手塚「『オルタナ』に掲載された特集記事についてお教えください」森「8号では『心理ビジネス、今がチャンス』という特集を組みました。これは“日本の森が危ない、林業の担い手がいない”と言う内容です。実は今海外の木材の値段が上がっています。日本の木材もちゃんと人や会社が取り組めばビジネスになりますと訴えました。日本の農業、林業、水産業全部危機にあります。この中ででも農業はましなのです。それはやりたいという人が多いからです。ところが林業はほとんど関心がありません。水産業も関心がいかない。森がなくなると防災や景観保全が出来なくなります。一つ象徴的なのが“マイ箸”です。マイ箸を持つ方が増えてきました。その一方で割り箸は環境破壊だという固定観念があります。“固定観念”と言ったのはそうではありませんと言いたいからです。今日本の割り箸は中国からのものが多く使われています。これを国産の割り箸に変えると間伐材で作りますから、森林資源の活性化に繋がり森林ビジネスの追い風にもなります。
森「環境問題は何が本当ことか分からないことが多すぎます。地球の平均気温が上がっているのもCO2の濃度が上がっているのも事実です。でもこれが人間の経済活動によって引き起こされいて、頑張れば止めることができかどうかと言うことは、実は誰も分からないのです。こうなると京都議定書の枠組みそのものも危うくなります。ジャーナリストしては今の時点で“分からない”ということが正しいというように思えてきます」手塚「調べれば調べるほど断定できないのですね」森「そういう中で『オルタナ』が果たすべきことは分かっていることを一つ一つ解き明かすこと。もし迷信や固定観念があるならばそれを正していくことだと思っています」
手塚「最新号では『ポストブッシュ。環境大国へ』というテーマになっていますね」森「今度の大領にマケイン氏がなってもオバマ氏になってもアメリカは脱石油に向かいます。どういうことかというと、二人とも環境政策を大きな柱にしているからです。一方日本では国会や選挙の演説でも環境問題が語られません。アメリカは一人の石油使用量がダントツのトップです。それが脱石油に向かうと言うことは世界に与える影響も大きいと思います。
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