EarthDreamingロゴ 放送内容
Line
4月 久米信行
4月〜
5月
古田貴之
5月 中溪宏一
5月〜
6月
中村真菜美
6月 鈴木幸一
7月 GOMA
7月〜
8月
馬場直子
9月〜
10月
北澤 肯
10月〜
11月
川端由美
11月 システム7
11月 福岡 司
12月 小西雅子
12月 ハセベケン
12月 2007年を
振り返って
1月 林家木久扇
1月 イルカ
2月 松尾直樹
2月 上岡 裕
3月 箕輪弥生
3月 冨田秀実
3月〜
4月
中島 悠
2月2日ゲスト:ペア・カーボンオフセット・イニシアティブ代表取締役
松尾直樹さん

松尾直樹1 手塚「この『ペア・カーボンオフセット・イニシアティブ』はどういった会社なのですか?」松尾「一言で言いますと、CO2を相殺するサービスを提供する社会企業です。地球環境を個人や企業で“何かやりたい”という気持ちを具現化するという仕事です」

 手塚「名刺には理学博士と書いてありますが、会社を作られる前は研究者だったのですか?」松尾「元々大学や大学院で理論物理学という全然違う分野におり、博士号までとったのですが、その後1990年頃、地球環境問題が上がってきた時に、特に温暖化問題に興味を持ちまして、“自分は何が出来るだろうか、何をすべきだろうか”と考えるようになりました。物理学は変な言い方ですが、何でも出来る、何でも屋さんなのです。温暖化問題は色々なことが関わっているので、かえって“何でも屋”の方がよいと思ったのです」

 手塚「会社のお名前にもなっています『カーボンオフセット』。これはどういう意味や概念があるのでしょうか?」松尾「“カーボン”CO2のことです。それの排出を“オフセット”相殺する、なくしてしまうということです。自分が出したCO2を他のところで減らすことが出来ればプラスマイナス、ゼロになります。それが出来るツールが『排出権』と言います。例えば“1トン分の排出権”を持っていれば、1トン分余計にCO2を排出することが出来ます。海外でCO2を減らす事業を行って、1トン減らせば、1トンの排出権を獲得出来、日本国内で排出することが出来るわけです。CO2は地球上どこで出しても温暖化に対する効果は同じです。日本でCO2を減らすのは比較的大変ですので海外で減らす。それで相殺する。それが『排出権』の考え方です」


松尾直樹2 手塚「私たちが個人的にするためにはどのようになっているのですか?」松尾「飛行機に乗った時のCO2をオフセットするということが多いと思います。かなりの数の航空会社がそう言うサービスを始めています。飛行機乗った人が自分の排出量をオフセットしたいと思ったら、そのサービスをしている航空会社にお金を払うことで実現出来ます」

 手塚「自分が出した排出量を知る術はあるのですか?」松尾「web上で一つ一つの活動がどれくらいかということは分かります。ただ考え方がいくつかあって、1年間で考えるというやり方と、一つ一つの活動でどれだけ出るかを知るということです。私たちの考えは後者です。例えばダイエットの例で、ケーキでしたらこのぐらい、ご飯だったらこのぐらいという、それぞれのことが分からないと、どうすればダイエット出来るかが分からないでしょ」手塚「そうですね、カロリー計算をして決めますね」松尾「ですからそれと同じことで、東京大阪間を飛行機で行くのか新幹線で行くのか、CO2の排出量を知ることで、決めることが出来るようになります。そうすることでたんなるオフセットにとどまらず、自分の活動が省エネ型、CO2削減型の生活になっていける。ここにかかっているのです」


2月9日 ゲスト:松尾直樹さん

松尾直樹3  手塚「この『ペア・カーボンオフセット・イニシアティブ』という会社はどういうことをなさっているのですか?」松尾「“ペア(pear)”洋梨のことなのですが、“Partnership for Environmental Action with Responsibility”の頭文字です。カーボンオフセットのサービスを提供するプロバイダです」手塚「この会社を設立しようと思った経緯は?」松尾「海外でCO2を削減するプロジェクトはいろいろありますが、その地元の人たちには全く恩恵が受けられていません。プロジェクトの種類が偏っています。そういうことのないプロジェクトを立ち上げたいのですがお金がありません。そこでこのカーボンオフセットを利用しようと思ったのが一つ。日本国内の市民のCO2は減らす手段がありません。企業にはある程度規制をかけるということは出来ますが、個人は出来ません。その中でどうやれば本当に減らせるだろうかと考えました。個人でも減らしたいという気持ちを持っている方もいます。それを手助けするためにこの会社を始めました」手塚「個人個人が減らす努力と、減らす選択。そしてそれが海外の貧しい人たちのプラスになるようにしていくということですね」松尾「それを同時に解決できるというのが我々の会社です」


松尾直樹4

 手塚「現在までの活動についてお聞かせください」松尾「我々はプロジェクトの種類にこだわっていきたいと考えています。現地の人々が持続可能な発展に大きく浴せるようなプロジェクトを実施していきたいと思っています。プロジェクトはお金と時間がかかりますが、最初に立ち上げたプロジェクトがようやく動き出そうとしています。また私達はカーボンアカウントという一種の口座、CO2に関する口座を提供しています。これは自分のCO2がどこからどのくらい出て、というような情報。さらにはそれをオフセットしたかしないかという情報を、銀行口座のように見えるようにするというサービスです。ただ、今はこれを手入力しなければなりません。これでは面倒ですから一番いいのは自動入力が良いわけです。例えば電気料金やガス料金、交通手段などが自動でカーボンアカウントに入力されるようになる社会が望ましい。でもこれは私達の力だけでは出来ません。しかしやろうと思えば出来ると思います、社会的ムーブメントが起きれば。そういう社会にしていきたい、そのためのプラットフォームを我々の会社は提供します。ここがカーボンオフセットの単なるプロバイダというだけではなく、我々としての一種のビジョンを、社会企業としての考え方を表したものだと思います」


イルカさん 上岡裕さん

このページのトップへ戻る
手塚るみ子プロフィール 放送内容 お便り トップページへ。

Line