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2019年3月19日

【ウエダのギモン】液体ミルクの実力を探ります 子育て世代待望の商品が国内で製造販売開始!

特集

“国産”液体ミルクへのこだわり

 国内で初めて液体ミルクが売り出されました。“待ってました!”という声がある一方で、日本で初めてっていったいどんな商品なのか、大変に気になります。早速、正しい情報を聞いてきました。


 日本で初めての液体ミルクを開発した一人、江崎グリコの水越(みずこし)さんに伺います。


 「これが液体ミルクですか。この販売許可を得るのに時間がかかったんですよね?」(上田剛彦アナウンサー)

 「そうですね。ずっとお待ちしてました」(江崎グリコ ベビー・育児マーケティング部 水越由利子さん)


 「乳児用」の食品を販売するには国の許可が必要なんです。定められた栄養素がきちんと入っているか、表示の文言に問題がないか、などをチェックされます。許可が下りたのは3月5日。そして、11日から全国の店頭で発売されました。


 「発売が3月11日ですよね?」(上田アナ)

 「はい」(水越さん)

 「東日本大震災というものを意識されてたってことですか?」(上田アナ)

 「そうですね。災害の時には困りごととして、キレイなお水が手に入りにくいとか、お湯を沸かすガスがないとか、ライフラインが途絶えてしまうと、粉ミルクがそもそも作れないってことになるので、液体ミルクが常温でも飲めるってところで備蓄していただくのにふさわしいかなと」(水越さん)

 日本で「液体ミルク」が注目されたのは、3年前の熊本地震のとき。当時、国内に液体ミルクはなかったため、フィンランドから、被災地の保育所に届けられました。カメラの前では、ミルクをもう卒業した子が飲んでいましたが、県内で5000本が活躍。ただ、その後は・・・。


 「北海道の地震のときにも災害の支援物資として送られたんですけど、残念ながら北海道であまり活用されなかったんです」(水越さん)


 北海道の避難所では、「これが液体ミルクだ」との情報が正しく伝わらず、「キケン。飲むな」という紙が貼られ、手つかずになるケースが続出したのです。


 「パッケージの表示が外国語であったりとか、そもそも液体ミルクについて知らない中で、これを使って良いかどうか分からないっていうところで使われなかったんだと思います」(水越さん)


 「国産にこだわった理由っていうのもそういうところにあるんですかね?」(上田アナ)


 「日本のお父さんお母さん、育児にかかわる方々に、きちんと日本で製造されたものをお届けしたいっていうところでこだわって作りました」(水越さん)


育児の負担を減らしたい!

 液体ミルクが活躍するのは災害のときだけではありません。日常の授乳に使えば、手間を格段に減らすことができます。粉ミルクとの最大の違いは、ミルクをつくる時間。粉だと、お湯で溶いてから冷まさないといけないので、ママは 平均 7分半、パパは 12分半もかかるそうです。でもそれが液体なら、ものの10秒。哺乳瓶に移し替えるだけ。しかも、清潔に移す工夫まであるんです。


 「はさみを使っていただくと衛生的によろしくないので、衛生的に移し替えていただけるようにストローを開発しました」(水越さん)

 「へー」(上田アナ)

 「このストッパー部分が一番大事なポイントになるんですけども、このストッパー部分が完全に隠れるまで一旦差し込んでみてください。で、少し引き上げていただくと完全に穴がふさがります」(水越さん)

 「うん。ストローの先も、容器の差し込み口も全く手に触れていない」(上田アナ)

 「衛生的です」(水越さん)

 「もし仮に僕が泥だらけの手だとしてもたぶん大丈夫でしょうね」(上田アナ)

 「それは・・・調乳前は必ず手を洗ってください」(水越さん)

 「わかりました。はい」(上田アナ)


 あとは一気に移すだけ。 


 「最後まできれいに入ります」(水越さん)

 「逆さにしてもこぼれないですね」(上田アナ)

 「はい」(水越さん)

 「あっ、もう空っぽですね。ストローが底まで入ってないので、完全に注ぎ切ることができます。内容量が125ミリリットルなので。125、ホントにピッタリ入っています」(上田アナ)


液体にするからこその苦労があった

ただ、みなさん、こんなギモン沸きませんか?「日本初の液体ミルク」って たいそうに言いますが、グリコでは、以前から粉ミルクをつくっています。液体ミルクは、その粉を単に溶かしてパック詰めにしただけではないんでしょうか?


「全然違います」(水越さん)

「全然違うんですか?」(上田アナ)

「全然違います!」(水越さん)

「でも成分はそうなんですよね?」(上田アナ)

「成分は赤ちゃんに必要なものが入っているので、粉ミルクも液体ミルクも同じですけども。液体ミルクは液状であるがゆえに、保存期間中に微妙に変わってくる成分があるので、それでも赤ちゃんにとって必要な成分がきちんと担保できるように商品を一から作っています」(水越さん)


もともと、赤ちゃんが飲むミルクにはこれだけたくさんの栄養が必要で、その量も細かく決められています。青と緑の線の間に入らないといけないんです。


「ホントにわずかな隙間を縫うみたいに栄養を分布させなきゃいけないと?」(上田アナ)

「そうですね」(水越さん)


研究に研究を重ねた結果、赤い線で示されたのが、グリコの液体ミルク。しかもこれらの栄養を、変化しやすい液体の中でも保ち続けるという、大変な苦労がありました。


常温でも腐らない

 「どれくらい持つんですか?」(上田アナ)

 「弊社のもので半年の賞味期間になります」(水越さん)

 「半年!?冷蔵庫入れなくていいんですか?」(上田アナ)

 「冷蔵庫には入れないでください」(水越さん)

 「常温保存?」(上田アナ)

 「常温保存です」(水越さん)

 「ミルク、常温保存でいいんですか?」(上田アナ)

 「ミルクを無菌化した状態で充填しているので、そもそもこの中には菌は一切いませんので常温で保存していただいても腐らないのが特徴です」(水越さん)


“白さ”を追求した

 今回の開発で最もこだわったこと。それは・・・


 「色の白さです」(水越さん)

 「色?」(上田アナ)

 「はい」(水越さん)

 「白ですよね?」(上田アナ)

 「はい。白です」(水越さん)

 「普通白になるんじゃないんですか?」(上田アナ)


 海外の液体ミルクの多くは、意外にも「白くない」んだとか。


 「確かに全然違いますよね」(上田アナ)

 「海外の製品で多いのは、長い時間ミルクを殺菌する方法をとっているのでミルクの成分が一部こげてくるんです」(水越さん)


 一方のグリコは、白さを保つために、殺菌は短時間、でもその分、超高温でという方法をとりました。


 「やはりお父さんお母さんに受け入れていただこうと思うと、よりナチュラルな色合いの方が良いのではないかということで色の白さにはこだわりました」(水越さん)

 「やっぱり色としては白の方がいいよねってことですよね?」(上田さん)

 「はい」(水越さん)


 せっかくですので、ちょっと味見を。まずは海外のミルクから。


 「さらっとしてるんですけど、なんて言うのかな、そんなにおいしいおいしいとゴクゴク飲める感じではないです」(上田アナ)


 一方、グリコのミルクは・・・


 「わずかに甘さを感じるかなぁ。ミルクっぽさは感じる」(上田アナ)


値段は粉ミルクの3倍

「これ、ちなみに、1コいくらぐらいなんですか?」(上田アナ)

「200円で販売させていただいてます」(水越さん)

「125 ミリリットルですよね。粉ミルクで同じ量をつくろうと思ったらだいたい値段の差はどれくらいなんでしょう?」(上田アナ)

「だいたい3倍ぐらいになります」(水越さん)

「液体ミルクの方が3倍高い?」(上田アナ)

「はい」(水越さん)


たいへん便利ですが、粉より3倍高い液体ミルク。みなさんは どう感じますか? 





