手塚「“気候変動は人間活動が引き起こしたものである。しかもその進行は思ったよりも速く、加速化している。影響は世界各地に表れていて、深刻化していく一方”ということですが、それに対する世界や日本のメディアの反応は?」小西「今回プレスルームも今までの3回よりも大きなものを用意しました。メディアは中に入れませんので、終わった後の記者会見で、私が一番印象的だったのが、今までは専門的な記者が多かったのですが、今回は一般のテレビなどが多かったということです」手塚「それはノーベル平和賞を受賞したということが大きく関係していますか?」小西「それもあると思います。気候変動に対する関心とノーベル賞の両方だと思います。またIPCCを初めて知ったというメディアも多くいました。そういう意味では裾野が広がっていい事だと思いました」手塚「実際にその報道されている番組なりをご覧になりましたか?」小西「ヨーロッパのメディアは深く取材していました。特に目立ったのがドイツのテレビ局とイギリスのBBCでした。日本の放送局も最後には各局、顔を揃えていました」
手塚「“温暖化は人間が引き起こしたものだ”という報道はされましたが、これからどうしていくと言う報道は少なかったと思いますが」小西「そうですね、IPCCは対策まで出していますが、そういう事は報道されてないかもしれませんね」手塚「この報告書の意味はこれからどうなっていくのでしょうか?」小西「これがなぜ大きな問題かと言うと地域的な問題ではないからです。地球的規模で取り組まなければいけないことですので、地球規模で共有する科学の報告書が必要です。温暖化に取り組むためには大きく分けて二つあります、まずどうやって自国の政策で防いでいくかということと、国際交渉で各国がどうやって地球規模で防いでいくかということです」手塚「日本はこの報告書によって、どのように国として考えていかなければいけないと思いますか?」小西「日本は2050年に地球的に半減しましょうと言う綺麗な目標を言っています。ただし自分の国としてどのくらい減らすというシェアについては触れていません。世界ではやりましょう、でも自分は?という状態です」手塚「そこが一番大事なところですよね」小西「それが無いのが今の政治なのです。IPCCの科学の報告書は重要視し、それに従って行動しましょうと言いますが、自分がどうするかということはみんな無いのです」
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