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5月19日 ゲスト:市川右近さん |
今週は歌舞伎俳優の市川右近さんがゲスト。ということで初めてスーパー歌舞伎を見た手塚、かなり興奮していました。
市川「歌舞伎は江戸時代の大衆文化、ヒッピー文化とでももうしましょうか、外国から入ってきた物を身につけて、舞ったものです。ですからとってもファッションショー的要素が強かったんです。来年で歌舞伎が誕生して400年がたつのです。ということは400年前に日本にミュージカルがあったと思っていただいて結構です」
手塚「スーパー歌舞伎を見て、古典歌舞伎を見たくなりました」市川「スーパー歌舞伎は現代語で演じていますから、新劇の方が演じ得れば新劇、歌い上げればミュージカルになってしまう。ではどうしてスーパー歌舞伎というかというと、歌舞伎の演出術、台詞術、様式性などを体得した人間、いわゆる歌舞伎役者が演じることによってスーパー歌舞伎と呼んでいただけると思います。ですから年間を通じて半年ぐらいは、この新作をやらせていただいているのですが、それ以外の時間はなるだけ古典歌舞伎を勉強して、自分たちの引き出しを増やしています。そうしないとスーパー歌舞伎にならないのです」
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手塚「右近さんが率いていらっしゃる、21世紀歌舞伎組のお話を伺いたいのですが」市川「結成が平成元年、師匠の猿之助が自分の肉体ではなく、猿之助一門の若手の肉体を使って明日の歌舞伎を模索していくということで作りました。今年の6月に名古屋で“21世紀歌舞伎組”で西遊記を演じます」手塚「西遊記というのは子供達も親しんでいますから、見やすい形かもしれませんね」市川「中学生ぐらいになると自分で娯楽を選べるようになるんです。で、小学生ぐらいのお子さんだとまだそこまではいっていない。ですからその頃の子供達にわかりやすいお芝居で、歌舞伎に触れていただきたいですね」 |

5月26日 ゲスト:市川右近さん |
手塚「市川さんはオペラの演出もされていらっしゃるんですよね」市川「1600年代中期の古典オペラを、源氏絵巻風のコスチュームで、イタリア語で演じました」手塚「役者さんはヨーロッパの方なんですか?」市川「いえ全員日本人です」手塚「どういう経緯でやることになったのですか?」市川「若杉弘先生から是非にと言うことで実現しました」
手塚「やってみて難しいところはありましたか?」市川「歌舞伎というのは教科書にはないルールがあるんです。偉い人は上手に立つですとか、シンメトリーになるですとか。オペラの方達にはそういうルールはないんです。それで逆に歌舞伎にルールがあると言うことを、改めて認識しました。
立ち位置一つとっても歌舞伎役者は自然と綺麗に見える場所に立てるのです、例えばオペラの方に“上手に立って”と言うと“上手のどの当たり”と聞かれるんです。歌舞伎役者はそういうことを何年もかけて、知らず知らずのうちに体得しているんですね。ですからオペラの演出をして、オペラの素晴らしさは当然として、歌舞伎の良さも発見することが出来ました」手塚「右近さんもオペラの演出をしたことによって、いっぱい学んだことがあるんですね」 |
手塚「今後の活動を教えてください」市川「6月、名古屋中日劇場での21世紀歌舞伎組の責任興行、そして9月、東京帝国劇場で、“残菊物語”を十朱幸代さんとご一緒するのです。私初舞台から今年で30年になるのですが、女優さんとお芝居したこと無いんです」手塚「役者人生初めての経験なんですね?」市川「先日それのスチール撮りがあったんですが、ガチガチに緊張しました(笑)これで歌舞伎とは違った勉強をさせていただこうと思っています。11月は巡業ですね」
手塚「将来的にはどんなことをやってみたいと思っているのですか?」市川「いろんなジャンルのお芝居を勉強させていただいて…。ただ私は歌舞伎俳優ですから、歌舞伎を通して平和に貢献していければいいなと思っています。歌舞伎は時空を越えた舞台芸術ではないかと、ふっと思うことがあるんです。ですからそれを持って世界平和に、ガラスの地球を救えればな~と思っています。
目標は高く、夢は大きくもって生きていければなと思っています」
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田崎真也さん |
西村幸祐さん、藤野良太さん、鈴木基芳さん |