 アジアでは一般的でないミルクですが、フィンランドでは9割が液体ミルクです。スウェーデンでは半分、フランスやスペインでもかなり一般的に液体ミルクを使っています。育児のことを考えると、母乳が出にくいお母さんもいます。飲むのが上手じゃない赤ちゃんもいます。いろんな赤ちゃんがいて育児スタイルがあります。それに合わせて液体ミルクをうまく取り入れていってはいかがでしょうか。











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特集

2019年3月13日

平成36年!? 絶対にやって来ない免許証の有効期限 このまま使っても大丈夫…?

特集

「平成」は31年で幕を閉じ、次の元号は何になるのか、ここに来て注目が集まっています。そんな中、わたしたちの身近でこんな素朴な疑問が・・・。

大阪府内の運転免許試験場で、更新されたばかりの免許証を見せてもらいました。有効期限の表記は、決して訪れることのない“平成36年”。免許を更新した人たちは・・・。


「変ですね。逆にレアというか、おもしろいですよね」

「(平成は)終わってるよね。どうすんねやろね。(元号が)変わったら、また警察行けばいいんちがうかな?」


この免許証、元号が変わった後はどうなってしまうのでしょうか?大阪府警の担当者に尋ねてみました。


「Q.こういった免許証は、新たな手続きなしに使えるんですか?」

「はい。免許証には『平成36年まで有効』という表記がありますけど、そのまま使用できます」(大阪府警・大庭泰明警部)


新たな元号が4月1日に発表された後もコンピューターのシステム改修に時間がかかるため、「平成」で表記された免許証の発行は4月30日まで続くそうです。

ちなみに、免許を更新した人からはこんな声も。


「Q.どちらの国からいらっしゃったんですか?」

「中国です。特に外国人にとって西暦は(元号より)覚えやすいです」


警察庁によりますと、日本の運転免許を持つ外国人は、この10年間で増え続けています。現在、免許証に使われている日付は元号だけ。誰にとってもわかりやすくするため、都道府県ごとに3月末から順次、元号と西暦の両方で有効期限を記した免許証を発行することが決まっています。


 絶対にやって来ることのない「平成」の日付が入った免許証を持つ人が、

特に気をつけなければいけないことはあるのでしょうか?


「ご自身で免許の有効期間をしっかりと把握しておいてもらうことと、更新通知書が届きますので、その内容をきちんと確認してもらうことが大事と思います」(大阪府警・大庭警部)(止)


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特集

2019年3月12日

つらない天井に、人を運べる看板… 「災害から命を守りたい」 東日本大震災後に職人たちが生み出した防災用品が各地で活躍

特集

 あまりにも多くの人たちが犠牲になった東日本大震災から8年。あの震災後、「災害で失われる命を減らしたい」と、立ち上がった人たちがいます。


「この天井を使ったことによって命が助かる」

「看板が人の命を救えたり、人の役に立てたら」


東日本大震災をきっかけに、防災用品の開発に挑んだ職人たちの思いとは。


落ちても安全「布製の天井」

 岡山県津山市の「ファインアートかわばた」は、従業員12人が働くテント製造メーカー。学校行事に使うテントや、車の荷台にかぶせるカバーなどを作っています。ここで2年前、ある画期的な技術が誕生しました。


「中学校の食堂の天井です。実はこの天井、特殊な布でできています」(ABCテレビ・佐藤江里子記者)


ファイバーシートという化学繊維の布を使った「膜天井(まくてんじょう)」と呼ばれる天井。開発したのは「ファインアートかわばた」の社長・牛垣和弘(うしがき・かずひろ)(59)さんです。


「ファイバーシートはもともと2メートル幅の原反で、できています。それを広い面積の天井を作るために、1枚ものにするためにつなぎ合わせていくんです」(牛垣社長)


つなぎあわせた1枚の大きな布を四方から引っ張り、天井にします。


「上から重たいもの一切なしの、膜材だけで広い天井を作りたい。落ちにくいことはひとつだけども、そのあとは落ちてきても人に被害を与えにくいもので作るべきだと」(牛垣社長)


天井開発のきっかけは、2011年の東日本大震災でした。学校の体育館や音楽ホールなど、およそ2000ヵ所で「つり天井」が落下。石こうボードや鉄骨が直撃して少なくとも5人が亡くなり、70人以上がけがをしました。


「自分のまわり、学校、老人施設、病院、そういう身近なところの天井が本当に安全な天井にできるようなことをなにか考えていかなくちゃと思ったんですね」(牛垣社長)


落下物によるけがを防ぎ、軽くて安全性が高い天井を作りたい。各地で専門家からアイデアを集め、他の企業と協力して一から開発しました。そして、「つるす」という従来の方法ではなく、天井を「張る」という発想にたどり着いたのです。壁にとりつけた専用の金具に布をかけて、四方から引っ張ることで、たるみのない天井を作ることに成功しました。


「つり材を一切使わずに平行にしていくっていうのが一つのポイントなんですよ」(牛垣社長)


5年以上の試行錯誤の結果、「布で天井を作る技術」を生み出しました。1平方メートルあたり、わずか700グラムで、「つり天井」のおよそ40分の1という軽さです。西日本では、地元の岡山県を中心に膜天井を取り入れる建物が少しずつ増えてきました。


「自分が思うに日本一安全な天井。具体的に広める術っていうのを一生懸命模索しているところです。」(牛垣社長)

食品商談会で「天井」を売り込み

 先月、全国スーパーマーケット協会が開いた国内最大級の食品商談会。試食コーナーがずらりと立ち並ぶ会場に、牛垣さんの姿がありました。会場を訪れたスーパーの関係者らに「膜天井」をアピールします。

「落ちて来たら天井危ないじゃないですか。とにかく布しかない天井を作ろうというので開発したもの」

「復旧が早いということは食品関係は特に大事なのかなと思いましてね」


牛垣社長は、スーパーに「膜天井」を導入すれば、大きな地震が起きた場合でも買い物客の安全を確保できる上、すぐに復旧できると訴えます。


「北海道なんですけど、こないだ地震があったので危機管理の部分ではニーズがあるのかなと思います」(商談会の参加者)


