本多俊之さんは、サックスプレーヤーだけでなく、作曲家としても活躍されています。今回は映画「メトロポリス」の作曲を手がけられた本多さんに、製作秘話などを伺いました。
手塚「この映画の音楽を担当されたきっかけは?」本多「それはりんたろう監督からやってくれないかと言うことで始まったんですが、りん監督は僕のことをジャズプレーヤーではなくフュージョンプレイヤーと思っていたようで“本多さんはジャズでもやってくれるかな〜”(笑)と失礼なことを言ったんです」手塚「映画の内容が近未来を描いているのに、あえてジャズを選んだって言うのは、監督の考えですか?」本多「監督が“近未来の話だけど、そこにレトロ感覚を入れたいから、音楽の側からもそういうアプローチをして欲しい”というアイデアが最初からあったんです。それで監督は全編ジャズにしたかったようですが、僕が試写を見た感じでは作品のスケールに無理があると思って、オーケストラサウンドも取り入れたんです。ただ最初のデモテープを出したときに、“保険”という意味も含めていわゆる可愛い音楽を入れてみたんですが、監督にばっさり切られてしまいました(笑)」手塚「え、その曲はお蔵入りしてしまったわけですか?」本多「いいんですよ、それで方針が分かったわけですから」
手塚「苦労されたところは?」本多「映像の方と一緒にお仕事するときは、全体を支配するメロディラインを作るんです。そのメロディーはいろいろアレンジを替えて沢山出てくるわけですから、強いメロディーでなくちゃいけないですよね、それが最初に苦労したところですね。ただ今回は直ぐに出てきたんで良かったです」 |