馬場直子さんは前回2002年11月にご出演されています。
手塚「お久しぶりです。今回は『フェア・トレード』についお伺いしていきたいと思います。先ずこの意味からお教えください」馬場「日本語で言いますと“公正な貿易”“公平な貿易”という意味です。1960年代にヨーロッパで始まった運動です。主旨は『南北問題』北と南の国の格差が出始めた時にその格差をどうにかしようという取り組みの一つとして、生産者の人々の労働環境、貿易の形態を考え直すこと、きちんと対価を払って公正な貿易になるようしようというのが元々の意味です。今は若い人の間にも浸透して、助けるというよりビジネスの一つとして、新しいビジネスのあり方。あるいは環境を守る取り組みの一つとして聞かれることも多いと思います」手塚「発展途上の国の人達が作ったものが、それに見合う対価が支払われていないという現状をあって、それを助けるための一つの考え方ということですね」馬場「そうです。働いているのに作っている元のお金も戻ってこないというような、おかしな市場システムになってしまっていることが多いのです。それは買っている国、北の国々の方が安い価格で買おうとか、価格が下がったので、生産者への賃金を下げるといった不平等の関係を是正するための動きです」
手塚「日本ではいつ頃から始まったのですか?」馬場「80年代から、『フェア・トレード』という言葉を使っていたかどうかは別にして、取り組みは始まっています。特に海外協力に取り組んでいる市民団体から始まりました」
手塚「『フェア・トレード』の特徴は?」馬場「“生産の価格を保証する、継続的な取引をする、相手をパートナーとして信頼関係を大事にする”ということです。“パートナーとして”ということは、他に安い商品が出たらすぐに乗り換えるのではなく、そのパートナーと一緒に試行錯誤しながら、売れる商品を作っていくということです」手塚「お互いにコミュニケーションを取りながら、指導もしていくわけですね」馬場「ヨーロッパでこういうものが、日本ではあんなものが、というようなアドバイスもし、技術的な指導、またその土地土地の技術を特色として生かすなど、話し合いをしながら進めていきます」
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