかも今回の舞台セット、舞台の奥から客席に向かって床面に下りの傾斜が作ってあって、あれ結構役者さんの体力を消耗させるはずなんです。舞台の傾斜は、確かに奥行き感が強調され舞台全体を俯瞰で見せるという演出効果もあるし、お客様は見やすいし、よく使われる手法ではあるのですが■余談ですが能舞台も、橋掛かり(歌舞伎の舞台の花道にあたる橋状の通り道)には揚幕から本舞台にかけて上りの傾斜が、本舞台の奥から正面の客席に向かっては下りの傾斜が作ってあります。幕から舞台に向かうときには、上り坂をしっかり踏みしめながら気合を蓄え、舞台に乗ったらそのエネルギーをグワっと前へ!っていうことですかね。まあ橋掛かりに関しては、幽界と現実世界の境界であったり演出上いろんな使われ方をするので一義的な説明は難しいと思うのですが、でも何となく理にかなっているような気はします■そうでした、大滝さんのハナシです■私その時即座に、かなり前に見たNHKのドキュメンタリー番組のことを思い出しました。病と闘いながら旅公演を続ける劇団民藝の宇野重吉さんに密着取材した作品です。つまり大滝さんの先輩ですね■この旅公演で演じられていたお芝居は、たしか木下順二・作『三年寝太郎』だったと思います。名作とはいえ、小学校の学芸会でも演じられるような素朴な民話劇です。その主人公の怠け者の少年、寝太郎を、あの名優宇野重吉が、鼻の頭を赤く塗り、寸足らずの着物を着て熱演しているだけでもすごく面白かったのですが、衝撃的だったのは・・・■本番中、宇野さんが舞台袖に引っ込むたびに、すぐさま抱きかかえられるようにして座り込み、酸素ボンベを口に当てて吸入しながら、苦しげにあえいでおられる姿でした。・・・何というか、安易に言葉で表現したくないほどのショックを受けたのを記憶しています■人に見られるための『舞台』という仕掛け。見るために舞台の前で待ち構える観客。見られるためにそこに向かう俳優・・・。なんかね、大袈裟かもしれませんが、『人間ってなんでこんなことに必死になるんやろー?』っていう思いです。その答えを見つけるためにみんな頑張るんだと思いますけどね。
■またちょっと話はズレますが、『頑張る』こともほんとうは間違っているのかもしれない。まさに『三年寝太郎』のように、日本には古来、怠け者が人々を助ける、あるいは大金持ちになって成功する、というお話がいくつかあります。怠惰をこっそり礼賛する文化というか。『果報は寝て待て』、『世の中に寝るより楽はなかりけり 浮世の馬鹿は起きて働く』なんて言い草もあります。それは、働いても働いても報われない現実に対する、明るい抗議としての寓話なのかもしれませんが・・・(艦長)
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- 2009年11月06日金曜日
■今日から11月。なんでこんな早いの、時間が経つのは・・・ていうか、もう少し気の利いたこと云えないかと思いますが、ホントこればっかりはホントなんだから仕方がない■人間、年齢を重ねるとどうして時間の経過を早く感じるのか・・・これについてはいろんなことが語られています■①よくある俗説のひとつが、『年とると刺激が減るから』説。幼い頃・若い頃は見るもの聞くもの体験すること全てが刺激に満ちていて、それらの記憶がいっぱい脳内にメモリーされ、濃密な時間として記憶されるけれど、大人になると、大概のことは経験済みで日々の生活に刺激がなくなるから、記憶もあっさりしていて短く感じてしまう、っていう・・・。しかし、かなりいい年である我が身に照らして考えると、私今から2年半前、『フォッフォッフォッ・・・きみ新しくできるホールを担当したまえ、さあ行くのじゃ!』『ヒューッ!(了解)』と命じられ、以来不慣れで刺激に満ちた時間を過ごさせていただいているわけですが、やっぱり早いよ~!時間経つの。