EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 ラレコ
4月
~5月
パク・トンハ
戎本みろ
5月 白井貴子
5月 北澤肯
5月
~6月
中島まゆみ
6月 杉浦邦俊
6月
~7月
伊藤遊
7月 高津玉枝
7月
~8月
高木俊太
村上由里子
8月 石川雅之
8月 大野由紀恵
9月 藤田志穂
9月 宮腰義仁
10月 時東ぁみ
10月 森摂
11月 竹宮惠子
11月 槇原敬之
11月
~12月
冨田勲
12月 上岡裕
12月 川端由美
12月 2008年を
振り返って
1月 赤塚りえ子
1月 中島まゆみ
1月 箕輪弥生
2月 イェンス・イェンセン
2月 武田双雲
3月 郷慎久朗
3月 椎名法子
3月
~4月
森摂
8月9日ゲスト:石川雅之さん

石川雅之1  手塚「石川さんは今年の『手塚治虫文化賞、マンガ大賞』を『もやしもん』という作品で受賞されました。まずは受賞された感想をお聞かせください」石川「最初にお話を聞いたときも今でも、ピントは来ないです。“うそ~”というところから始まって、会場に行ったら本当に貰えたなという感じで。家でちまちまマンガを描いているので、そんな表舞台で褒められて“らしくない”という感じでした」

 手塚「この『もやしもん』という作品は菌をモチーフにしています。このアイデアを思いついたきっかけは?」石川「団体劇をやろうかと言うところから始まりました。ですから『菌』ありきではありませんでした。現代劇で団体劇、それでおもしろ、おかしいのは大学かなと言うことになりました。僕が小さい頃から育った町、大阪の堺に大学の農学部がありました。僕の担当は東京農大の近くに住んでいて、農大に行こうとなりました。東京農大は学生さんがお酒を造っているらしい、未成年のうちからね。それは面白いと言うことになりました。また和歌山の酒蔵にも行ってお話を伺いました。そうしたら“お酒造りは菌の声を聞くんだよ”と言うことを聞きました。リアルな世界で菌の声を聞くのならば、マンガでは菌の姿が見えたり話してもいいんじゃないかと考えました」

 手塚「とにかくものすごい数の菌が登場しますが、その菌をデフォルメしてキャラクターとして描こうと思ったきっかけは?」石川「最初は編集長の方でネームが通らなくて、もう2週間後には第1話が載るのに通らない。“どうしよう”と言うことになって、顕微鏡写真のそのままを描いても気持ち悪いだけなので、“丸描いて、目でもつけとけ”と言われました。そうした“これで行こう”と言うことになって、“こんなものなのか~”(笑)」

 手塚「描いていて、一つ一つ違いがありますが、ごっちゃになったりしませんか?」石川「なります。一応電子顕微鏡写真をデフォルメしようとは思うのですが、だいたい細長いか丸いかなのです、菌は。後は適当です(笑)」


石川雅之2 手塚「農業大学で講演をされているそうですか、教授と科学性はこの作品についてどう仰ってますか?」石川「東京農大では読んでくれているようですが、どう思われているんでしょうねぇ(笑)たまに“だいたいお前の描いてることはあってるよ”と言って貰うとか...」手塚「間違えていて、突っ込まれると言うことは?」石川「学名が変わったというのが。菌の学名はころころ変わるんです。やっと覚えたのが変わったり。その指摘を受けたので、知らないうちにマンガの方も変えていこうかなと」手塚「ま、マンガですからね。非現実的な話ですから」石川「これを読んで、“農業大学を目指すことにしました”というのは、ちょっと落ち着いて貰いたいですね(笑)」

 手塚「石川さんはこの作品を書いて、世の中の見方や感じ方が変わったと言うことはありますか?」石川「納豆が食べられるようになったぐらいですね。こういうもマンガを描いているのに“納豆はちょっと”というのはかっこわるいじゃないですか。だから食べられるようにならないとと思って、1年ちょっとかけて食べられるようになりました」

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8月16日 ゲスト:石川雅之さん

石川雅之3 手塚「最初に好きになったマンガは?」石川「自分で最初に買ったのは『Dr.スランプ』最近、これが原点だと言った方がしっくり来ると思っています」

 手塚「あまりマンガは読まない方だとお聞きしましたが?」石川「一応小学校で流行ったものは追いかけました。でもあまり数は読んでいません」手塚「そんな石川さんが漫画家になろうとしたきっかけは?」石川「そもそも大学に行こうか就職しようか悩んでいた頃に、郵便配達員になろうとして合格しました。それで制服のサイズを決めるので“採寸して、1月7日までに提出してください”と年末に言われました。ただその年のお正月が珍しく楽しくて、気がついたら1月15日ぐらいになっていました」手塚「(笑)」石川「それで諦めました。それでアルバイトをすることになって、工事現場に雇って貰いました。その時ダンプカーに積んであったマンガに“賞に出したら100万円”と書いてあったので、マンガ描こうかなと...」手塚「ちょっと待ってください、お金目当てと言うことですか?」石川「もちろんそうです(笑)絵を描くことは元々好きでしたが、それが商売になるならそんないいことはないと思って、始めたのが最初です」手塚「それで結果は?」石川「期待賞とかいうので8万円という、約束とは違う額を頂きました。100万円と聞いてたのになと(笑)」


石川雅之4 手塚「最初に手塚マンガに触れたのは?」石川「親戚のおじさんの家に、手塚さんの作品がずらっと並んでる部屋がありました。でも借りて帰ってはダメで、そこで見るだけでした。その頃はすごく小さい頃だったので、覚えてないのと、暗い本が並んでいたのが怖くて。ちゃんと覚えているのは、兄が買った『アドルフに告ぐ』でした。その本の背表紙にハーケンクロイツが書いてあって、怖い本なんです、ぱっと見が。そしたら手塚治虫って書いてあるから、この人のマンガは怖いと思いました。その後自分で全部そろえたのは『火の鳥』でした。『火の鳥』は読んでいると本当に怖くなる(笑)」手塚「でも全部そろえて読まれたわけは?」石川「やっぱり分かりやすいんでしょうね、面白いんでしょうね、根本的に」手塚「どの辺が怖いんですか?」石川「人間のどうしようもなさというか、火の鳥見たらかきむしりたくなるようなやな感じ」手塚「なるほど」

 手塚「今後の活動をお教えください」石川「今後も特に『もやしもん』に関しては、今まで通りのびのび、だらだらやっていきますので、気長にお付き合いいただければと思います。最近いろいろやっていただけるようになって、10月11日~2009年1月12日まで、東京上野の国立科学博物館で『菌類のふしぎ-きのことカビと仲間たち』というのを行います。その時期に合わせて単行本が、年末に出せればと進行中です」
 手塚「新しい作品の予定は?」石川「今準備中です。『もやしもん』とは違った話をやっていこうと思っています」


高木俊太さん、村上由里子さん 大野由紀恵さん

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