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7月26日ゲスト: |
高木俊太さん、村上由里子さん |
手塚「今年の6月にWWFが『Voyage
for the Future(未来への航海)」というプログラムを行いました。カナダ、ドイツ、アメリカ、イギリス、ロシア、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、そして日本の9カ国から集まった18人の学生が船に乗り込み、北極海に浮かぶ島、ノルウェー領スバーバル諸島を目指しました。これは学生達が北極海を旅することで感じた地球温暖化の現状を、洞爺湖でのG8サミットに参加する世界の政治家達に伝えることを目的としたものです。そのクルーズに参加された高木俊太さんと村上由里子さんをお招きしました。まずは自己紹介をお願いします」高木「法学部、法律学科の1年生です」村上「英語、英文学を専攻しています」
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手塚「地球温暖化や環境問題に元々関心があったのですか?」村上「私はすごく関心があったわけではありませんが、ちょっとしたきっかけで関心を持つようになりました。わたしはNGOでフィリピンの貧困の援助をしています。貧困に環境が関わっていると気づいたからです」高木「高校時代にアメリカとカナダに留学していました。理科の授業で地球温暖化の問題を取り上げました。映画『不都合な真実』を鑑賞しました。環境問題が他人事ではなく自分のこととして実感したのがきっかけです」
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手塚「各国から参加されていらっしゃるから考え方とか違うと思いますが、いかがでしたか?」高木「行く前は“考え方が違う”と思っていました。ルームメイトがアメリカの人だったの、あまり環境問題に関心がないかなと思っていましたが、熱心に勉強していて僕が持っていたイメージとはかけ離れていました」村上「私は他の国の学生の意識の高さに驚かされました」
手塚「実際に北極海に行かれて、どのようなことを感じましたか?」高木「10秒ぐらいでしたが、実際に海に入りました。行くまではまさかそこに入れるとは思っていませんでした。楽しかったのですが、北極がこんなに暖かいと言うことがショックでした」村上「日本に帰ってからたくさんの人に“北極は寒かったでしょ”と言われました。でも振り返ってみて寒いという印象があまりありませんでした。日本よりは寒いのですが、半袖で船のデッキで1時間いても大丈夫でしたから、驚きでした。また1時間ぐらいゴムボートで海を渡りました。そこから見た景色がすごく美しくて自然と涙が出てきました。私たちはあの景色を作ることはできません。ですが、壊すことは簡単にできます。それで涙が止まりませんでした」
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8月2日 ゲスト: |
高木俊太さん、村上由里子さん |
手塚「今回の目的には“北極海を旅することで感じた地球温暖化の現状を、世界のリーダー達に伝えること”というのがあります。サミットのあった洞爺湖に行かれたそうですが、いかがでしたか?」高木「実際に政治家に会うことはできませんでした。しかし札幌の市民サミットで今回の旅で感じたことなどをお話ししました」手塚「今回のサミットの結果についてはいかがですか?」村上「私は不服です。私が日本に期待していたことは具体的なリーダーシップをとって、目標をしっかり決めることでした。しかし日本やアメリカ、カナダの政府の方々は環境問題に消極的に取り組んでいると私は感じました」高木「今回のサミットは前進していなかったと思います。50年後ではなく、もっと短期的な5年、10年での具体的な数値目標をたてて、今日から取り組んでいくことが必要だと僕は思っています」
手塚「このG8サミットの後に、一緒に北極海に行った仲間達とお話はされましたか?」高木「月に一回オンラインミーティング行っています。そこで2009年末に行われるコペンハーゲンまでに何ができるのかということを話し合っています。ただサミット後にはまだ開いていないので、そのときに何か言われるなと思っています」
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手塚「北極海の旅を終えて感じたことは?」高木「大学で環境サークルに参加してゴミ拾いやゴミの分別などみんなができる地道なことをやっています。しかしそれだけでは足りないと感じました。もっと上の国レベルで行わなければいけないと思っています」
手塚「北極海に行ったことや、G8サミットが終わって、今までと考え方や行動が変わりましたか?」村上「変わったと言うよりも、見方が一つ増えました。環境からみた世界の動きを気にするようになりました。産業界の人が自分の利潤を追求することばかりではなく、環境に対しての配慮を、途上国の人たちに対してもリーダーシップをとって進めてほしいと思います」
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高津玉枝さん |
石川雅之さん |