牛垣さんは、一人でも多くの人が助かるようにまずは「膜天井」の存在を知ってほしいと話します。


「東日本大震災を受けて、こういう天井があったらいいなと考えました。だから、考えた自分がそれを作り上げて、そしてそれを広めていくというのは私の仕事だと思います。使命というか」(牛垣社長)

「命を救う看板」

 大阪府堺市にも、東日本大震災を機に防災用品を開発した人がいます。看板製造会社「常磐精工」を経営する、喜井充(きい・みつる)さん(59)。

「これがサポートサインです。普段はこういうふうに看板として使っていただいて、パネルを外すと車いすになる、という商品です」(常磐精工・喜井 充社長)


さらに。


「こちらは看板がストレッチャーになるタイプのものです。実際に作ってみます」(ABCテレビ・佐藤記者)


わずか1分ほどで完成。体重が97キロだという従業員の男性に乗ってもらうと。

「女性の力でもすいすい動かせます。100キロ近い男性を運んでいるようには思えないです」

(ABCテレビ・佐藤記者)


喜井さんは、東日本大震災が起きた当時、「がんばろう日本(にっぽん)」と書いた看板を作り、売り上げを被災地に送っていました。


「次に、もともとの看板にできること、っていうテーマでいろいろ考えてて。当たり前のごとく、目立つところ、人の眼の前にあるんで、これが車椅子とかストレッチャーになったらいいんではないんかなと」(喜井社長)

「人の命を救う看板を作りたい」。しかし、通常のものでは強度が足りず、人を乗せることはできません。


「夜中目がさめて漫画書いてみたり。瞬間につぶれるとか、今回はいけたか、と思ってくるくるくるとやったらバシャっとか(笑)」(喜井社長)


喜井社長は何百枚も設計図を書いて、100キロの重さに耐えられる看板を作り上げました。人を支援する(サポート)看板(サイン)という思いを込めて「サポートサイン」と名付けました。今では年間200台ほどを出荷。大学や区役所などに設置され、実際に体調が悪くなり、サポートサインで運ばれた例もあります。


「私も妊娠中気持ち悪くなって、電車の中とか道とかで倒れそうになったこととかあるので、こんな緊急の担架とかあったらすごく便利だなと思います」(「サポートサイン」が設置されている堺市・北区役所を訪れた女性)


営業を担当している、息子の翔太郎さん(28)は、災害時のほかにも、さまざまな場面で役に立つ「サポートサイン」の魅力をPRします。


「普段は(看板に)熱中症予防の啓蒙表記をしていて、体調不良者が現れたら本当にその看板で運ぶこともできます」(営業担当・喜井翔太郎さん)


「掲示板と車椅子と、普通の荷物の運搬用としても使える1台三役。今まであるようでなかったというか、なので、非常に面白いですし、お客様にとって利便性が高い商品だなとおもっています」(営業先の担当者)


 少しずつですが、着実に普及している「サポートサイン」。喜井さんには心に決めた目標があります。


「街中の看板がサポートサインになって、この看板、車椅子にならへんの?って子供が聞くくらいになれたらいいなと思っています。」(喜井 充社長)


「ものづくりを通して人の命を守りたい」。東日本大震災をきっかけに生まれた商品には、職人たちの、まっすぐで熱い思いがありました。

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特集

2019年3月12日

【ウエダのギモン】魚を眠らせる新技術!? 鮮度を落とさず輸送します あなたの食卓へも世界へも

特集

魚ばなれが進んでいます。この10年間で、1世帯あたりの魚介類の年間購入量が10kg以上減っているんですね。この魚ばなれを食い止めることができるかもしれない技術があるんです。それが“魚を眠らせる技術”です。でも、どうやって魚を眠らせるんでしょうか。その方法を見てきました。


 「大阪府の泉佐野市にある“大阪活魚センター”にやってきました。ここに魚を眠らせる技術があるというんですが・・・大きな水槽が見えますね。実際に中には魚たちが泳いでるんですが、いったいどんな技術なんでしょうか?」(上田剛彦アナウンサー)


 その技術の責任者、大森さんに、早速、魚が眠る様子を見せていただきます。


 「こっちの魚、鯛ですよね」(上田アナ)

 「マダイですね。きょうはこのマダイを眠らせてみようということでご用意しました」(日建リース工業営業本部 大森道生部長)


 眠らせるといっても、やることは簡単。この水槽から隣の水槽に魚を移すだけ。


 「おお!元気元気」(上田アナ)


 でも、本当にこの活きがいいマダイを眠らせることができるんでしょうか?



「この鯛はもうすぐしたら寝ると思います」(大森さん)


(1分が経過)すると・・・


「あ、あ、あ、あ・・・そう言われてみれば、今なんか、人間でいうと“船をこぐ”みたいになりましたね」(上田アナ)


そしてさらに3分が経過したところで…


「えっ、えっ、あれっ。ウワワウワ」(上田アナ)

「寝ますね、寝ました」(大森さん)

「ひっくりかえっちゃったけど・・・死んでないなと思うのはエラが動いてるんですよね」(上田アナ)

「zzz・・・」(鯛)

「そうです、純粋にいびきかいて寝てるに近い状態です」(大森さん)

「ここからテレビつけた人ちょっとびっくりしますね」(上田アナ)

「はははは」(大森さん)

 

 いったい、魚に何が起こっているんでしょうか?


 「これは二酸化炭素を多く溶け込ませた水で、魚を寝かせています。二酸化炭素を空気中や水分中の濃度より高い状態にしますと、人間も魚も呼吸をする動物は、そのほとんどがすべて寝てしまします」(大森さん)

 「確かに、すごい人が多い会議室とかでずっといるとあくびが出てきて眠くなるみたいな」(上田アナ)

 「はい、そういう研究もされたことがあるようですね」(大森さん)


 このポンプを使って水槽の中に二酸化炭素を入れるんですが、水中の酸素がなくならない程度に調整しているので魚は呼吸ができているんです。


 では、ぐっすり眠った魚を起こしてみましょう。眠らせた時とは逆、普通の海水に魚を戻します。


 「あ、おきた?もうおきたかな?」(上田アナ)

 「もうすぐすると起きると思いますね」(大森さん)

 「またですか?」(上田アナ)

 

 ちょっと心配になりますが、大丈夫です。4分後・・・。

 

 「あ、あ、あ、でも、あ、あ、あ、起き上がった!」(上田アナ)

 「起きあがりましたね。ああ、よかった」(大森さん)

 「完全にひっくり返ってたのが、また戻りました」(上田アナ)


 いったい、これがなぜ魚離れを食い止める事になるんでしょうか? 