もっと短いスパンで考えても、つまらない芝居を観ている時ってほんと時間の経つのが遅く感じられますよね。【つまらない】≒【刺激的じゃない】だと思うので、その点でもこの説には同意できないかな。ねえ、観劇中暗闇の中で腕時計を何度もチラ見して、『止まってるん違う!?』と愕然とした覚えはきっと誰にもあると思うんですけど(笑)■②次に、『それまで過ごしてきた人生の中で【1年】という時間が占める割合がどんどん小さくなるから』説。7歳にとっての1年は人生の1/7だけど、50歳にとっての1年は人生の1/50に過ぎないから短く感じる、っていう・・・。これはかなり納得かな■③あと、非常に科学的に思えるのが、ベストセラー『ゾウの時間ネズミの時間』の理論を、ゾウを大人に、ネズミを子供に当てはめる考え方。動物は一般に体が大きくなるにつれ心臓の鼓動がゆっくりになります。一生に打つ心臓の鼓動はゾウもネズミも15億回と等しい。つまり、大きくなると時間あたりのエネルギー消費・活動量は少なくなり、生物学的な時間の流れはゆっくりになる。逆に外界の動きを速く感じるわけです。なんかちょっとややこしいですが、映像の撮影と再生の関係にたとえると分かりやすい。高速度撮影したフィルムを普通に再生すればスローモーションになり、低速度撮影したフィルムを普通に再生するとチョコマカ速い動きになる。前者のように世界を見ているのがネズミ(子供)、後者がゾウ(大人)というわけです。なるほど・・・
■なんだかなー。何を書いているのか。いやね、2008年5月2日にわがABCホールが開館して、明日で1年半ってことが云いたかっただけなんです。1.5th anniversary??いや、そんな云い方はないなきっと■ホールでは今、桂雀松さんの独演会の真っ最中。ちょっとお天気が悪くなってきましたが、大入りのようで、よかったよかった。明日は、代官山のカリスマ・ヘアデザイナーさんのイベントがありまして、こちらはちょっと業界向けのイベントなので当HPではご紹介してませんでしたが、これもSOLD OUT。 その後『新婚さん』があって、試写会があって、今週の土・日は見目麗しき女子たちがガンガン踊りまくる、jade版『人生ゲーム』です。 次の週は、月曜に桂雀々さんの独演会があって、後半から大阪ヨーロッパ映画祭 、そして、その翌週は丑の会『ミ・ラ・イ...』。12年に一度、丑年にだけ公演するという、丑年の人だけで構成された集団によるお芝居です■あ・・・これイベント情報のってないわ。今しばしお待ちください・・・ふう(艦長)
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- 2009年11月01日日曜日
といっても柿を食べたわけではありません。昨日、今日ABCホールでおこなわれている劇団民藝公演「らくだ」の大滝秀治さんです。1925年のお生まれですから御年84歳、ほんとにお元気でシャキっとしておられます。こんなことを言うのもなんですが、私は84歳まで舞台に立つとか、現役で働くとかそんなことよりも、ちゃんと生きている自信がないです。たまたま昨日、生命保険の契約の更新をしまして、「65歳払込終了の終身保険」に入っているのですが、「この支払いが終わるまで元気なのだろうか??」とか考えていたので、大滝さんのお元気な芝居がなおさら素晴らしいものに見えました。
今回のお芝居は古典落語の「らくだ」を題材に新しく書き下ろされたもの。落語をご存知の方ならおわかりでしょうが、「死人(しびと)のカンカン踊り」が出てきます。落語を聞くときは、イメージで想像するので、一体どのようなものか一度見てみたいと常々思っていたので、大滝さんのカンカン踊りを見られただけでも価値がありました。
