「環境省 国立環境研究所 地球環境研究グループ オゾン層研究チーム」はオゾン層の破壊がどうして起こるかというメカニズムを研究されているところです。
手塚「オゾンについて教えてください」今村「酸素は酸素原子が2つ、オゾンはそれが3つくっついたもの、身近なところでは古いコピー機で臭いがしてきたと思うんですが、それがオゾンです。また光化学スモッグが発生してきたときによく聞く“オキシダント”それの主成分もオゾンです。と言うことでオゾンが生物の回りに沢山あると、体などに悪い影響が出てきます」手塚「と言うことはオゾンは身近にあって欲しくない物なんですね」今村「そうですね、でオゾン層が存在するのは10km〜50kmの所、成層圏にあるんです。そこは対流がないので、地上にオゾンが降りてくることはなく安心です」
手塚「そのオゾン層破壊の一番の原因は?」今村「フロン、ハロンと呼ばれる化学物質です。これらは人工的に作られた物です。フロンはクーラーとか冷蔵庫、発泡スチロール、噴霧器などに使われていました。冷蔵庫などの冷却剤としてそれまで使われていた、アンモニア、亜硫酸ガス、塩化メチルは冷却効果があまり良くなく、腐食したり、有害であったり、爆発する危険がありました。そこで登場したのがフロンで、今言ったようなことがまるでなく、理想の冷媒と言っていいですね」手塚「じゃーそれが出来たときは、なんて素晴らしいものが出来たんだと思われたんですね」今村「身近な環境と言う意味では、今の言葉で言う人間に優しい物質なんです」
手塚「でもそれが地球に害があったと言うことなですね」今村「フロンというのはなかなか壊れない物質で、使った物が大気にどんどん溜まっていったんです。その中の一部が成層圏に達し、紫外線によってフロンが壊れ、塩素がでてそれがオゾンを破壊して行ったんです。一番怖いのは少量のフロンで何千というオゾンを破壊してしまうことなんです、たとえて言うと映画などで一人の侍が千人切りをするのと同じですね」
手塚「いつ頃それが分かったのですか?」今村「最初に分かったのが、1974年にモリーナとローランドと言うアメリカの研究者がフロンのオゾン層破壊の論文を出し、その後日本の気象庁の方がオゾンホールを見つけ、1985年以降、国際的にフロンを使わないようになりました」手塚「最近はそう言う商品はなくなりましたね」今村「ただ古いクーラーがなどまだまだあると思います。ですからそう言う物を勝手に捨てないで回収してちゃんと処理しないといけないですね」
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