手塚「この『京都国際マンガミュージアム』の概要についてお聞かせください」伊藤「『京都国際マンガミュージアム』は、京都市と京都精華大学が共同で運営している施設です。マンガの収集、保管、展示、そしてマンガ文化に関する調査研究や事業を行うことを目的としています。
建物は昭和4年に建てられた龍池小学校の校舎を、廃校後に改築してマンガの博物館として、また図書館として利用しています。自由に読んで頂けるマンガが5万点あり、それが学校中の本棚の中に並んでいて『マンガの壁』と呼んでいます。全長は140mあります」
手塚「マンガミュージアムを作ったきっかけは?」伊藤「最近マンガが国や産業界から注目を浴びるような大きな文化になりつつあります。と同時にマンガを研究するという流れも2000年ぐらいから興って、2001年に京都精華大学が音頭をとって『日本マンガ学会』が出来ました。精華大学はマンガ学部を持った変わった学校で、いざ“研究をしようと”思った時に資料となるマンガがありませんでした。それで精華大学のマンガ資料館を作るということが始まりです」
手塚「マンガの資料館ということで、市や地域の方々の反応はいかがでしたか?」伊藤「大分マンガに対するイメージが変わってきたとはいえ、手塚先生がPTAに怒られていた時代とあまり変わっていませんでしたので、こういった伝統ある場所、しかも学校にマンガをおくということに抵抗はありました。しかし地道な説得をして、受け入れてもらいました。京都の方は新しいものが好きで、一旦受け入れたものはとことん守るという気概がありますから、今では歓迎されています」
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