先日、今年の文化勲章の受章者が発表されました。歌舞伎の坂田藤十郎さんとともに、上方落語界から桂米朝師匠が受章されることになりました。すでに人間国宝にも認定されておられますので「ダブル受賞(?)」になります。最近体調を崩されておられたので心配していましたが、久しぶりにお元気な姿を拝見し安心しました。
米朝師匠は出演されませんが、第14回朝日東西名人会のチケット好評発売中です。桂三枝、柳亭市馬、桂都丸、林家たい平、笑福亭喬若(敬称略)のみなさんの出演です。来年2月8日(月)シアター・ドラマシティにて。演目は、三枝師匠が「当日のお楽しみ」ですが、「らくだ」はなさそうです。
(乗組員・F)
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- 2009年10月29日木曜日
■先日『NHKスペシャル』枠で、何と2回連続で『ON』(もちろん王・長嶋)の特集をやっていたので、録画しておいて、昨夜まとめて観たんです。1回目が現役時代編、2回目が監督時代編。いやー良かったです。あまり使いたくない言葉だけど、素直に感動!■もちろん膨大な過去の名シーンの映像があり、関係者への取材があり、今回の番組のために行われたそれぞれへの長時間単独インタビュー映像があります。それらに加えて一番魅力的だったのが、多摩川グラウンドで現在の二人が会って思い出話などを和やかに語らうシーンでした■連れ立ってグラウンドの土を踏みしめ、右のバッターボックスに長嶋さん、左に王さんが入り、マウンド側から撮影するカメラに向かって素手で同時にスウィングの真似をする。『こうやって、パーンってねー、ハハハ・・・』などと話しながら。もうそれだけでたまりません。長嶋さんの右手はズボンのポケットに入ったままです。王さんはとても痩せています。二人は、自分たちの活躍が日本中の人々の明日への活力となることをずっと自覚していました。だから打たなければならない、毎日毎日。想像を絶するそのプレッシャーに耐えながら、高度経済成長期の日本人の心を支え続けてきた二大ヒーローの最高の笑顔が、苦楽を共にした多摩川のホームプレート上で弾ける。その姿に、いいようのない感慨が沸き起こります■長嶋さんは二度目の監督就任の時、背番号を3に戻しました。今、懸命にリハビリに励む姿を積極的に世の人たちに見てもらいたいと語ります。その足に履かれたスニーカーには『3』の文字が。かつて日本人を励まし続けた『3』に、今自分が励まされているのだ、といいます。そして『3』を身に着けた彼が懸命に歩く姿が、さらに私たちを奮い立たせます■福岡という新天地で花を咲かせた王さん。あくまで『東京ジャイアンツ』にこだわり続けた長嶋さん(この『東京ジャイアンツ』っていうのがカッコいい!!)。監督として夢の対決となった日本シリーズでの2ショット、『(内緒だけど)、あの時は勝敗なんてどっちでもよかった』とにこやかに告白する長嶋さん、『勝たなければ意味が無かった』と真剣に語る王さん、どちらも最高に素敵でした■・・・観終わって、柄にもなくウルウルした目を見られるのが恥ずかしくてちょっと振り返れませんでした。僕の後ろのテーブルでは、妻が書きものをしながら観ていたはずです。でも、振り返ったら彼女も真っ赤な目をしていました。あれは来ますよねー、そういう世代には(艦長)
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- 2009年10月20日火曜日
■あさの@しょーいち堂『どくろ2 雷電-Rydeen-』、まもなく千秋楽の舞台が始まります。ただ今開演1時間前なのでもういいと思って書いちゃいますが、今回、お芝居の最後にどうやら更に続編『どくろ3』があることが明らかにされます。その後暗転してスクリーンに映画みたいにキャスト、スタッフを紹介するエンドロールが流れるのですが、そのおしりが『3』の予告になっていて、最後の「トメ」がなんと画面いっぱいにデカデカと、
2010年
ABCホール
完結!
って出るんですぅ!
