EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 久米信行
4月〜
5月
古田貴之
5月 中溪宏一
5月〜
6月
中村真菜美
6月 鈴木幸一
7月 GOMA
7月〜
8月
馬場直子
9月〜
10月
北澤 肯
10月〜
11月
川端由美
11月 システム7
11月 福岡 司
12月 小西雅子
12月 ハセベケン
12月 2007年を
振り返って
1月 林家木久扇
1月 イルカ
2月 松尾直樹
2月 上岡 裕
3月 箕輪弥生
3月 冨田秀実
3月〜
4月
中島 悠
7月21日 ゲスト:ナマケモノ倶楽部馬場直子さん

馬場5 馬場直子さんは前回2002年11月にご出演されています。

 手塚「お久しぶりです。今回は『フェア・トレード』についお伺いしていきたいと思います。先ずこの意味からお教えください」馬場「日本語で言いますと“公正な貿易”“公平な貿易”という意味です。1960年代にヨーロッパで始まった運動です。主旨は『南北問題』北と南の国の格差が出始めた時にその格差をどうにかしようという取り組みの一つとして、生産者の人々の労働環境、貿易の形態を考え直すこと、きちんと対価を払って公正な貿易になるようしようというのが元々の意味です。今は若い人の間にも浸透して、助けるというよりビジネスの一つとして、新しいビジネスのあり方。あるいは環境を守る取り組みの一つとして聞かれることも多いと思います」手塚「発展途上の国の人達が作ったものが、それに見合う対価が支払われていないという現状をあって、それを助けるための一つの考え方ということですね」馬場「そうです。働いているのに作っている元のお金も戻ってこないというような、おかしな市場システムになってしまっていることが多いのです。それは買っている国、北の国々の方が安い価格で買おうとか、価格が下がったので、生産者への賃金を下げるといった不平等の関係を是正するための動きです」

 手塚「日本ではいつ頃から始まったのですか?」馬場「80年代から、『フェア・トレード』という言葉を使っていたかどうかは別にして、取り組みは始まっています。特に海外協力に取り組んでいる市民団体から始まりました」

 手塚「『フェア・トレード』の特徴は?」馬場「“生産の価格を保証する、継続的な取引をする、相手をパートナーとして信頼関係を大事にする”ということです。“パートナーとして”ということは、他に安い商品が出たらすぐに乗り換えるのではなく、そのパートナーと一緒に試行錯誤しながら、売れる商品を作っていくということです」手塚「お互いにコミュニケーションを取りながら、指導もしていくわけですね」馬場「ヨーロッパでこういうものが、日本ではあんなものが、というようなアドバイスもし、技術的な指導、またその土地土地の技術を特色として生かすなど、話し合いをしながら進めていきます」


馬場6

 手塚「私もインターネットで、フェア・トレード商品を時々買います。私の場合は洋服や手工芸品などですが、今『フェア・トレード』で人気の商品は?」馬場「そうですね、今おっしゃられた着る物、オーガニックコットンのものやその土地で採れたヤシの実などを使ったアクセサリー、またコーヒーやバナナ、チョレート、胡椒などのスパイスなど、食べ物のフェア・トレード商品も増えています」

 手塚「『フェア・トレード』を行うことによって、環境そのものなどの経済的な部分以外のメリットは?」馬場「『フェア・トレード』は地域やコミュニティ、共同体の単位で取り組むことが多いのです。それはその人達の生活の基盤である川の水や山、子供達が遊べる環境があってこそ、そこで生活をしながら商品を作れます。ですから資源を全部取ってしまったり、農薬を大量に使ったりということがあっては成り立ちません。またそういうものを買い手は望んでいませんので、環境も守られます」

手塚「フェア・トレード商品の見分け方は?」馬場「有機食品ですとJAS表示が使えますが、フェア・トレードはまだ法律が出来ていませんので、消費者の方には分かりにくいと思います。それを解決する一つの方法が『フェア・トレード・ラベル』というラベルが出来ましたので、それを目安として頂ければと思います。ただこのラベルが貼っていないものでもちゃんとしたフェア・トレード商品もあります。これは生産者が煩雑な書類を提出しなければいけないのと、費用がかかるということで、取得していない、あるいは取得することを選択しないグループがあるからです。ですから選ぶ基準として、一つは生産者のストーリーがきちんと、その商品を見て読み取れるかどうか。もう一つはこの商品の利益がどうのように使われているのか、対価として生産者に渡っていることや、その地域の森林の保全や子供達の教育に還元するというグループも多いのでそういう活動内容を見極めるということです」


8月18日 ゲスト:馬場直子さん

馬場7 手塚「馬場さんがフェア・トレードに関心を持ったきっかけは?」馬場「『ナマケモノ倶楽部』の活動に関わるようになって、フェア・トレードのコーヒーと身近に接するようになりそれがきっかけです」

 手塚「『ナマケモノ倶楽部』は具体的にどのような活動をされていらっしゃるのですか?」馬場「私たちは設立当初から南米のエクアドルとフェア・トレード、エコツアーを通じて地域支援のお手伝いをしています。そのエクアドルのインタグ地域で採れるコーヒーをフェア・トレード商品として販売しています。インタグ地域には多様な生物のいる豊かな森があります。地上が豊かということは地下資源も豊富で、海外の企業が“掘りたい”と言ってきましたが、それに対してこの地域の人は一時的なお金ではなく、森を残すようなビジネスに取り組みたいということで、コーヒー作りを始めました。その話しを『ナマケモノ倶楽部」が聞いて応援することになりました。コーヒー以外にも『サイザル麻』で作られた手工芸品の販売もしています」


馬場8 手塚「実際にここにそのコーヒーがありますが、赤と緑の違いは?」馬場「粉と豆の違いです」手塚「このパッケージデザインも『ナマケモノ倶楽部』でやっていらっしゃるのですか?」馬場「私たちと仲間でやっています。これはエクアドルとメキシコのコーヒーをブレンドしたものです」手塚「『ハチドリのひとしずく』というネーミングでハチドリの絵がありますが、この絵は現地に浸透している絵なのですか?」馬場「この絵はカナダの先住民族のアーティストの方が描いた絵です。そもそもエクアドルに伝わる『ハチドリの物語』という詩があって、それをモチーフにして描いて貰いました」手塚「土の柔らかさ、豊かさが想像出来る商品なのですね」馬場「コヒー一杯飲む時にちょっとでも生産者のことや、どういう旅をして、どういう人の手を経て自分の前にあるかということが想像出来るかどうかで、私たちの豊かさが異なって来てしまうと思います。そういう意味でもフェア・トレードの商品はその部分が比較的分かりやすくなっています」

 手塚「今後の活動予定をお聞かせください」馬場「今年このコーヒーを新しく作ったので、広めていきたいと思っています。9月にメキシコの生産者を訪ねるエコツアーを計画しています。日本では『ハチドリキャンペーン』ということで秋に、ハチドリのスピリットを持って地球温暖化を止めるために私たちに出来ることをしていこう、というワークショップや講演会を企画しています。また大阪十三に私たちのアンテナショップ、『カフェスロー大阪』オープンしました。そこでもこのコーヒーが飲めます」


コーヒーパッケージ

GOMAさん 北澤肯さん

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