加藤さんはこの春、中国琵琶奏者のティンティンさんと“森と水の旅”と題して、岐阜県の白川郷からスタートして、北海道の知床半島、沖縄・石垣島、西表島など、豊かな自然が残る場所を巡る旅をされました。今年、歌手生活40周年を迎えました。また加藤さんは2001年3月にもこの番組にご出演頂きました。
手塚「この度はどのようなもので、どういった経緯で始まったのか、お聞かせください」加藤「4月の終わりから5月にかけて行ったんですが、本当に春というのはこう言うものかと感じる旅だったんです。私にとっても知床と沖縄はライフワークなので、40周年の年にこの旅が出来たことは、本当に良かったです。愛・地球博の中で私が何か大きなテーマで表現出来るとしたら、これだと思って、この番組『加藤登紀子 ティンティン 森と水の旅 〜自然の叡智を歌に〜』の企画ができあがりました。
雪の上に感じる春というのはすごいですね。雪が溶けてその下から花が咲き始めているような、白川郷や知床では、初めてそんな旅をすることが出来ました。どんなアーティストでもこれは作れないなというような、自然の芸術力を感じました。
また沖縄の方ではもちろん30度近く。滞在中はお天気も良かったんですが、沖縄を発つ日に梅雨入り宣言がされました。気候が変わっていく時が1番大自然が持っているエネルギーを感じ取れますね」
手塚「今回の旅は自然だけでなく、その土地の人々とも触れあっていらっしゃいました。北海道でアイヌの方と交流されていますが、どういったことを感じられましたか?」加藤「アイヌの人たちから自然と共生していく知恵を学び取らなければいけないと、言われる時代になってきました。またアイヌの音楽も、今とっても大きなエネルギーで復活しようとしています。アイヌの楽器“トンコリ”の音が、どんなに新しい音楽であっても、一つポロッと入ってくるだけで、心が遠い昔に連れて行かれるような、くつろぐような、そんな感じを受けました」 |