インフルにノロウイルス・・・予防にはまずトイレ掃除!?
大阪府済生会中津病院の安井先生によると、11月から2月にかけては感染症に要注意とのことです。
「11月から急増して12月ピークを迎える感染症としてノロウィルス感染症、それから1月~2月に流行のピークとなるインフルエンザ。この2つがこれから我々気をつけなければいけない感染症です」(大阪府済世会 中津病院 臨床教育部長 安井良則先生)
「インフルエンザについては、私たちどういう風に気をつけたらいいですか?」(塚本麻里衣アナウンサー)
「インフルエンザは飛まつ感染、くしゃみや咳の飛まつを浴びて感染しますので、くしゃみや咳をするときは人に向けて絶対しないということ、それからやはりインフルエンザのワクチンを接種していただくということが大切です。
感染症勢力拡大の季節到来!
大阪府済世会 中津病院 臨床教育部長 安井良則先生
「ノロウィルス感染症は、非常にわずかなウィルスが体の中に入るだけで、感染してしまう、発病してしまうと言われています。感染経路はさまざまありまして、誰かがおう吐をすると、それだけでおう吐物の中のウィルスが飛まつで飛び散って感染してしまう『飛まつ感染』」。あるいはウィルスが大量に含まれているおう吐物や下痢便を適切に消毒処理しなかったばっかりに、その場所が感染源となって、その場所を歩いただけで感染してしまう『じんあい感染』というのがあります」(安井先生)
「(ノロウィルス)は感染力も強ければ生命力も強いと。一見きれいでも、実はそこにノロウィルスが潜んでいることがあるわけですね」(塚本アナ)
「その通りです」(安井先生)
そう、私たちの生活の中には、目に見えないウィルスがホコリにくっついて空気中にたくさん存在しています。知らないうちにそのウィルスを吸い込むことで感染の可能性が高まります。もちろん、それはおうちの中でも・・・
おう吐物などの適切な消毒処理を怠るとウィルスの感染源となってしまいます
私たちの身の回りに驚くほどたくさんのウィルスが隠れています
あなたの身の回りにも「病原ホコリ」が・
病院清掃に30年以上携わり、現在も感染予防の研究を続ける、掃除のプロ、松本忠男さんによると、家のなかにはウィルスとホコリが混ざったその名も「病原ホコリ」が蓄積している、とのこと。そして、その病原ホコリが最も多いとされるのが、「トイレ」なんです。家庭内での感染を防ぐために効果的なトイレ掃除を教えて頂きます。
「塚本さん、普段通りのトイレ掃除をやってみてください」(日本ヘルスケアクリーニング協会 松本忠男さん)
まず便器からお掃除しようとしたところ、いきなり松本さんにNGを出されてしまいました。
「トイレというのはとてもホコリの多いところなんです。そのホコリの中に菌やウィルスが混ざって浮遊し、いろいろな場所に付着するですね」(松本さん)
トイレットペーパーや衣服の繊維、また換気扇でドアのすき間から吸い寄せられた廊下のホコリなどトイレはとてもホコリがたまりやすい場所。この病原ホコリを吸い込むことでインフルエンザやノロウィルスの感染リスクが高まるんです。
日本ヘルスケアクリーニング協会 松本忠男さん
始まる前からNGを出されてしまいました
松本式掃除法とは
「まずは菌やウィルスが混在したホコリのあるところ、壁や床のホコリをとることから始めます」
「雑巾とかで拭きがちですが、ホコリが舞っちゃったりするじゃないですか。そんなときに便利なのが100円ショップでも売っている水切りワイパーです。でもこれだけではホコリはとれません。ちょっと一工夫するんですが、ゴム部分に5ミリ間隔で切れ目を入れます。この切れ目とのところに、ホコリがたまっていくんですね」(松本さん)
切れ目を入れた水切りワイパーを使えば、ホコリが飛び散るのを防ぎながら、しっかりと取り除くことができます。壁の場合は必ず上から下へ一方向。同じく床も、一方向に動かしホコリをとります。
「あぁ、すっごくとれてる!気持ちいい!これはいいです。こんなにキレイに見えるトイレでも、ひとかきしただけでこんなにホコリが出るということは、ちょっとさぼっていたら相当ってことですよね」(塚本アナ)
さぁ、ホコリ取りが済んだら、次は便器の掃除です。必ず手袋を付けてください。使い捨てがベストです。ブラシを手にとって、いざ開始、というところで、また松本さんからNGです。
「ちょっと待って。ブラシで直接(便器を)こすると、ブラシの毛の中にウィルスや菌がたまっちゃうじゃないですか。使い終わって容器の中に戻すと、その中でどんどん菌が増えてっちゃうんですよ」(松本さん)
「だからブラシの上からビニール袋をかぶせます」(松本さん)
「え―っ」(塚本アナ)
「ここがブラシのアイデンティティじゃないですか」(塚本アナ)
「ビニール袋かぶせてもアイデンティティは残るので大丈夫です」(松本さん)
ここが松本式掃除法!便器にトイレ用洗剤をスプレーし、ブラシにビニール袋をかぶせてそのままこすり洗い!これでキレイにできるの?と思いましたが、意外と違和感もなく、スムーズにできます。
「ブラシの突起の部分が当たっている感覚はありますね」(塚本アナ)
洗い終わったら、ビニール袋を裏返しそのまま処分します。これならブラシ容器も衛生的。最後に水を流すんですが、流す前に必ずフタを閉めます。菌やウィルスが飛び散るのを防ぐためです。
ホコリとりの秘密兵器は100円ショップで手に入ります
わっ、こんなにたまってました!
