放送内容
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4月 財津和夫
4月〜
5月
宮沢和史
5月 石坂 啓
6月 松岡修造
6月 Soul Scream
7月 hitomi
7月 庄野真代
8月 坂本美雨
8月〜
9月
小柳ゆき
9月〜
10月
屋久島レポート
10月 村井国夫
10月 忌野清志郎
11月 出羽 仁
11月 森 茂郎
11月 中嶋朋子
12月 緒方直人
12月 石川賢治
12月 総集編
1月 brilliant green
1月 牧瀬里穂
2月 財津和夫
2月 宍戸 開
2月 今村隆史
3月 小川健一郎
3月 服部まこ
3月〜
4月
加藤登紀子
2月25日 ゲスト:環境省 国立環境研究所 地球環境研究グループ
オゾン層研究チーム、理学博士今村隆史さん
今村隆史1 「環境省 国立環境研究所 地球環境研究グループ オゾン層研究チーム」はオゾン層の破壊がどうして起こるかというメカニズムを研究されているところです。

 手塚「オゾンについて教えてください」今村「酸素は酸素原子が2つ、オゾンはそれが3つくっついたもの、身近なところでは古いコピー機で臭いがしてきたと思うんですが、それがオゾンです。また光化学スモッグが発生してきたときによく聞く“オキシダント”それの主成分もオゾンです。と言うことでオゾンが生物の回りに沢山あると、体などに悪い影響が出てきます」手塚「と言うことはオゾンは身近にあって欲しくない物なんですね」今村「そうですね、でオゾン層が存在するのは10km〜50kmの所、成層圏にあるんです。そこは対流がないので、地上にオゾンが降りてくることはなく安心です」

 手塚「そのオゾン層破壊の一番の原因は?」今村「フロン、ハロンと呼ばれる化学物質です。これらは人工的に作られた物です。フロンはクーラーとか冷蔵庫、発泡スチロール、噴霧器などに使われていました。冷蔵庫などの冷却剤としてそれまで使われていた、アンモニア、亜硫酸ガス、塩化メチルは冷却効果があまり良くなく、腐食したり、有害であったり、爆発する危険がありました。そこで登場したのがフロンで、今言ったようなことがまるでなく、理想の冷媒と言っていいですね」手塚「じゃーそれが出来たときは、なんて素晴らしいものが出来たんだと思われたんですね」今村「身近な環境と言う意味では、今の言葉で言う人間に優しい物質なんです」 手塚「でもそれが地球に害があったと言うことなですね」今村「フロンというのはなかなか壊れない物質で、使った物が大気にどんどん溜まっていったんです。その中の一部が成層圏に達し、紫外線によってフロンが壊れ、塩素がでてそれがオゾンを破壊して行ったんです。一番怖いのは少量のフロンで何千というオゾンを破壊してしまうことなんです、たとえて言うと映画などで一人の侍が千人切りをするのと同じですね」

 手塚「いつ頃それが分かったのですか?」今村「最初に分かったのが、1974年にモリーナとローランドと言うアメリカの研究者がフロンのオゾン層破壊の論文を出し、その後日本の気象庁の方がオゾンホールを見つけ、1985年以降、国際的にフロンを使わないようになりました」手塚「最近はそう言う商品はなくなりましたね」今村「ただ古いクーラーがなどまだまだあると思います。ですからそう言う物を勝手に捨てないで回収してちゃんと処理しないといけないですね」


今村隆史2 手塚「オゾンが出来た仕組みをお教え下さい。最初の地球には存在してなかったんですよね」今村「光合成が始まって酸素が増え、太陽の光を受けて酸素が壊れオゾンが出来たんです。そして地表から離れたところにオゾンを溜めるようなシステムを、地球が自ら作りだしたんです。オゾン自体は動植物に害があるものですから、これはとても画期的なことです。そしてオゾン層が出来たことによって、生物に有害な紫外線をブロックしてくれるようになりました」手塚「オゾンが減って紫外線が降り注ぐと、具体的にどのような悪影響があるのですか?」今村「充分には分かっていないんですが、人間ですと皮膚ガンが増えると言うことと、白内障、免疫の低下こういった物を引き起こします。あとは海洋プランクトンなどの一部が、紫外線が増えることでやられてしまい、食物連鎖がおかしくなってしまうと思われます」

 手塚「今現在フロンは減っているのですか?」今村「大気中に出ているフロンの量は減り始めています。ただオゾンが壊れている量、オゾンホールの広がりなどは、まだまだ回復しているとはいないんです」手塚「どうしてですか?」今村「温暖化の影響も関係していると思います。私たちはオゾンの問題はオゾン、温暖化は別の問題と考えがちですか、一つの地球の中で起こっている問題なので切り離して考えてはいけないのです。またその他の物質が増えていて、今まで以上にフロンがオゾンを破壊する手助けをしているとも考えられています」

 手塚「私たちがこれから出来る事ってなんでしょうか?」今村「難しい問題ですがオゾン層のことだけでしたら、フロンをやめてそれに変わる物を使えばいいんですが、そう言った物は他の影響が出るかもしれません。ですから、何をすればいいかは皆さん、一人一人が分かっていると思うんですが、例えば無駄にいろんな物を捨てないですとか、そう言った一つ一つの積み重ねが環境をよくしていくと思います」手塚「昔のような地球に戻すのはものすごい時間がかかるのでしょうか?」今村「地球は生き物のように自己治癒能力があります、ですから地球がどの程度の所までなら許容できるのかを知らなければいけないんです。でも私たちはまだまだ分かっていないんですね。ですからもっと謙虚な気持ちで、自分たちの勝手な考えではなくて、地球全体を眺める広い視野で行動すると言うことが必要だと思います」


宍戸 開さん 小川健一郎さん

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