 「これは魚を運ぶために眠らせるということでしております。寝ることで魚はじーっとしますから、やはり泳いでいるためのスペースがいらなくなって比較的、狭いところにたくさん魚が入るんじゃないかというところの、高密度で積める可能性がある」(大森さん)

 「えっ、これ、まさか?」(上田アナ)

 「ここに鯛が、魚が入ります」(大森さん)「えっ、ここに魚が入るんですか!とすると、これ見ただけで仕切りがあるけど1、2、3、4,5、6、7、8、9、10・・・ 10匹これで運べちゃう?」(上田アナ)

 「はい、そうなんです」(大森さん)


 まるで本のように魚を並べたあとは、眠らせる水が入った水槽に入れて運びます。この水槽で真鯛なら一度に200匹も運べるんだとか。ほかにも、暴れることがないので、魚にストレスを与えずに運べたり、眠る事で糞などによる水質悪化が抑えられたりします。足が早く地元でしか流通しなかった魚も、この技術があれば全国どこでも食べられるようなるといいます。


 ただ、気になるのはそのお味。ピチピチした魚と違って、ひっくり返った魚を食べるのは、少し抵抗があります。


 「今回は特別に用意していただきました。左側が眠らせた鯛、こっちが眠らせていない鯛。当たり前ですけど一緒ですね(笑)」(上田アナ)

 「一緒ですね」(大森さん)


 見た目では全く違いがわかりません。では、まずは、眠らせていない普通の鯛からいただきます。


 「ワ~うま~い。ん~、さっきまで生きてたからプリプリの弾力感がありますね」(上田アナ)

 「そうですね。歯ごたえがありますよね」(大森さん)

 「これはやっぱり生きてる魚、この魅力ですよね」(上田アナ)


 そして次は、一度眠らせた鯛です。


 「(よく噛みしめて)ん~。美味しい!」(上田アナ)

 「味の違いどうですか?」(大森さん)

 「どっちもすごくおいしいです。プリプリとした弾力がありまして、ん~、(ホントに)違いあるんですか?」(上田アナ)

 「おそらくほとんど差はわからないと思います。私たちも今、細かく大学で研究をしておりますけども、まだ大きな差はわかっていないという状況です」(大森さん)





眠らせても、眠らせなくても、味に違いはありませんでした。ここに、眠らせて活魚を運ぶ最大のポイントがあるといいます。



「今までの鮮魚流通は、船の上や、漁港で魚が締まっている状態で産地へ行く。ですから、食べるタイミングを逆算して締めていないというところが大きな違いになります。たとえば、関東では少し熟成をした柔らかめのお刺身を好む。関西ではコリコリした歯ごたえを、活魚のすぐさばいたものを好む。そのように魚や好みによって、何時の段階で締めるのがいいのかっていうこと、そういった事がコントロールできるのが、まさに活魚流通だと思います」(大森さん)


 活魚が流通することで、魚がおいしく食べられます。おいしかっったら魚離れにもつながります。今回、紹介した泉佐野は関空のすぐ近くです。将来的には、日本の活魚を生きたまま世界に運ぶことも不可能じゃなくなるんじゃないでしょうか。この技術を考案したのは畑違いの建設資材のレンタル会社なんですが、私達の生活に量りしれないメリットを与えてくれるかもしれません。










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特集

2019年3月8日

【真夜中の定点観測】午前2時開店!悪魔的スパイスの香りに誘われ… 大阪・心斎橋のカレー専門店

特集

スナック?午前2時からカレー屋です

 大阪・心斎橋。雑居ビルの中に「深夜カレー」を出すお店があると聞き、午前1時に訪れてみると…中の雰囲気はカレー屋というより、スナック。カウンターではカラオケを熱唱する人の姿がありました。

「こちらカレーのお店では…?」(記者)

「カレー(午前)2時からになります。」


そう。今回取材したのは午前2時に開店、スナックの営業時間外に間借りするカレー専門店「深夜カレー ディアブロ」。


街で気になる、あの場所この場所に、そっと、カメラを置いてみました。シリーズ「真夜中の定点観測」。 “悪魔的”なスパイスの香りに誘われ、よなよな集まってくる少し濃いめの「心斎橋の住人」の世界をのぞいてみました。

知る人ぞ知る!ビッグアーティストがいきなり来店

「いらっしゃいませ」


開店早々やってきたお兄さんに、なにやら店主さんが興奮気味です…。


「有名人やん、マジっすか!?」(店主・菊池さん)


インディーズ界では、知らない人はいない超有名パンクバンド「HEY―SMITH(ヘイ・スミス)」。ドラムを担当する、大阪・豊中市出身の池川佑(いけがわ・たすく)さんです。現在は東京を拠点に、活動中だそうで…。


「ぼく、今から東京へ車で戻るんで」(池川さん)

「マジっすか、今から東京行くんですか?」(菊池さん)


なんと、この後東京までの長~いドライブが控えているのに、わざわざ開店時間まで待っていました。そこまでして食べたかった、カレーのお味は?


「おいしい!結構“早い”ですねスパイス、スパイスが“早い”」(池川さん)

「スパイスが“早い”?」(記者)

「食べてからゆっくり温かくなる(遅い)やつに比べて、とうがらし系やと“先に痛い、辛い”ってなるじゃないですか。それが“早い”って言うんですよ」(池川さん)


カレーの感想に「早い」「遅い」があるなんて、知りませんでした。


「いただきました、ごちそうさまでした。あっつ!」(池川さん)

「眠気覚ましにはバッチリ?」(記者)

「バッチリでしたね、このままノンストップで帰れるくらい元気になりましたよ」(池川さん)


池川さんは年間120本ものライブをこなすそうです。


「ストレスじゃないですけど、やることが多くなってきて、考えることが多くなってくるとおいしいもの食べたりとかしたくなるんですよ。」(池川さん)

「カレーが、健康法でもあるということですか?」(記者)

「そうですね」(池川さん)


週末もライブが控えていました。頑張ってください。

チキンカレー1本!味に魅了された客が続々

 続いて訪れた4人組。ご夫婦とそのお友達。さっきまで、別のお店で飲んでいたそうです。

「飲んだ後に深夜でこの辛さがちょうどいい」(今池さん)

「僕もそう思ってはじめたんですけど、思ったよりお客さん来てくれないですね(笑)」(店主・菊池さん)


真夜中のカレー好きに支えられて、丸2年。スリランカカレーの名店で修業した店主・菊池さんが生み出す、その独特なスパイスカレーには、深夜にもかかわらず、たくさんの常連客がいます。チキンカレー1本で営業し、1日限定およそ30食。売り切れることは…ほぼありません。


「辛い辛い」

「おいしいけど辛い」

「酔いがさめた」


辛い辛いと言いつつも、スプーンが止まることはありません。


その後も、次々と訪れるお客さん。


「しゃぶった?」「骨しゃぶった?」


偶然、隣り合わせたにもかかわらず仲良くなるお客さん。


キャバクラでのお仕事帰りの女性も。


「おいしい、おいしい」(女性)

「アフターにカレーは?」(記者)

「まあまあありですね」(女性)