普段やっている掃除法は間違いだらけでした
見るのもするのも初めての掃除法です
「さあ、ここから次はどうしましょうか?」(塚本アナ)
「手で頻繁に触るところは除菌シートで除菌するのが大事です」(松本さん)
トイレのドアノブやウォシュレットのボタンなど、常に手が触れる場所、ここは特にウィスルや細菌に注意が必要です。市販のトイレ用除菌シートでウィルスを拭きとります。
「ちょっと待って、塚本さん!往復でゴシゴシ拭くのはNGですよ。一方向です。拭き取ったウィルスがまた戻ってしまいます」(松本さん)
ここが松本式掃除法!思わずゴシゴシ往復拭きしたくなるところですが、それではウィルスを広めるだけ!かならず一方向に動かします。これで感染を防ぐトイレ掃除はOK。
ウィルスの感染源となりそうな場所もいろいろあるのです
トイレ掃除も奥が深いですね
便器のためじゃない、人のために掃除する
「すでにノロウィルスにかかった人がいる場合のそうじ法はどうしたらいいんでしょうか?」(塚本アナ)
「最後の除菌の方法だけやり方を変えてください。塩素系の漂白剤じゃないとだめなんですよね」(松本さん)
強力なノロウィルスの消毒液は特別なものと思いがちですが、実は家庭にある台所用漂白剤で簡単に作ることができます。ペットボトルキャップ半量の台所用漂白剤を500mlのお水に入れ、シェイクするだけ。消毒液にペーパータオルを浸し、よく手が触れる場所を拭いていきます。この時も必ず一方向ですよ。
「便器を清潔にするのが目的ではなくて、ウィルスや菌が人間の手について拡大するのを止めたいだけなんです。人のためにやっているんです」(松本さん)
「私、今まで便器のために掃除してました」(塚本アナ)
簡単にノロウィルスの消毒液がつくれます
子どもが吐いちゃった…正しい処理法は
さらに、家族がノロウィルスに感染し、おうちで嘔吐してしまった場合。正しい処理で、家庭内感染を予防することが重要です。用意するのは、ペーパータオル、手袋、ビニール袋、マスク、そして消毒液。この場合の消毒液は、先ほどより台所用漂白剤を高めにします。ペットボトルキャップ2杯分と500mlの水を混ぜ合わせます。小麦粉を水で溶いたものを吐しゃ物に見立てます。
「まずは吐しゃ物の上にペーパータオルを敷いてください。次に塩素系漂白剤をその上から直接かけてください」(松本さん)
このまま3~4分放置し、消毒液を吐しゃ物全体に浸透させます。これでウィルスの動きを止められるそうです。
「これを外から中央に寄せてかき集めていって、吐しゃ物ごととってしまいます」(松本さん)
中央にまとめたらそのままゴミ袋に入れます。吐しゃ物がまだ残っている場合は、同じ作業を数回繰り返し全て取り除きます。
「最後に、ウィルスがまだ活性化している可能性があるので、残った消毒液をゴミ袋の中に入れて、口を閉じて廃棄します」(松本さん)
「ウィルスかどうかわからないしではなく、これからの季節はウィルスかもしれないという大前提で対策をとった方がいいですね」(塚本アナ)
慌てず騒がず家庭内感染の予防に対処しましょう
吐しゃ物の処理は最後までその場で行います
この季節、ウィルスありきで対策をとることが賢明です