今夜のゲストはアジア最大の野外音楽フェスティバル、フジ・ロックフェスティバルを主催しているスマッシュの石飛智紹さんです。フジ・ロックフェスティバルは『世界でもっともクリーンな音楽フェスティバル』という評価を得ています。今年は7月29から3日間にわたって、新潟県の苗場スキー場で開催されます。
手塚「まず石飛さんのプロフィールをお伺いしたいと思います」石飛「九州出身で、1980年ルースターズと共に上京して、彼らのマネージャーをやっていました。84年に“スマッシュ”という会社を作りました。ここではあまり日本に紹介されないアーティストを招聘してきました。97年からフジ・ロックフェスティバルに関わっています」
手塚「フジ・ロックフェスティバルは音楽系イベントの中でも環境活動やNGOの支援活動を他に先駆けて始められました。何故これほど熱心に行ってきたのですか?」石飛「フジロックの前にも反核コンサートやネルソン・マンデラさんの来日歓迎コンサートなどもやっていました。それできっかけは最初にフジ・ロックフェスティバルをやった時に、富士山の麓なのでお客さんの服装などがサンダルにTシャツ1枚のようなリゾート気分でいらしたんです。また運悪く台風の直撃も受けまして、終わった後は翌年の開催も危ぶまれるぐらいゴミが散乱してひどい状況だったんです。それでお客さんと一緒になってゴミをどうにかしたいと思って、98年の東京の会場から“ゴミゼロナビゲーション”をスタートしました」手塚「私も97年には行きまして実感しました」
手塚「これまでに行ってきた環境活動をお教えください」石飛「90年代はフェスティバルのゴミのこと、まずお客さんにゴミの分別をして貰う所から始めました。それからだんだんに、ペットボトルの完全分別ですとか、ビールなどの紙コップも完全分別しています。ペットボトルが約23万本でるんですが、それを翌年のゴミ袋に再生したり、紙コップはトイレットペーパーにして会場で使っています。4年前からゴミを出さないように、プラスティックや紙食器を禁止してすべて葦で出来た、生分解性の紙食器のみを出店者に使って貰っています。その紙食器を牧場に持ち込んで堆肥と混ぜて堆肥化する実験も行っています」 |