■これ、ここだけ見たらABCホールが完結するみたいやん。まあ、そんな心配するの僕だけだと思うんで、別にいいんですケド(苦笑)■あ、別に気になんかしてないっすよ・・・ぐすん(初代艦長)
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- 2009年10月18日日曜日
■ただ今ホールでは、あさの@しょーいち堂が明日の初日に向けて準備の真っ最中です■先日のギンギラ太陽'sさんは早替り・早かぶりがめっちゃくちゃあって楽屋は修羅場だったのですが、あさのさんとこはとにかく人数が多い!あさの座長はじめ、ABCホール常連の美津乃あわさん、橋田雄一郎さん他ベテランさんも多数出演されますが、その他に若いエキストラ陣がどかーんと多数!!とてもとても賑やかです■明日15日(木)から18日(日)まで5ステ。ドガチャカ賑やかで毒々しくてアホらしい舞台を見せてくれることでしょう。乞うご期待!!
あさの@しょーいち堂presents
10月15日(木) 19:00
16日(金) 19:00
17日(土) 14:00 19:00
18日(日) 14:00
■さて私、先日ちょっと両替をする必要が出来まして、会社の近所の銀行に行ったのです。サラリーマンというやつは、街角のATMでお金をおろすくらいしか日常生活において銀行さんとお付き合いがないもんで、近頃は滅多に銀行店舗に行きません■で、両替ってどうすんのかなー?申込書とか書かなきゃならないのかなー?と思って店内をきょろきょろ見回すと、なんだ、置いてあるじゃないですか、両替機が。手数料200円を投入すれば、万札を好きな組み合わせで細かく出来ます■これは簡単!と思って1万円札を何枚か投入し、希望する小額紙幣の枚数を入力し、100円硬貨がないので500玉を入れようと思ったら・・・!投入口のそばに【100円硬貨のみ】の表示が。わわわ!艦長プチ・パニックです。横にいた警備の方に聞いたら、「窓口で両替してください」とのこと。とほほ・・・まあ自分の不注意なんですけどぉ■結局、一旦機械をキャンセルし、カウンターで500円玉1枚を100円玉5枚に替えてもらうための申込書を書いて、番号札を取って、順番が来て、窓口の方が差し出すイボイボのついたトレイから待望の100円玉を受け取って・・・再び両替機に戻ったら、近所の商店主らしいオッチャンが使用中で・・・■教訓:『札を替えんと欲すれば先ず玉を替えよ』。ああ、人間はこうして成長していくのですね(艦長)
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- 2009年10月14日水曜日
■劇団レトルト内閣『哀願ソワレ』、千秋楽公演を拝見しましたー。いやーとてもテンション高くて楽しい舞台、そして上田アナは予想以上の(?)大活躍でした■カラダ、結構切れるやん。台詞、ニュースより噛まへんやん(失礼)。
■さて午後6時前に終演し、ホールからお客様と一緒に外に出てみると、東の空、堂島川の真上にぽっかり大きな満月が!
