声優さんの追っかけ、寺院めぐり…来日の理由は様々
「きょうから3泊ですか?」
「はい」
午後7時、韓国人の男性がチェックイン。何をしに日本へ?
「『ラブライブ!サンシャイン!!』という作品の、アクアというグループがあるんですけど。そのグループのファンミーティングがあって」(韓国人男性・ファンさん)
「Q.どういうグループ?」(記者)
「アイドルグループです」(ファンさん)
日本の人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」。その声優さんの1人が好きなんですって。
「声優の名前は『高槻かなこ』と言います。2年前に、この声優さんたちが韓国に来て・・・初めて見たんですけど。そこで一目ぼれ。日本まで、来てしまいました」(ファンさん)
国境を超えた“追っかけ”。仕事はひと月休み、大阪、東京とファンミーティングをハシゴするそうです。
続いてやってきたのは?
「タイの仏教の僧侶です。金剛山(大阪)へ行ってきました」(タイから来た僧侶の男性)
「Q.はだしですよね?」(記者)
「僧侶はいつもこうなんです。寒くないよ。ずっとこれで歩いてきたんだ。雪の中もこれで歩いてきたんだよ」(僧侶の男性)
旅の目的は日本の寺院巡り。風邪、引かないでくださいね。
一目ぼれした声優さんへの熱い想いを、たっぷり語ってくれた
この日、大阪の気温は6℃。特に冷え込んだ一日だった
西成で「お姫様」体験?
午後8時、若いアメリカ人女性がチェックイン。3畳一間でも大丈夫?
「この壁紙はかわいいわね~!狭いけど私は小柄だからパーフェクトよ。ベッドの方がいいわ、布団は何か変な感じがする。地べたに寝るって」(アメリカ人女性・エミリーさん)
仕事の関係で大阪にきたエミリーさん。一息ついて、通天閣がある繁華街「新世界」にお出かけです。
「せっかくここに来たから寝る前にちょっとぶらぶらしようかな。ここは気に入ったわ、キラキラした看板がたくさんあるわね」(エミリーさん)
さらに、ディープなエリアへ。そこで目にしたのは…成人映画の看板。
「何!?何これ、なんてことなの~」(エミリーさん)
さらに…
「What is this?」「なんなのこれ~」「クレイジーね」エッチな雰囲気のガチャガチャが並ぶ店を発見し、驚き連発。最後は、街の屋台でおでんに缶ビール。西成、満喫できたのかな?
「夜中に、通りの真ん中でビール片手におでんを食べて、まるでお姫様のよう~!!」(エミリーさん)
アメリカ人・エミリーさんは床に敷く布団に慣れない様子
エッチなガチャガチャで赤面の体験
その後、この上なく西成を満喫した様子
コタツを囲んで国際交流
午後9時、コタツのある共有ルームに、自然と宿泊者が集まってきます。
「ハロー、みんなごきげんよう!どこから?」(サウジアラビア人男性)
「スウェーデンよ」(女性)
「スウェーデン!素晴らしい。君はどこから?」(サウジアラビア人男性)
「フィリピンだよ」(男性)
「寒いんでしょ?(笑)」(スウェーデン人女性)
「雪は降らないよ(笑)」(フィリピン人男性)
初対面でも、あっという間に仲良くなれるのが、この宿の魅力。
「家のリビングルームみたい。寂しいなんて感じないし」(サウジアラビア人男性)
「特に1人で旅行をしている人は、ここで友達を見つけ恋も始まるかもしれないし(笑)」(フィリピン人男性)
1日100人ほどが宿泊するホテル。いろんな問い合わせも相次ぎます。
「エアコンのリモコンが動かない」
「この小銭、全部でいくら?」
「おいしいお好み焼き店、ありますか?」
「美容室、おすすめを教えてください」
宿泊客が集まる「共有ルーム」は、にぎやかな雰囲気
受付にはいろんな問い合わせが
日本で起業したい
「ただいま」
「おかえり」
頭にバンダナを巻いた男性が帰ってきました。
「仕事から帰ってきたところです。高校で英語教師をしています」(男性)
「Q.ここに住んでいるの?」(記者)
「はい」(男性)
ニュージーランドからやって来たマットさんは、ここに住み始めて、なんと8カ月。3畳一間の部屋は、自分の部屋のようです。
「Q.洋服はこれですべて?」(記者)
「はい。後ろにたたんでいるものもあります。ハンガーにかかっている服はよく着る分です」(マットさん)
手狭なスペースに住み続けているのには、理由が。
「自分の仕事を作り出そうと思ってます。今は起業したいと思ってる」(マットさん)
「Q.日々、がんばって生きてるのね?」(記者)
「そうだね、そんな感じだね。」(マットさん)
さらに、日本語でも…
「たぶんあとに僕はもっとお金もらいます。そしたら引っ越します。がんばりましょう!」(マットさん)
いつの日か、もっと広い部屋へ。
夢を叶えるために、ここからスタート
世界を股にかけるユーチューバー
早朝5時前。女性がご機嫌な様子で、ホテルに帰ってきました。
「Q.ハイ!酔ってる?」(記者)
「うん」(女性)
「Q.どこに行ってたの?」(記者)
「バーよ」(女性)
「Q.ビール何杯飲んだの?」(記者)
「浴びるほどよ」(女性)
酔っ払って帰ってきたのはフランス人のアンジェレさん。部屋を訪ねると…
「私のちらかったお部屋へようこそ!どこに何があるかわからないけど、とりあえずコンピューターはここです」(アンジェレさん)
「Q職業は?」(記者)
「ユーチューバー。だいたい漫画について語っています。これが撮影するカメラです」(アンジェレさん)
漫画の魅力を、この部屋から世界へ発信。小さい頃から日本の漫画やアニメに魅了されたアンジェレさん。
「6歳のときに『天空の城ラピュタ』を見ました。何回も何回も見て夢中だったわ」(アンジェレさん)
3ヵ月前に来日し、日本中を旅しながら、漫画だけでなく、町の魅力も発信しています。彼女の動画にも…
「この商店街は古い雰囲気でとてもいい感じ。大阪人はめちゃイケてる。東京とは言葉のアクセントが違うの」(アンジェラさんのユーチューブ動画より)
この宿にいるのは今月いっぱい。そのあとは?
「西成のあとは自転車で四国へ行って八十八ヶ所めぐりをしたい」(アンジェレさん)
アンジェレさんの職業はユーチューバー。この狭い部屋が仕事場でもある
アンジェレさんは漫画とともに、日本の街の魅力も発信し続ける
また、ここに戻ってくるよ
朝6時、宿を旅立つ人の姿が。
「またホテル東洋に戻ってきます!」(フィリピン人男性)
「大阪はお気に入りの町です」(ドイツ人男性)
「Q.また帰ってきますか?」(記者)
「もちろんさ」(ドイツ人男性)
「ほかの国で泊まったホテルよりずっとよかったよ。妻と娘が3月にくるので、同じホテルを予約します」(フィリピン人男性)
かつて、ドヤと呼ばれた西成のホテル。のぞいてみると、そこには外国人宿泊者の数だけ物語がありました。
お気に入りの宿、今度は家族と一緒に