EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 福岡 司
4月 坂本美雨
5月

鈴木幸一

5月 小野田淳乙
5月 石古暢良
6月 渡辺正行
6月 中村 透
7月 宮脇 昭
8月 羽仁カンタ
8月 鈴木祐美子、北本忍
8月 矢島 稔
9月 鈴木祐美子、北本忍
9月 原田麻里子
9月 上岡 裕
9月 森谷秀樹
10月 櫻田 厚
10〜
11月
矢野恭弘
11月 ECO & MUSIC
11月 山崎伸治
12月 疋田 智
12月 小林武史
12月 この1年を振り返って
1月 田中 優
1月 藤崎達也
1月 インドラ・グルン
1月 土居健太郎
2月 金子竜太郎
2月 里中満智子
2月 鮎川ゆりか
3月 青木一夫
3月 桐田哲雄
3月 愛・地球博1
湯本哲哉
3月 愛・地球博2
1月9日ゲスト:NPO SHINRA代表藤崎達也さん

藤崎達也1 手塚「藤崎さんが代表を務められている、北海道 知床の民間環境保全団体、NPO SHINRAについてお伺いしていきます。まずこのSHINRAの意味はなんですか?」藤崎「森羅万象という言葉が好きで、つけました」手塚「どういった経緯でスタートしたのですか?」藤崎「僕は東京出身なんですが、知床が好きで移り住んだんです。別にガイドをしようと思ったわけではないんですが、知床にいらっしゃる方は、自然を見に来るというよりは、温泉や食べ物を楽しむ方が多かったんです。でそうではなくてもっと自然に親しんでもらおうと思って、個人的にガイドを始めました。それが口コミで広まって組織的にやることになって、NPOを立ち上げました」手塚「それが何年ですか?」藤崎「1998年です」

 手塚「活動目的はなんですか?」藤崎「僕たちが始めた頃はエコツアーは一般的ではなかったのですが、まず始めにそういうことを広めようということが大きな目的の1つでした。でもう1つはツアーを終えてホテルに戻ると、使い捨てのカップなどがいっぱいあって、とても環境に配慮しているとは言えなかったので、観光地の環境配慮などを提案してきました」

 手塚「藤崎さんが惹かれた知床とはどういった所なんですか?」藤崎「一言でいうと野生本来の姿が残っていて、本当に生態系が奇麗に整っている所です」


藤崎達也2 手塚「これからが1番厳しい寒さのシーズンですが、気温はどのくらいになるのですか?」藤崎「1番寒い時期で、-20度ぐらい...」手塚「体験したことが無いので...」藤崎「北海道ではそれほど寒い方ではないですね。内陸では-30度ぐらいになりますから。でも寒いですよ(笑)だいたい-15度を下回ると鼻毛が凍るんです。もっと寒くなるとまつ毛の先が凍り始めるんです。

 知床の冬の代表は流氷です。僕らはその流氷の上を歩く“流氷ウォーク”というのをやっています。結構人気です」手塚「危険じゃないんですか?」藤崎「もちろん危険は危険です。流氷は厚いところは1m以上あるのですが、薄いところは数センチなんです。でなかなか見分けがつかなくて、ぼちゃんと落ちてしまいます。普通の服で海に落ちてしまうと数分で低体温症になってしまい命の危険がありますので、このツアーでは服の上にドライスーツを着て参加してもらっています。でこれを着ていれば落ちても体もぬれず、浮力もありますので、わざと流氷の薄い部分に連れて行って、海に落ちてもらいます(笑)」手塚「いつぐらいがシーズンなんですか?」藤崎「2月の2週ぐらいから3月初めぐらいですね」

 手塚「夏の観光コースは?」藤崎「知床五湖とフレペの滝。それぞれ遊歩道があるので、ガイドなしでも行けます。でも僕らが案内することによって、例えば熊が今まさにありの巣を掘って、ありを食べた跡だとか...そういったものを説明できます。それでぐっと広がりが出ます」

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1月16日 藤崎達也さん

藤崎達也3 手塚「知床は世界自然遺産の候補として推薦されることが決まりました。藤崎さんは知床世界遺産候補地管理計画検討メンバーにも選ばれています。まず世界自然遺産へ登録するまでの流れをお教えください」藤崎「ユネスコが世界遺産を登録するのですが、ユネスコがIUCN(国際自然保護連合)に審査の委託して、調査をします。それで登録するかどうかが決まります」

 手塚「どういったことを調査するのですか?」藤崎「1番は管理計画がしっかりしているかどうかというところです。実際に自然遺産に登録されても、ユネスコが守るのではなく、国内の法律で守っていくので計画書が大切なんです。 で計画書だけではなく、実際のところはどうなのかというのを視察に来ます。あとは行政的な決定のプロセスの中に、地域の住民の人たちが、どれだけ関わっているかということもチェックされます」手塚「そういうことが重視されるのですか〜... 知床の自然条件は充分満たされているわけですか?」藤崎「そうですね。知床はユニークな自然環境を持っています。原生的な森があるということ。もう一つは流氷が来ることによって、冬は閉じている海、夏は開いている海ということで出来る自然の生態系。これはほかの地域ではありませんので、条件は満たされています」

 手塚「調査の現状はどのようになっていますか?」藤崎「チェック項目を4つ、示されました。1つは遺産になることによって増える、観光客の対応はどうなっているか。2つ目は羅臼町で行われている鱈の漁の仕方。獲り過ぎなのではないかということ。3つ目は蝦夷鹿が増えていまして、人間は木を切らなくなったのですが鹿が冬、餌がなくなると木を食べてからしてしまったり、植生を変えています。その蝦夷鹿の管理です。4つ目は知床の川(日本中どこでもそうなんですが)には砂防ダムがあります。これが鮭の遡上を阻害しているのではないかというこで、撤去するのか、魚道をつけるのかといったことです」

 手塚「それを今検討している最中なんですか?」藤崎「観光に関してはいろいろな議論が積み重ねられていて、胸を張って返事はできます。鱈の漁は、漁をされている方が自主的に船を減らしていて、一時期のような乱獲はしていませんので、自然に配慮していますとお答えします。蝦夷鹿はこれから保護管理計画を作っていくということで、調査をします。という返事に。ダムに関しては必要か、そうでないか、という判断のしようがないんです。ですので調査しますという返事になります」

 手塚「知床の人たちの、自然遺産になるという反応はいかがですか?」藤崎「これも微妙ですね。知床は自然遺産にふさわしいということに対しては皆さん賛成なのですが、制限が加えられるのなら、反対。という方もいます。まだまだ議論をしないといけないと思っています」


藤崎達也4 手塚「藤崎さんは日本初のエコ専門ラジオ局「Radio Kisar(ラジオキサラ)」を立ち上げましたが、どういったラジオ局なんですか?」藤崎「“キサラ”というのはアイヌ語で“耳”という意味です。自然に耳を傾けるということでつけました。内容もそういったことを主に流しています」手塚「これはインターネットのラジオ局なんですね」藤崎「最終的にはコミュニティFMを立ち上げたいんですが、大変な作業とお金がかかりますからとりあえずインターネットで...電波ですとエリアが限られてしまいますが、インターネットですと世界中の方に聞いてもらえるとも思いまして」

 手塚「この放送局を通じて伝えたいことは?」藤崎「北海道の自然に根ざした、ネイティヴたちの持っている自然を大事にしたおもてなしの仕方を、知床に根付かせたいと思っています。それにたどり着く一つのアプローチとして、音楽をとりあげています。」


田中 優さん インドラ・グルンさん

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