本当に、いろんな人がやってきます。

「同じ匂いがする」スパイスも客の顔ぶれも 超個性的

 午前3時に訪れたのは、女性3人組のkuua(くうあ)さん、よしのさん、なつおさん。

「どういうつながりなんですか?」(記者)

「インスタグラムとか、ツイッターでもともと知ってて、知り合いました」


「頬にあるのは?」(記者)

「気づいたらこうなってました!(タトゥーを)アクセサリー感覚でどんどん増やしちゃって(笑)」(なつおさん)


3人が知り合ったきっかけは、それぞれがインスタグラムに公開しているアート。


「かわいい、会いたい、遊びたいなって」(なつおさん)


なつおさんはタトゥーの写真をインスタグラムに公開。イラストレーターのkuuaさんは、フォロワー数、なんと9万人以上!海外の番組で紹介されたことをきっかけに、急増したそうです。


「会うまでは趣味合うって思ってなかった? 合いそうやって予感はあった?」(記者)

「予感はあるな」

「同じジャンル、こいつ絶対友達少ないとか。同じ匂いがするぞって(笑)」


独特なスパイスの香りに、個性的なお客さんが集まるようです。

新しいカレー屋がミナミを盛り上げる?

 さて、まもなく、夜も明けようとする午前6時前。かなりご機嫌な様子の3人組がやってきました。ちなみにお仕事は?

「オーナーじゃないの?」(3人組の男性)

「ちちママやから」(女性)

「ママな」(男性)

「ちちママ」(女性)

「チーママな(笑)」(男性)

「(女性に)もともとどちらのご出身ですか?」(記者)

「ブタジル(※ブラジル)」(女性)

「豚か、お前は(笑)」(男性)

「8カ国語しゃべれるんですか?」(記者)

「大阪弁・東京弁・沖縄弁・九州弁…(笑)」(女性)


お友達と息ぴったりの掛け合いをする男性は、剱正人(けん・まさと)さん。実は、「小さなスナック」というヒット曲を持つ、グループサウンズ「パープル・シャドウズ」の元メンバーだそうです。


「お店をやってらっしゃる。どういったお店を?」(記者)

「ライブバーです。お客さんも楽器が弾ける人はギターとかベースとかピアノとか一緒に参加できて。僕一人でやってるんですよ。」(剱さん)


外は、すっかり明るくなる中、剱さんのバーがすぐそこということでおじゃますることに。


「ここで何年やってるんですか?」(記者)

「ことしで9年目ですね。(自分は)3代目。店自体は今年で54周年」(剱さん)


ミナミの歴史とともに歩んできたライブバー「SPOT」。最近は、街も寂しくなったといいます。でもそれはさておき、まずは…


「いえ~い!かんぱーい!!」


朝7時、剱さんはギター片手に大熱唱。まだまだ、宴は続きます。


「(ミナミは)寂しいなんてもんじゃないですよ、全然違う以前と。どっかーんって落ちてる」(剱さん)

「ああいうカレー屋さんみたいな新しいお店って面白いですね」(記者)

「おもろいですよ、あそこはいいわ!ミナミを活性化してもらいたいですね」(剱さん)


大阪・心斎橋。真夜中のカレー屋さんをのぞいてみると、そこには人の数だけ物語がありました。

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特集

2019年3月7日

【ウエダのギモン】衝撃の人口増加計画 枚方市職員に緊急指令 全部署で21本PR動画を制作せよ!

特集

 ひらパーで有名な大阪・枚方市が、今、全部署で21本のPR動画を制作しています。よく自治体が作る動画ってあるんですが、枚方市の場合、少しワケが違うんです。総務部に、教育委員会に上下水道事業部・・・1部署1部署が気合を入れて動画を作る事情とは?

 というわけで、早速、枚方市役所を訪ねました。21本あるPR動画は、今年度中の公開に向けて現在制作中。中には完成間近のモノもあるというので、まずはそれを見せてもらうことに。


 「病院でやっている取り組みを紹介するという内容になっています」(枚方市総合政策部 井田昌誕さん)


 市立ひらかた病院は一つの部署になっていて、病院をPRする動画を作りました。


 『♪ピンポーン。こんにちは~。ここは市立ひらかた病院の手術室です。もう一つ扉が開いたところに手術室が7部屋あります』(枚方市PR動画より)


 どうやら、枚方市のキャラクター「ひこぼしくん」を病院の職員が案内するという設定のようです。


 「わかりやすい、ちょっとくだけたような感じの動画で伝わりやすくなればな、という狙いで」(井田さん)

 「ついでにひこぼしくんもPRしちゃうみたいな?」(上田剛彦アナウンサー)

 「そうですね。枚方市のPRキャラクターなので、ぜひぜひご覧いただきたいなと思いまして」(井田さん)



じわじわハマる!?職員自作のPR動画

 ちょうど今、「編集中」だという部署にも案内していただきました。


 「こちらが市民安全部です」(井田さん)


 実は動画は、企画・撮影・編集、そして出演まですべて職員の手作り。本来の業務の合間を縫って作業しています。


 「市民安全部はどんなものを映像にしたんですか?」(上田アナ)

 「ネット通販のトラブルに遭った夫婦が消費生活センターに相談に行って助けてもらえるっていうようなものを」(女性職員)

 「ドラマ!?」(上田アナ)

 「ドラマです(笑)」(2人揃って)


 では、お二人が精魂込めた台本を少し、ご覧いただきましょう。


 『ひとみ、やたらスマホ見てるけど、何かあったん?』(夫役)

 『実はな、この前、インターネット通販でさ、とも君の靴を買ってんけどな、全然届かへんねんやんか』(妻役)

 『うん』(夫役)

 『まことさん、どうしよう』(妻役)

 『あっ。そういえば、枚方市駅の改札口前でこんなティッシュをもらったんやけど【消費生活センター】ってあるみたいで。今度、ここに一緒に相談行ってみようか』(夫役)

 『うん』(妻役)

 

 そこで夫婦は、すがる思いで「消費生活センター」を訪ねたのでありました。


 「すごく正直に言うと、編集とか構図とかすごく粗いんですよ。粗いんですけど、目を離せない何かが・・・」(上田アナ)

 「ありがとうございます」(男性職員)

 「何もかも初めてすぎて」 (女性職員)


 『これからはだまされないように、気をつけまっす』(PR動画より)


 出演は、市民安全部の宮脇さんと三木さんでした。


かつてのベッドタウンの悩み

 21全部署で動画をつくろうと言い出したのは、実は、この総合政策部の井田さんです。

 

 「ナゼこのPR動画をつくろうと思ったんですか?」(上田アナ)

 「元々、枚方市の方では、定住促進といいましょうか。人口減少がどんどん始まっておりまして」(総合政策部 井田昌誕さん)


 人口の減少は、どこの自治体でも言えることですが、枚方市の減り方は深刻なんです。枚方市の転入者と転出者の差を表すグラフを見ると、9年前から「転出超過」が続き、この間、全国の10位以内に入ってしまった年もありました。


 「ただ、人口の減少を防ぐにはPRだけではなく、色々な政策も関わってくると思うんですけども」(上田アナ)

 「もちろん枚方市の施策の充実も進めていまして、子育てであったりとか教育というのは、これからも重点施策として力を入れております。そのきっかけに枚方市のPR動画を見て頂いて、枚方市を身近に感じていただきたい。やはり、やっていることをいかに伝えるかということが大事ですので」(井田さん)


 でも、そのPRがナゼ「全部署で」だったのでしょうか?


