早朝の駅前に異様な光景
「午前5時すぎです、大量のハトがやって来ました」(記者)
人通りのほとんどない、早朝の駅前。大量のハト、カラスが飛び交う、異様な光景です。
しばらくすると・・・
「今、黒い服を着た女性が食パンを・・投げました。男性と黒い服の女性が勢い良く食パンを投げています」(記者)
ひとしきり投げ終わると、周囲を気にしながら去って行きました。空き地には、ハトに食い荒らされた食パンが散乱していますが、その後、先ほどの集団が片付けに戻ってくることは
ありませんでした。
ここは、大阪市住吉区のJR我孫子町駅付近。住民らによると、この場所で男女数人が、5~6年ほど前からエサやりを始めたといいます。
JR我孫子町駅前には、毎朝大量のハトやカラスが空を覆う異様な光景が
「すっごい嫌悪感…」フンが洗濯物に、羽がのどに・・・おさまらない住民の怒り
電線の上にはハトが1列にずらっと並んでいます。そして下の道路には真っ白なフンがびっしりとこびりついています」(記者リポート)
道路のあちらこちらに、大量の鳥のフンが落ちています。
「ベランダとかもフンとか羽でたくさん」(近隣住民の女性)
(Q.洗濯物とかはどうされてる?)
「もう部屋干しですね・・・すっごい嫌悪感というか」(近隣住民の女性)
「餌バーっとまいて、スッと帰りはんねや。もう羽がブワーッと飛ぶやろ。ほんならやはり空気吸うやんか。ほな、羽がやはりここ(のど)へ入ったりな」(近隣住民の男性)
(Q.(フンが)ついたことある?)
「あります。シーツは最初(ベランダに)干してたから、(フンが)ついたりとか。でもカピカピになるでしょ。そしたらもう洗っても取れないし」(近隣住民の女性)
エサやりは駅前の空き地だけではありません。住宅街でも・・・
「大概ここにネコのえさを入れて、このへんに置いて。ここに自転車を置いて、そっちのお向かいさんに向けて、鳥にえさをばらまく感じ」(近隣住民の男性)
近隣住民が撮影した防犯カメラの映像には、住宅街でネコに餌やりをしたあと、残ったエサをマンション前の道路にまき散らす人物が映っていました。住民たちは餌やりを止めるよう求めていますが、集団はお構いなしです。
「自分が見たのは缶詰とドライフードと、ちくわとか。3種類まぜてパックに1セットにして置くような感じ。ネコの糞尿でハエがすごい媒介する。あとこのへんのゴミが家の中に入ってくる」(近隣住民の男性)
後始末をせず、エサを放置。他人に迷惑をかける悪質な餌やり行為に住民たちは困り果てています。
フンや羽・・・大量にやってくる鳥の被害で住民の生活にも大きな影響が出ている
エサやり集団は駅前だけでなく、住宅街でもネコのエサを放置していた
エサやり集団に直撃
彼らはなぜ、エサやりを続けるのでしょうか。エサやりを終えた直後、直撃取材しました。
(Q.先ほど食パンを空き地に撒かれていたかと思うんですけど?なぜ餌やりされてるんですか?
「・・・」(エサやりしていた女性)
この場所でも、エサやりをしていたのでしょうか。キャットフードとちくわが入った食品トレイを急いで片付け始めます。
「行こか、もう食べたな」(エサやりしていた女性)
(Q.近所の方は迷惑と言っているが?)
「・・・」(エサやりしていた女性)
(Q.どうして毎朝、餌やりをしているんでしょうか?)
「・・・」(エサやりしていた女性)
女性らは何も答えず、足早に立ち去ります。
その2時間後・・先ほどの場所からすぐ近くに姿を現した女性。他人の家の生け垣で、不審な動きをしています。
(Q.他の方の家で何されてたんですか?エサやられてました?)
「・・・」(エサやりしていた女性)
後ろめたさがあるのでしょうか。依然として何も答えません。
住民らによると、この集団はもともと、野良猫にエサやりをしていましたが、ハトやカラスなどが先に食べてしまうため、「猫がかわいそうだから」と鳥にもエサをやるようになったといいます。
住宅街でネコにエサをやっていた女性に直撃取材するも、すぐに無言で立ち去った
取材班が声をかけると、ちくわやキャットフードが入ったエサを急いで片付け始めた
女性は他の人の家の敷地に何かを置くような、不審な動きを見せた
苦情を申し入れるも、なくならない迷惑行為 その理由は・・・
住民らは度々、大阪市や警察に苦情を申し入れていますが、エサやり行為がなくなることはありません。というのも・・・
「エサをやる方には何度かお会いして、そういった迷惑になるようなことはやめて下さいというようなことはお話しさせていただいているんです。ただ、問題となるのが、そういったエサやりを禁止する法律あるいは条例がないということで・・・」(大阪市住吉区役所・田中斉課長)
エサやりは法律で禁止されていないため、強制的にやめさせることができないといいます。
市は、看板を設置したり、ハトやカラスが降りてこないよう網を張ったりしていますが、全く効果が無いのが現実です。
集団がエサやりをしていた翌日の早朝4時、JR我孫子町駅前では・・・
「2日連続で、大量の食パンを空き地に投げ込んでいます」(記者)
取材班を警戒してか前日より1時間以上早く姿を見せた女性。辺りを気にしながら、でも大胆に食パンを投げていきます。
夜明け前で、鳥は1羽もいません。空き地に無残に散らばる食パン、その数・・150枚以上はありそうです。
さらに・・・
「あっ、米ですね。袋から容器にすくって、大量の米を女性が投げ入れて行きます。コッペパンでしょうか?女性が大量のエサを空き地の中に投げ入れています。・・・手を振っていますね。こちらに向かって手を振っています」(記者)
カメラを向ける取材班に笑みを浮かべる女性。悪びれる様子はなく、「自分たちが取り締まられることはない」・・そんな余裕さえ感じられます。
「行政が手出されへんのを良いことに好き放題やってるので。できるだけきつい罰則で、もうできないような状況をつくってほしい」(近隣住民の男性)
住民らは近く市議会に、迷惑な餌やりに罰金を科す条例の制定を求めることにしていて、来月から始まる議会でこの問題が議論されます。
苦情が寄せられても、取り締まる条例がないために注意を呼びかけるしかない
取材班を意識したのか1時間以上も早くに現れ、パン以外に米までもまき散らした
迷惑行為を食い止めようと住民らが立ち上がり、来月以降に市議会で議論されることに