■たくさんのお客様が「きれい!」、「大きい!」と口々に叫び、携帯電話で撮影しておられました。僕もやってみたのですが、ズーム機能のない僕のカメラではやはり小さくしか写りません。大きく見えるのはやはり錯覚なんですよねー、何とも不思議ですが■もうひとつ不思議だったのは、実は昨日、10月3日こそが『中秋の名月』だったことなんです■昨夜僕は、「たまにはお月見でも」と、愛犬と散歩しつつ結構『中秋の名月』を眺めていたのですが、たしかに満月とはちょっと違う気がしました。明らかに今夜の方がまるい。調べてみると、やはり中秋の名月は必ずしも満月ではないのだとか。へーそうなんだ■『中秋の名月』とは陰暦8月15日の月のこと■つまり・・・陰暦では7月~9月が秋であり、その真ん中の月である8月の、更に真ん中の15日、すなわち秋のど真ん中の日だから『中秋』■陰暦は月の満ち欠けを基準に作られていて、新月(月齢0)の日が「ついたち」で満月の日が15日、というのが基本なのですが、やはりいろんな原因で誤差が生じます。だから十五夜=満月でなく、1、2日ズレるのはごく当たり前なんだそうです。ふーん■だいたい、「1日」は太陽の動きを元に決めた単位、「ひと月」は月の動きを元に決めた単位なので、あちこちでズレが生じるのは当たり前です■ってことは『暦』ってわりといい加減?■いやいや!逆に考えると、古来『暦』というものは、《地球の自転周期≒1日》、《月の公転周期≒ひと月》、《地球の公転周期≒1年》という根本の大原則によって人間の生活のリズムを形作りつつ、原則からハミ出た色々な誤差やブレを様々な工夫で見事に修正し、辻褄合わせをしてくれている、実にすばらしいシステムですよね。大の月と小の月があって、2月だけは何故か28日で、4年に1度閏年があって・・・■でもご存知のように、閏年もたまに間引かれます。400年に3回だったかな。西暦で、100の倍数だけど400の倍数ではない年は閏年ではなくなるのです。こないだの西暦2000年は400の倍数なので閏年でしたが、2100、2200、2300年は閏年にはなりません(僕には関係ないけど)。こうやって微妙に調整してるんですよね。昔の暦には閏月なんてのもあったし・・・■まあ話が遠くに行ってしまいましたが、『中秋の名月』が満月でないことぐらいやむなし、です(艦長)
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- 2009年10月04日日曜日
■桂紅雀さん初の独演会、終始大受けのうちに昨日無事終了しました■桂枝雀師最後のお弟子さんだそうですが、年譜を見ると入門数年で師匠は亡くなっているわけで、その時の紅雀さんの悲しみは察するに余りあります。昨夜の、緊張しつつもあくまで明るく華やかな芸の端々から、亡き師匠への限りないリスペクトが感じられました。誰もが認める大天才であり爆笑王であった師の語り口を受け継ごうというのはとても大変なことです。でもその奮闘の中から彼の佳き人柄が滲み出て、お客様の誰もがこれからもっと紅雀さんを応援したくなってしまうような、そんな素敵な会だったと思います。
■さて今週、月・火・水・木はホールはお休み(打合せや下見は毎日ありますが)。そのあとコメディユニット磯川家が小屋入りしてくる金曜日からこの秋が終わるまで・・・というか今年いっぱい・・・というか来年の春までスケジュールはえらいことになっとります。10月の終わりまで、公演のある日だけ書き出すだけでもですね・・・
9/19-21 コメディユニット磯川家『ティーチャー!!』
9/22 新婚さんいらっしゃい!
9/23 全国ナイスミドル音楽祭2009関西ブロック大会
9/24 日曜落語なみはや亭
9/25 番組収録
9/26 笑い飯のABCホールLIVE3
9/27 サンドウィッチマンライブツアー2009
9/28 ABC名画試写会
10/2-4 レトルト内閣『哀願ソワレ』
10/5 ABC名画試写会
10/6,7 チョップリン単独ライブ『リハビリの城』
10/9,10 ギンギラ太陽's『翼をくださいっ!さらばYS-11』
10/12 FUNK TAP DAY
10/15-18 あさの@しょーいち堂『どくろ2』
10/20 新婚さんいらっしゃい!
