スーパーマーケットの驚きの新戦略とは
「大阪のど真ん中、阿波座にやってきました。この辺りはオフィス街といった印象で、夜になるとあまり人がいないという感じだったんですが、最近はマンションが建ち並んでいるんですよね。昔と街並みが少しずつ変わってきてる、そんな印象もあるんですが、ここに次世代スーパーがあるそうです。行ってみましょう!」(上田剛彦アナウンサー)
スーパーがあると聞いてやってきたんですが、なぜかそこにあったのは、ホームセンターのコーナン。建物の中に入ると・・・
「ホームセンターなんだけど、ここにスーパーがある。ミニエル、あっ、ライフですね。ライフの1つの形態ですかね?(店長さんにごあいさつ)こんにちは、よろしくお願いします。ミニエルっていうんですか? さっきライフとも書いてあったんですけど」(上田アナ)
「こちらはライフの小さい店舗ということで、ミニとライフのLを合わせたミニエルというお店になっております」(店長 鍵本啓志さん)
「なるほど、ミニライフでミニエル」(上田アナ)
オフィス街の印象が強かった大阪市西区の阿波座周辺ですが、ずいぶんと雰囲気が変わっていますね
ミニエル西本町店(大阪・西区)です。ミニとライフのLを合わせてミニエルですって
大阪・西区 ライフの新業態ミニエル
ライフ初の小型店舗ミニエル。小型というだけあってコンビニをちょっと大きくしたくらいの広さです。
「お弁当の品揃えがすごく豊富ですよね」(上田アナ)
「ミニエルの立地がビジネス街の中にありますので、昼食需要にしっかり応えられるようにお惣菜とかお弁当の品揃えを増やしております」(鍵本店長)
ミニエルのメインターゲット、お昼はランチを買い求めるビジネスマン。そして夜は、都会に住む単身者や共働きの夫婦、いわゆる“中食”を利用する人たちです。そのため、小さいながらもキッチンを備えていて惣菜などは揚げたてを提供。お弁当は近所のライフで作って運んでくることで、こちらも出来立て。コンビニとの差別化を図っているんです。
さらに、他の売り場を見てみると・・・
「お肉とか野菜はどこにあるんですか?」(上田アナ)
「こちらがお野菜の売り場、こちらがお肉の売り場になります。なにか気付かれた事ありますか?」(鍵本店長)
「思っていたスーパーのお肉売り場、野菜売り場ではないなと」(上田アナ)
「生のお野菜や果物、野菜、お肉やおさかなは取り扱いしていないんです」(鍵本店長)
「スーパーなのに?」(上田アナ)
「単身者が多いエリアで、調理する方が少ないので、さっと炒められる物だけは取り揃えています。その分、惣菜売り場を広く取ってお客様を迎えています」(鍵本店長)
ライフ初の小型店舗で広さはコンビニの1.5倍程度。お弁当やお総菜の品揃えが豊富です
あれっ、生鮮食品の売り場が見当たりませんね
従来店舗のすき間を狙う
他にも単身者狙いの品揃えとして、簡単に調理できるレトルト食品やパスタなどの種類も充実させているそうです。ただ、単身者が多いエリアで、ニーズに合わせた品揃えをするのは、スーパーとしては当たり前。ミニエルの新戦略とは一体?
「ここ数年、同じ大きさの店舗を出店する用地がなかなかない状態になっています。そこでミニエルのような都市型の小型店を出店する事で、近くのスーパーでカバーしきれない隙間をしっかり埋めて、ライフファンを増やしていきたいと思っております。」(鍵本店長)
スーパーを利用する顧客の生活エリアは、およそ半径1kmだと言われています。阿波座周辺には3つのスーパーがあるのですが、それぞれの顧客生活エリアを地図上に描くと…こんな感じ。この真ん中に隙間がありますよね?実はミニエルが出店したのは、まさにココ!新戦略とはわずかな隙間も許さずに顧客生活エリアを埋めるということなんです。
「まだまだこのサイズのお店であれば、都市部への出店もできるかと思います。」(鍵本店長)
「今までコンビニしか入れなかった物件やテナントしか入れなかったところにもライフは出店ができるという事ですか?」(上田アナ)
「そうですね」(鍵本店長)
ミニエル西本町店 鍵本啓志 店長
阿波座周辺の3つのスーパーのカバーエリアのすき間を狙って、ミニエルは出店しました
大阪・福島 阪急オアシスの新戦略とは?