 「定住につながっていくってところの街への印象っていうのは、やはり日常的な街づくりに関わっている各部署のすべての施策次第ですので」(井田さん)


 一見、定住には関係ないような事業も、一緒になってPRしようということのようです。






制作費はありません!手作り感満載の動画で勝負!

 職員の手づくりではなくプロに頼むという手もありますけど・・・。


 「正直言いますと、お金があれば委託して・・・」(井田さん)


 ちなみに・・・プロに頼んだ大阪・池田市の場合。


 『突如、池田市に現れた巨大なひよこちゃんが街を破壊しています』

 『お願い。オーストラリアの魔獣、ウォンバット。日本には7匹しかいないのに5匹は池田市が囲っているウォンバット。池田市を守って!』」(大阪・池田市のPR動画より)


 池田市は1000万円かけて、動画を制作。市にゆかりのある、日清食品の「ひよこちゃん」と「ウォンバット」を、怪獣映画風にしました。去年11月の公開からすでに13万回以上再生され、話題です。でも、お金がない枚方市は、5万円で編集ソフトを買うのが精一杯。


 「職員だからこそ知っているような良いところだったりとか、詳しいところを紹介するという動画を作ってPRしていきたいなと思っています」(井田さん)


PRのネタで部署ごとに格差あり

 ただ、全部署で動画をつくると決めても最初は“温度差”がありました。何をPRすべきか、困らなかったのは産業文化部。


 「産業文化部というのはどんな部署なんですか?」(上田アナ)

 「枚方の観光ですとか、商業、工業、あとは農業、そういったいろんな分野に携わっている部署になります」(産業文化部の職員)

 「とすると、じゃあ今回の動画で、PRするものは山ほどある?」(上田アナ)

 「そうですね。例えば、枚方宿といいまして、江戸時代の街並みですとか、あとはショッピングですね。くずはモールとかT-SITEがありますので、そういうとこを紹介しようと思ってます」(産業文化部の職員)


 一方、どんな動画を作るべきか、困った部署もあります。その最たる例が「総務部」。

 

 「総務部というのが、市役所の中でも職員向けの内部管理をしていくというような部署になりますので、枚方市の魅力をPRしていくという部分では、非常にテーマがないなということでそこは苦労しましたね」(総務部職員)


 悩んだ結果、どうしたのか。このときちょうど撮影中と聞いて、現場をのぞいてみました。


 『志望動機を教えてください』(面接官役)

 『私の故郷である枚方市を良くしたいと思ったからです』(受験者役)

 『枚方市の好きな所はドコですか?』(面接官役)

 『都市部と田舎の部分がバランスよくあるところです』(受験者役)


 総務部が考えた動画は、採用試験を題材にしたドラマ。「就職先に悩んだ青年が、故郷の良さを思い返して枚方市の面接を受ける」というストーリーだそうですが・・・。


 「これって面接じゃないですか」(上田アナ)

 「そうです」(井田さん)

 「これがナゼ枚方市のPRにつながるんですか?」(上田アナ)

 「そうですね。この動画を見て、良い人材が採用できればやはりいい街につながっていくと」(総務部職員)


 「こういう演技とかってされたことあるんですか?」(上田アナ)

 「あ、初めてです」(面接官役の総務部課長代理)

 「初めてで!普段は全然違う仕事なんですよね」(上田アナ)

 「そうですね。ただまぁ、極上の演技ができたかなと個人的には思っております」(課長代理)

 「おお!できあがりを楽しみにしています」(上田アナ)  



 正直、本音を言うと、今、自分が働いている場所がどういうところなのか、市民にどう役立っているのか、職員にあらためて感じてもらうのも、PR動画制作の目的の一つであるみたいです。

 自治体PR動画の再生回数ですが、半数以上が1000回も見られていないのが現状です。池田市のようにお金をかけると見られているところもあるし、お金をかけても見られないところもある。となると、費用対効果で成功と言える目安は1万回以上ということなので、枚方市は手作りでPV(再生回数)をどんどん増やしていってほしいですね。目が離せないのは間違いありません。




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特集

2019年3月4日

住民の反発で建設計画がストップ 「地域の中で回復したい…」共生を模索する薬物依存回復施設

特集

住民の反対運動で建設が半年以上延期

 京都市伏見区向島地区の住宅街。「建設反対」と書かれたチラシが、至る所に貼られています。それを複雑な表情で見つめる男性の姿が。

「寂しいというか・・・難しい問題なんだろうと感じますね」


伏見区にあるNPO法人「京都ダルク」の施設長を務める太田実男さん(46)。「京都ダルク」は去年、向島地区の土地を購入しました。薬物依存症からの回復を目指す人が住む新しい施設を建てるためでしたが、地元住民による反対運動が起こり、半年以上、放置し続けています。


「予定では、昨年の12月には建設完成予定だったんですね」(太田さん)

「建設を延ばしてる間に、理解が進んでほしいですか?」(記者)

「そうですね、理解して頂けたらそんなうれしいことはないです」(太田さん)

「自分を見つめ直す」リハビリ施設での生活

 住民が反対する「京都ダルク」とは、一体、どんな施設なのでしょうか。伏見区にある京都ダルクは、覚醒剤などの薬物依存症の回復や社会復帰を支援する民間のリハビリ施設です。現在は、30代~60代の男性10数名が入所しています。

月曜の朝。彼らの一週間は、近所の公園のゴミ拾いから始まります。地域との繋がりを求め、ずっと続けている活動です。


「結構なゴミの量ですね?」(記者)

「いつもはもう少しあるんですけどね」(入所者の男性)


そして、入所者が毎日必ず行うのが、1時間のミーティング。回復プログラムの一環です。


「いろいろ趣味をやってきたけど、薬物に代わるものがなかなか見つからない。」(入所者)

「刑務所に5回も行ってたら、普通にやり直すことがすごく困難だが、今、無事でいられてることに感謝できていない。見落としがちになっている事を、ちゃんと感じていけるようになりたい」(入所者)


ミーティングでは、質問や批判をしないのがルール。だからこそ、正直な胸の内を明かしていく環境が生まれるのです。


入所者の佐藤さん(仮名・35)は10代のころ、夜遊び仲間の勧めで覚醒剤に手を染めました。その後、何度もやめようとしましたがやめられず、医者から薬物依存症と診断されました。


