EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 福岡 司
4月 坂本美雨
5月

鈴木幸一

5月 小野田淳乙
5月 石古暢良
6月 渡辺正行
6月 中村 透
7月 宮脇 昭
8月 羽仁カンタ
8月 鈴木祐美子、北本忍
8月 矢島 稔
9月 鈴木祐美子、北本忍
9月 原田麻里子
9月 上岡 裕
9月 森谷秀樹
10月 櫻田 厚
10〜
11月
矢野恭弘
11月 ECO & MUSIC
11月 山崎伸治
12月 疋田 智
12月 小林武史
12月 この1年を振り返って
1月 田中 優
1月 藤崎達也
1月 インドラ・グルン
1月 土居健太郎
2月 金子竜太郎
2月 里中満智子
2月 鮎川ゆりか
3月 青木一夫
3月 桐田哲雄
3月 愛・地球博1
湯本哲哉
3月 愛・地球博2
10月31日:自由学園 副学園長矢野恭弘さん
自由学園 東京都久留米市にある自由学園は1921年に日本初の女性新聞記者で教育家の、羽仁もと子さんが夫の吉一さんと共に設立しました。“自分たちの出来ることは自分たちで行う”という“自労自治”によって学園生活が営まれています。昼の食事も女子部では毎日、中学1年から高校2年の各学年が交代で当番になり、調理から給仕、後片づけまでを行っています。

調理場 薪
ご飯は薪で
調理場 調理場
 指導する先生のアドバイスを受けながら前日から下準備をし、当日は午前10時から12時までの約2時間をかけて調理から盛りつけ、テーブルの準備まで行っています。
食事風景 食事風景
食材も生徒が発注する
食事風景 約25人の生徒達だけで、350人分の食事の用意をしなくてはいけないため、それぞれのメニューごとにリーダーが決められていて、そのリーダーを中心に各チームが手際よく作業を進めていました。

矢野恭弘 手塚「自由学園副学園長の矢野恭弘さんにお聞きします。生徒が自分の手でお昼の食事を作るというのは、創立当時から続いているとのことですが...」矢野「当時は全国的に給食がありませんでした。みんなお弁当持参だったのです。それで創立者の羽仁もと子が、発育盛りの子供が冷えたお弁当で良いのだろうか、何とかして温かい昼食を子供達に食べさせたい、との思いから始まりました」手塚「給食が普及してもこの制度を残した理由をお聞かせください」矢野「学校創立の精神“自分たちのことは自分たちでやろう”に通じることなので、給食をどこかに頼もうとは考えなかったんだと思います」

 手塚「親御さんの反応は?」矢野「初等部や男子部では月に一度、親御さんに食事作りに来て貰っています。そうすると生徒みんなが自分の子供のような意識になります。また親御さん同士の会話も進み、良い連帯感が生まれています。女子部は生徒達が作っているので、そのような感じにはなりませんが、働いているお母さんの代わりに生徒が、食事を作っているという話を聞きます」手塚「料理が得意でない女性が私を含めて増えていますが、こういうのはいいことだと思います」矢野「花嫁修業ということではないのですが、人として世の中にでていく時に、食生活をキチッと考えることが出来るというのは大事なことですから」

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11月7日 矢野恭弘さん

矢野恭弘3 手塚「自由学園の創立の経緯についてお教えください」矢野「創立者の羽仁吉一、もと子が独立して出版社を作りました。それは家庭生活の合理化や、社会問題に対する女性の啓蒙意識を広めるという内容でした。夫婦には2人の子供がおり、その子達が学校に通っている時に、当時の教育に疑問を持ち、自らの理想とする教育の場を作ろうと思い立ち作りました。それで自分たちの雑誌で呼びかけ、全国から26人の生徒が集まりました」
 手塚「教育理念についてお教えください」矢野「創立者の言葉で“思想しつつ、生活しつつ、祈りつつ”これが学校のモットーです。また“生活、即、教育”という言葉も残していて、1日24時間、生活全部が勉強の機会なんだという意味です。自分達のことは自分達でするというのが基本的な理念です」

 手塚「女子部の食事を作っている時間はどういう時間割なんですか?」矢野「家庭科の時間としています。クラスの半分が料理をしている間、残りの半分は裁縫をしています。午後は裁縫をしていた生徒が後片づけをし、料理を作っていた生徒が裁縫をしています。他の学校に比べると生徒一人あたり4時間の家庭科の時間というのは多いと思います」手塚「男子部は?」矢野「裁縫はあまりしていません。中1でボタン付けなど簡単なことはやります。それと洗濯の仕方ですね。あとは産業の時間というのがあります。これは畑・果樹・養豚・養魚・椎茸の五つのグループに分かれて勉強しています。この学校は受験勉強はしませんので、受験のテクニックを覚えない分そういうことに時間を割いています」」


矢野恭弘4 手塚「この自由学園の受験にとらわれない教育というのを一つの理想型として、韓国のテレビ局が取材に訪れたということですが...」矢野「大学進学のための教育ということに対しての反省が、韓国にも出てきているんだなと思いました」

 手塚「この学園で高等部まで過ごされて、他の大学を受験される生徒さんもいらっしゃると思うのですが、そういう生徒さんはどのようにしているのでしょうか?」矢野「私たちは基本的には大学部に進学することを期待しているので、受験指導はいっさい行っていません。ですから“自分でやりなさい”ということになります。ただ教えるべきことは教えていますので、後は受験の訓練という勉強をすれば、受かると思います」

 手塚「自立した人間というのは具体的にどういったことを目指しているのでしょうか?」矢野「世の中では指示待ち人間とか、マニュアル人間とか言われています。私たちは“自分の頭で考える。自分の体を使って動く。心を働かせて気がついたことをする”こういうことができる人が、自立した人間だと思っています」

 手塚「最後に親御さんにメッセージを...」矢野「私達教育に携わる者としては、教師として生徒に関わっていますが、大事なのは家庭教育だと思います。親子の間のつながりという物を大事にして欲しい。その第1は声をかけることだと思います」


櫻田 厚さん ECO & MUSICレポート

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