手塚「『大地を守る会』がどういった経緯でフードマイレージに着目したのですか?」大野「このフードマイレージと言う言葉が農業と環境をつなぐキーワードだと言うことで注目しました。『大地守る会』は日本の有機農業を元気にして広めていこうと言う目的で1975年に出来た団体です。30年前は有機野菜を見かけることはなかったのですが、最近はスーパーでも見かけるぐらい広まってきました。ただ2000年前後に法律が変わって輸入の有機野菜やオーガニックの加工品が日本に入ってくるようになりました。それによって有機野菜であれば国産でなくてもいいのではないかという声が出てきました。それに対して説得力を持って説明するときにフードマイレージの考え方に出会いました」
手塚「その中でフードマイレージキャンペーンと言うのがありますが、これは?」大野「食べ物の輸送距離を短くして、より近くで採れたものを食べましょうという呼びかけをしています。その呼びかけるに当たって新しい単位を作りました。『ポコ』と言います。CO2、100gを1ポコと呼ぶことにしました。アメリカ産ではなく北海道産の小麦を使ったパンを選ぶと1.1ポコ減らせると言う計算になります。冷房の温度を28度設定にしますと0.8ポコ、1日で減らせます。ですから北海道産の小麦出来たパンを選ぶことで28度設定よりも多くのCO2を減らせると言うことです。この単位を使うことよっていろいろ比較が出来るようになります。なぜ『ポコ』かと言いますと、ドライアイス(二酸化炭素)を水に入れるとポコポコ泡が出てきます。そこからに酸化炭素を表現するのに『ポコ』がいいのではないかと。もう一つの理由はスペイン語とイタリア語で“ポコ・ア・ポコ”少しずつという意味があります。その『ポコ(少し)』を使いました」手塚「このキャンペーンを会員方にどのようにお知らせしているのですか?」大野「会員向けのカタログにポコを表示したり、レシートには“あなたは今週○○ポコ減らしました”と表示しています」
手塚「ホームページに『大地を守る会』の考え方に賛同されたお店も紹介してありますが、どういった形でお店とコンタクトを取られたのですか?」大野「ホームページで呼びかけをして、それをご覧になったお店の方で賛同された方が参加してくれています。これからの目標にもなるのですが、実際のお店でフードマイレージの表示をしたいと考えています。今年度中にカフェを作るという計画があります。そこではメニューにポコを表示しようと考えています」
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