「この病気の特徴が邪魔をして歪んで考えてしまったりするから。自分の生き方を見直して…」(佐藤さん・仮名)


自分を見つめ直すことが回復への第一歩です。


 食事も入所者自身が準備します。この日の昼食は、ハンバーグとほうれん草のおひたし。佐藤さんは、タマネギを炒めます。各自が自分の役割をこなしながら進める共同作業です。


「Q.手際いいですね?」(記者)

「だいたい、ずっとやってますからね」(佐藤さん)

回復者の背中を追って…欠かせない仲間と居場所

 共同作業は、仲間との絆を深めて社会性を取り戻す大切なプログラムの1つ。かつて、薬物依存症で悩んだ、施設長の太田さんは佐藤さんの良い変化を感じています。

「(佐藤さんは)考えながら生きていくようにはなってるんちゃうかな。こんなことしたらあかんねやろなとか、こういうことしたら周りはどう思うんやろなとか。」(太田さん)

「本当にこのプログラムをやっていけば、変われるのかなということを、太田さんが背中で見せてくれた。」(佐藤さん)

「その背中を追いたい気持ちは?」(記者)

「そうですね」(佐藤さん)

「プレッシャーになるわ(笑)」(太田さん)


プログラムが合わずに施設を去る場合もありますが、このダルクから社会復帰を果たした人は、たくさんいます。


 佐藤さんは、京都ダルクのグループホームで、同じ悩みを持つ仲間3人と共同生活をしています。


「みんなでくつろいでテレビ見たりする場所ですね」(佐藤さん)


門限があり、週2回スタッフも寝泊まりしますが、入所者の自主性が重んじられています。自ら決意してプログラムに取り組まなければ、回復につながらないからです。


「回復の居場所があるからこそ、自ら取り組もうと思えるので、そういう環境があることにすごく感謝しています。」(佐藤さん)

「生き直したい入所者」と「不安な住民」の埋まらない溝

 京都ダルクは、入所者のケアをより充実させるため、現在3カ所に点在しているグループホームと事務所の集約を検討しています。ようやく移転先を見つけましたが、待っていたのは大きな反発でした。

京都ダルクが購入した伏見区向島地区の移転予定地。その隣に住む地区会長は、地域住民の多くが不安がっているといいます。


「まだ自立できていない状態の人に対する危険性が、僕らにはわからへんから、当然不安になる。応援したいけど、この場所はないやろうと。」(地区の自治会会長)


去年5月から数回、説明会が開かれ、京都ダルク側から「これまで大きなトラブルはない」と説明されました。しかし、住民側は自治体から補助金が出ているとはいえ、民間リハビリ施設の管理体制を危惧し、両者の溝は埋まっていません。


「国も行政も管理しない形でこの施設を運営する以上は、何らかの危険性はやはりちょっと出てくる。本当はもっと適当な場所を、行政が探してあげるべきやないかと思いますけどね」(地区の自治会会長)


向島地区の住民は建設反対の署名1万4000人分を集め京都市に提出。一方、ダルク側も市に解決を求めましたが・・・


「お互いの理解が進むよう協力するが、基本的には民間同士の問題なので、市にできることがあるかというと、難しい」(京都市の担当者)


施設長の太田さんは、地域住民の心情を受け止めつつ、今後も活動への理解を求めていきたいとしています。


「社会のルールとか守って、生き直していこうという場所なんで。地域の中でやるのは重要だと思ってます」(「京都ダルク」施設長・太田実男さん)

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特集

2019年3月1日

政治に翻弄されたダム、復活を目指す地震の被災地 インフラの向こうにドラマが見える…「インフラツーリズム」最前線

特集

「は-!雄大ですね、またこう見ると。」


工事中のダムが…崩落した災害現場が…今、生活の基盤をなす「インフラ」が、観光資源に!?ABCテレビの島田大記者が、「インフラツーリズム」の最前線を取材しました!



道路や、橋、水道など私たちの生活の基盤をなすものが「インフラ」。その「インフラ」が、観光名所になっている場所があるというのです…

覚えてますか?「八ッ場ダム」

島田記者がやって来たのは、群馬県にある工事現場。


「こちらでは何をされているんですか。」(島田記者)

「こちらでは、『ぷらっと見学会』の受付をしております。」(受付の女性)

「どこをぷらっと見学するんでしょう?」(島田記者)

「八ッ場ダムの工事現場の中です。」(受付の女性)


そう、「八ッ場ダム」(群馬・長野原町)といえば、10年前にニュースでよく耳にしたのでは?70年以上前に計画が持ち上がって以来、住民が長年、反対運動を繰り広げてきました。今から10年前に誕生した民主党政権が「建設中止」を宣言し、大騒ぎになった…ここまでは、覚えている方も多いのでは。


「これが八ッ場ダムですか。はあ。こう見ると雄大ですね。」(島田記者)


その後、地元の反発にあい、民主党政権自らが中止を撤回。実は、すでに、こんなに出来上がっているんです!本体はほぼ完成、来年3月までに、稼働するそうです。


「予約不要で、みんな本当にぷらっと来て、 もう今日もね、20人ぐらい集まっていますよ。」(島田記者)


いろいろあった八ッ場ダムですが、関東で唯一の、建設中のダムということで、観光客に大人気!今回の無料ツアーを含め、10種類のツアーがあり、スタートしておよそ2年。今年1月までに8万人以上の人が参加したということです。


「造る上で岩盤が頑丈だからダムができる。大自然の営みがあって、人の技術の営みがその上に乗っかってくる。」

『ぷらっとツアー』でガイドを務めるイケメンは、地元在住の樋田勇人さん。彼ら「やんばコンシェルジュ」が案内するツアーも人気だそうです!


「ここに全部、水がたまるんだ。来年の今頃に来たら、ここはダム湖、湖になっているんですね。おー、クレーンが近づいてきましたよ。」(島田記者)


巨大建造物に興奮を隠せない島田記者ですが、ツアーに参加した人は…


「工事する前から何回か来て。」(ツアーに参加した女性)

「こういうツアーはいかがだと思います?」(島田記者)

「いろいろ勉強になっていいですね。」(女性)

「話題のダムだからね。政治に左右されて。」(参加者の男性)


実は、このツアーを企画したのは、「国土交通省」。複雑な歴史を歩んできただけに、担当者は…


「Q.感慨深いんじゃないですか?」(島田記者)


「あまりそういうコメントは(笑)八ッ場ダムはいろんなことがあって、長い間かかりました。地元の多くの方にご協力いただいて完成。我々の期待としては完成後にもぜひ皆さんに来ていただいて、地元の方の地域振興につながるように、このようなツアーを現在、国交省主体でやっています。」(国土交通省・遠藤さん)

建設に反対してきた住民は…

 一方、これまで反対してきた地元住民はどう思っているのか?800年以上の歴史がある、川原湯温泉(群馬・長野原町)。ダムに沈む運命にありましたが、現在、5つの旅館が高台に移転し営業を続けています。そのうちの一つ、360年の歴史を持つ老舗・山木館にお邪魔しました。


「いらっしゃいませ」


出迎えてくれたのは先ほどのイケメンガイド、樋田さん。そう、樋田さんは山木館の十五代目でもありました。先代、先々代が反対してきたダム建設。そのダムを、ガイドとして案内する十五代目は、今、どんな思いなのでしょうか?