10/23 桂吉弥独演会
10/25 BACKEN RECORD OSAKA
10/27 BACA-JA
10/28-29 劇団民藝『らくだ』
これらイベント詳細情報はこちら
■ちなみに仕込み日は含んでいません。またイベント情報にまだアップできてない物件もありますが、しばしお待ちください。さらに今後試写会などが追加される可能性があります■なんていうか芸術の秋って感じですね。この秋は毎週、いや週に2回はABCホールへ!!・・・ふう(艦長)
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- 2009年09月14日月曜日
■バッファロー吾郎さん、いよいよ明日千秋楽です■長いと思っても終わりは意外に早くやってくるんですね。まさに夏休みのように。そして、人生のように!?■とにかく、来週からABCホールは元の日常に戻ります。でもこの『元の日常』というのが、プロありアマあり芝居あり笑いあり映画ありTV収録あり・・・常に一筋縄ではいかない状況なので、いやはやスタッフのみんなには苦労のかけっぱなしです。イベント情報、チェックしてくださいね■さて艦長、本をよく買い込みます。その割に読むスピードは遅くて、さらに最近帰りが遅いわ老眼が進行するわで、未読の本が溜まる一方なのです。本棚に並べた状態で幅3㍍分くらいある感じです■別に古い順に読むわけではなく、気分次第で次に読む本を選び出すので、中には4~5年前に買ったのも残っています。そういう本って買った時の「熱」みたいなものがすっかり冷めているのでますます手につかないわけで・・・困ったものです■そんな古参未読本の中で実は1冊だけ、『楽しみを後にとっておきたい』という理由で手を出せずにいる本があるのです。大手出版社の立派な'選書'なんですが、題名が『江戸の閨房術』。説明は控えますが、はい、内容的にはそういう本です、、、■でも言い訳するわけじゃないですけどぉ、非常にアカデミックな探究心が購入動機なんですよ■江戸時代、心中が大変流行ったそうです。享保年間には、「心中の生き残りは人殺しと見なす」、「心中に関する書物や芝居は禁止する」、などの政令が幕府によって次々出されるほど、男女の心中が多く、また世間の耳目を集めたのです。当代の流行作家・近松門左衛門が実際の心中事件に取材し、即座に浄瑠璃に仕立てて大当たりをとったことも相乗効果を生んだのでしょう■でね、この種の心中モノの基本って、《何不自由なく暮らす大店の若旦那みたいな男性が遊女と深い恋に落ち、この世で果たせぬ思いを来世に託して共に果てる・・・》みたいなことじゃないですか。でも男性の方は基本金持ちですから、男女の仲に関してそんなに未熟でもモテナイ君でもなかったはず。ああそれなのに!多くのそんな色男達が破滅の道へと向かった。そこまで彼らの人生を狂わせるほどの『秘密の何か』が、遊郭の恋にはきっとあったのであろう、と。その謎を解く鍵が得られるのではないか、と考えたわけです。まあ当時と今とでは生と死の間のハードルの高さがかなり違うのでしょうけど、それにしても、ねえ■まだ1ページも読んでないし、ネットで買ったので立ち読みもしてないし、内容に関しては全くの見当違いかもしれないんですけどね■閑話休題■ていうかここからも閑話ですが・・・僕、通勤用には手軽な新書を読むことが多いのですが、たまたま直近に手に取った2冊が連続してどちらもスゴク面白くて、しかも内容的に不思議なリンクをしていたので書き留めておこうと思ったのです■3日ほど前に読んだのが『落語論』(堀井憲一郎)。今朝読み出したのが『日本語の学校』(鴨下信一)。最近の新書って中味スカスカなのも多いのですが、この2冊はどちらも、驚くほどヘビーでテンションが高くて、そして実践的、かつ実戦的です。共に『声を出して、日本語で語って、聞く者の心を動かす』ことの方法論に関して、実に具体的に述べられています■例えば『間(ま)』という概念についても、共に非常にわかり易く、しかし本質を見据えた分析がされていて、しかも両者のアプローチの仕方は全く違うので、この『間』の部分を読み比べるだけでも、実に面白いと思いますね。とにかく、俳優、落語家、アナウンサー・・・その他、日本語で発話することを生業にしている人はみんな読んだ方がいいんじゃない!?・・・と思わせる2冊です■なんだかね、本棚からちっちゃい拳がふたつ伸びてきて、油断してたら強烈なワンツーパンチをもらったような・・・今そんな気分なのです■(このかわいい比喩で前半の少々下っぽい話を浄化させたい、艦長)
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- 2009年09月03日木曜日