手塚「個人情報はどのような仕組みになっているのですか?」中島「今回取材した家電量販店さんは“携帯電話を回収に渡した時からその携帯電話に関する権利は手放します”という同意書にサインします。その後回収ボックスに入れますが、その前に“ケータイパンチ”と言う機械で携帯電話に穴を空けます。空ける場所は電源ボタンのところ。こうしますと電源が入らなくなりますからデータも取り出せません。その他に2〜3カ所穴を空けます。回収ボックスは投入口も小さく、鍵がかかっています。その鍵はリサイクルの専門業者が持っていますから量販店の方は開けることが出来ません。また回収ボックス自体も大などに鍵で固定されていますから、箱ごと持っていくことも出来ないようになっています。リサイクル業者が回収する時も、どこの支店からいつ回収したものか、必ずデータを取って工場まで持っていきます。リサイクルに出す携帯電話の数も少しずつ増えているようですが、まだまだなようです。年間4,400万台の携帯電話が製産されているなかで、回収される量は640万台と言うことですから」
手塚「回収された携帯電話はその後どうなるのですか?」中島「回収先の工場で手作業で、本体と充電池、充電器やアダプターなど8種類ぐらいに分けます。それをまた手作業で分解します。その中にレアメタル(金、銀、パラジウム、チタン、タンタルなど)が含まれています。それがリサイクルの中で一番のウエイトを占めていると思います。携帯電話1トンから金が平均して300〜400g取れるそうですが、1トンの金鉱石から4〜5gしか金は取れないそうです。ですから効率からしてもリサイクルの方がいいと言うことです」
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