「成り立ちは苦い部分があるが、ダムそのものは悪くないので、ダムが持っている人々の生命財産を守る機能や魅力というのは、地元ならではの目で語ってアピールできていければ観光の武器にもなるのではないか。」(樋田さん)


ダムを見学した後は、温泉で癒される。それが、街を潤すことになるのです。

インフラにはドラマがある!

 町と対立してきたダムが、町の救世主に。今、インフラツーリズムは新たな局面を迎えつつあります。その、キーマンが東京に…。跡見学園女子大学・篠原靖准教授。八ッ場ダムのツアーを国土交通省と協力し、作り上げました。

「インフラにはドラマがあるんですよ。ダムで言えば今まで生活していたベースが水没してしまう。犠牲になっていただいた地域の方々がいて、都心で暮らす我々の生活が成り立っているということでしょうか。この関係がうまくビジネスモデルとしてつながると、このインフラツーリズムがこれからの時代はぐーっと伸びると思います。」(跡見学園女子大学・篠原靖准教授)


そんな篠原准教授が、今、注目している「インフラ」があります。それが「南阿蘇観光未来プロジェクト」。南阿蘇と言えば、3年前の熊本地震で大きな被害を受けた地域。でもなぜ、被災地なのでしょう?


「日本は震災大国なので、被災地だけでなく、日本国民全体が地震や洪水について学ぶべきだと思う。だから被災地のインフラツーリズムに携わらせていただいた」(跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 武田怜子さん)

地震の被災地 熊本・南阿蘇村をめぐるツアー

 つづいては、去年11月に女子大生とJALパックが行った、被災地・熊本県南阿蘇村ツアーを巡ります。国土交通省と、南阿蘇村が全面バックアップするだけあって、一般の人が立ち入れない場所を訪れることができます。

「立野ダムの場合は洪水調節専用ダムということで、洪水のときだけ水が溜まりますので、普段はこのようにダムの上流側に来て、ダムの上流側から見ることができるということになります。」(国土交通省 立野ダム工事事務所課長・田脇康信さん)


南阿蘇村で、まさに建設真っただ中の立野ダム。大型重機が忙しく動き続ける姿は、工事現場マニアにはたまりません!さらに、地形に詳しい地元ガイドさんによるこんな解説も…


「柱状節理と言いまして、溶岩が冷えて固まる時にできる。ああいうふうにきれいに筋状にできて固まっていくんですね。4万年~5万年前に、阿蘇の方で噴火した溶岩がこの道を流れてきたと。」(阿蘇ジオパークガイド協会会長・児玉史郎さん)


まさに大物タレントが司会を務める某局の番組「ブラ〇〇◯」的な説明も聞けます。

「いつ当事者になるかわからない」

続いて案内されたのは…


「ご覧になっていただくと、ピンク色のリボンが付いていますね。あれが目印になりますので。その線と、右側・左側が、色が違っているのがわかりますか? 左側が今回の地震でズレて、右側にズレて、現れた部分なんですね。」(児玉さん)

「これ断層なんだ。」(島田記者)


ここ南阿蘇村は、3年前の熊本地震で大きな被害を受けた地域。断層のズレがその傷の大きさを物語っています。


そして、ツアーではこんな場所も…

「はあ、この道路が・・・」(島田記者)

「今そこで遮断されています。その向こう側に橋がございました。4月16日の本震の時に高さ700mほどが崩壊しております。」(児玉さん)

「山の高さ700mほどが、ごそっと崩壊したんですね?」(島田記者)

「横幅が大体200m以上あると思いますけどね。その部分が大量に崩落致しまして、この橋を落としてしまいました。」(児玉さん)


ここは2度目の「本震」で崩壊した、阿蘇大橋。破壊された「インフラ」を巡ることも、このツアーの大きな目的なんです。


「私たちは前震と言われている時は震度5弱で、まさに他人事だったんですね。ところが

28時間後に当事者になったんですね。“いつ”自分が当事者になるか、本当にわからないということを痛感したものですから・・・伝える原点にしております。」(阿蘇ジオパークガイド協会・廣瀬顕美さん)


地震が残した傷跡と、未来への教訓を学ぶ。これも、インフラツアーなのです。

話題のCM、ここで撮影してました

 続いては、こんな場所へ。

「ここがあのCMの・・・あれですね、あれ。あれですよ。ほら、書いてあるでしょ、キリンって。うわ!この自動販売機、全部午後の紅茶!もう上も真ん中も下も!午後の紅茶ですよ。」(島田記者)


ここは、全面開通へ復旧作業が続く南阿蘇鉄道・見晴台駅。復興への願いを込め撮影された、『午後の紅茶』のCMの舞台でもあります。


「このあたりでこうやって・・・待ってるのかな。列車が来るのを」(島田記者)


ここで、上白石萌歌さんの気分に、浸った後は…なぜか、ゴルフ場のレストランへ。


「こちらが立野ダムカレーでございます。ダム湖に見立てたカレーを、ご飯のダムがせき止めています。野菜は、天然記念物の原始林を表しているそうですよ。これ美味しいですね。美味しいカレーですね。熊本では馬刺しとか辛子レンコンとか、色々名物ありますけど、この立野ダムカレーも名物になりますよ。」(島田記者)

傷ついた人を癒やす湯治場に

 さあ、おなかも満たされたところで、最後は温泉に。しかし、インフラツアーの温泉は一味違っていました。

「確かにこうやってブクブクブクブク煮立っているのを見ると、何か本当に地獄温泉なのかなっていうような気もしますけどね。じゃあちょっと入りましょうか。おお!あったかい!いいお湯だ、これ。」(島田記者)

「いいでしょ?」(河津さん)

「いいお湯ですねえ。」(島田記者)


ここ、地獄温泉(南阿蘇村)は、地震の後に起きた土石流で壊滅的な被害を受けました。明治時代に建てられた、木造の旅館も倒壊。今は、残された温泉を足湯として使っています。


「非常に痛みを今度経験しましたので。都会で苦しい人とか、追い込まれている人とか。あとは本当に手が痛いとか怪我してるとか、そういう人たちのための湯治場として、新しいスタイルを持ちながら復活したいというのが夢です。」(地獄温泉「清風荘」社長河津 誠さん)

「そういう思いをインフラツアーで来る人に伝えたいということですね。」(島田記者)

「伝えたい」(河津さん)


新たに生まれる、「インフラ」。崩壊してしまった、「インフラ」。そして、今、必要とされる「インフラ」。「インフラツーリズム」から学べることは、広がりを見せています。

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