そしてもう1つ、新戦略で挑むスーパーが先日福島にオープンしました。阪急オアシスです
「お店に入った感じは 普通のスーパーに見えるかなと思うんですけど」)上田アナ)
「ご案内しますのでついてきていただけますか」(店舗企画部長 志水孝行さん)
連れられてやってきたのは店舗の2階。
「あちらのコーナーはどんなコーナーですか?」(上田アナ)
「店内で販売しているお惣菜など、すべてをこちらのコーナーで召し上がっていただくことができます」(志水さん)
「スーパーで買ったそのままで、ちょっと飲んで帰ることができると」(上田アナ)
「はい、できます」(志水さん)
そう、阪急オアシスが新たに手がけたのは、イートインができるスーパー。ここでは店内で作られた色とりどりのおしゃれな惣菜を始め、売り場であるものすべてを、イートインスペースに持ち込んで食べることができるんです。もちろんお酒売り場のアルコールも購入すれば持ち込みOK。飲食店のようなテーブルチャージなども、一切かかりません。
阪急オアシス 福島ふくまる通り57店
イートインスペース「KirCHEN&MARKET」。すべての商店が店内で飲食可能です
選択肢が多くてうれしい悲鳴です
スーパーの店内で一人焼肉!
さらに、精肉売り場では・・・
「焼肉のコーナーが商品が多いと思うんですけど」(志水部長)
「1人前、2人前くらいのちょうどいい量の焼肉がありますよね」(上田アナ)
「この店、実はこちら側でそのまま食べていただける一人焼肉のコーナーを設けております」(志水部長)
「グリルになっていて、ここ焼肉屋さんですね」(上田アナ)
店内で焼肉が楽しめるスーパーは、おそらくここだけ。お肉の価格もスーパーなので、焼肉屋さんに行くよりかなりリーズナブルです。充実したイートインコーナーだけでも十分変わっているスーパーなんですが、実は新戦略はコレではないんです。
焼き肉用のお肉がやたらと豊富なんですが・・・
前代未聞のスーパーの一人焼き肉!でも、これが新戦略ではないんですって
飲食店併設のスーパー
店舗の正面にぐるっと回り込んでみると・・・
「こちらの通りがふくまる通り57といいまして、従来の高架下のお店と今回の新しい商業施設が融合する形で新しい通りを作りました」(志水部長)
「通りを作っちゃった!右側が阪急オアシス、左側が前からあった飲食店ですね」(上田アナ)
「ここはスペインの雰囲気なんです。阪急オアシスの店舗の一角になっておりまして」(志水部長)
「このバルも阪急オアシスなんですか?」(上田アナ)
「はい、これが次世代ということでチャレンジしている取り組みです」(志水部長)
「パッと見て スーパーの一業態だとわからないですよね」(上田アナ)
JR福島駅の高架下に誕生した新たなグルメストリート「ふくまる通り57」
4つのバル&カフェを併設した「阪急オアシス 福島ふくまる通り57店」
阪急オアシスの新戦略は、飲食店に来た人をスーパーのお客さんとして取り込もうというのもの。でも、飲食店に来た人がそのままスーパーの買い物客になりますかね?
「午後からは女性が多いんですけども、主婦の方は昼からちょっとアルコールを楽しんでからお買い物されるという主婦の方も増えております」(志水部長)
実はこの飲食店街、営業は朝10時から、お昼にお酒を飲みながら女子会をする、という主婦が意外と多いんです。で、そのまま帰り際に夕食の買い物を阪急オアシスでしてもらおうというワケ。なかなか思い切った戦略ですね~。
「スーパーの中の商品は外に持っていけるんですか?」(上田アナ)
「お寿司などを外に持って行って食べているお客様もいらっしゃいます」(志水部長)
「外で売っているものを中に持って入っても、中のものを外に持って行ってもこの机を自由に使ってもいいと」(上田アナ
「お客さんの使いたいように使っていただきたい」(志水部長)
「ここで成功したら、他にもこう行った形の店舗ができるということですか?」(上田アナ)
「マーケットにもよるとおもいますが、福島のように駅前のお店はこういった形を展開していきたいち思っています。従来のスーパーマーケットの領域以外のところのお客様に使っていただけるよう、これからも知恵を絞っていかなければいけないという非常に難しい時代かなと思っております」(志水部長)
飲食店に来た女性客をスーパーのお客さんとして取り込もうというのが新戦略の狙いです
店舗企画部長の志水孝行さんが、阪急オアシスの未来をアツく語ってくれました