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1月19日 ゲスト:幸田シャーミンさん |
手塚「幸田さんは現在環境ジャーナリストとしてご活躍されていますが、環境に興味を持たれたきっかけからお教え下さい」幸田「ニュースキャスターをしていたときに、外国の通信社からいろいろなニュースが入ってきます。その中に今まで聞いたことのない言葉が飛び込んできました。それは“グローバル・ウォーミング”という言葉でした。調べてみると今で言う地球の温暖化でした。それでアメリカにいる友人にこれについての本などがあれば送って欲しいといったんです。それで送られてきた本の中には、オゾン層の破壊、森林伐採、海の汚染、ゴミの問題などもグローバルな視点でかかれていました。私は若くしてキャスターになったので、何も専門を持っていませんでした。で、このことなら一から勉強してみたいという情熱をもてたので、30代でアメリカに留学しました。ですから友人に送ってもらった本が私のターニングポイントですね」
手塚「売れっ子のニュースキャスターをやめてまで留学されて、回りで止める方も多かったんじゃないですか?」幸田「帰ってきてからも“何やっていらっしゃるんですか”と聞かれて“環境”と答えると“なぜ”って言われたんですが、ここ最近は“まぁー、環境”に変わってきましたね(笑)私は日本語にしても英語にしても“環境”という言葉が良くないと思うんです。なんか難しいお勉強みたいで。他に変わる言葉があれば良いんですけど。是非リスナーの皆さんに身の回りの柔らかい言葉を考えて欲しいですね〜」
手塚「留学されたことによって、今までと違う視点というの学ばれたと思いますが...」幸田「一番大きかったのが、何かを始めるのに遅すぎることはないと言うことです。人生は線ではなくて円だということ...人生は一回ではないということでした」
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手塚「地球温暖化についてお聞かせ下さい」幸田「一番重要なのは、この問題がどのくらい大切なことなのかという認識を持つと言うことです。政府が緊急の課題として取り組むことで、企業も動き方が変わってきます。ドイツはそういうことに積極的ですが、日本はなかなか進まないですね。でも結局は国民が声を発して、緊急のことだと言うことで、政府も企業も動くと思います。なぜドイツが進んでいるかというと、人々の意識が高いからです。ドイツの環境省の人にインタビューすると、我々の力は市民から来ている、と強く言いますね。それと感じたのは継続と言うことです。例えばスーパーで買い物をして袋をもらいますよね。それでドイツのスーパーで袋をくれるまで待っていたんです。そしたら周りの人に何やってんだという目で見られてしまいました。そこで気がついたのは、私は袋を貰えるのが当たり前、ドイツの人は貰えないのが当たり前と言うことです。私も日本では意識が高いと思っていて、マイバッグを持ってスーパーに行きます。でもたまに忘れるんです。ですから継続していないんですね〜。そういうところから意識を変えていかなくてはいけないんです」
幸田「世田谷区の代沢中町が京都会議があったときに、初めて環境省と町が協力して、エコライフ運動というのをやりました。これはちょっと環境のことを意識して、日々の生活を送ると、全く意識しなかったときとどのくらいの変化を起こせるかという実験なんです。一ヶ月間で5%ガス代、電気代が削減出来たんです。私はたった5%かと思ったんですが、それはすごい数字で、全国の家庭で5%削減出来たならば、愛知県全体の家庭のガスと電気を減らしたことになると言うことでした。だからみんなのちょっとが効くんです」 |
1月26日 ゲスト:幸田シャーミンさん |
手塚「環境先進国のドイツのお話を伺いたいのですが」幸田「ドイツには何回か行って、政府、企業、一般の人にインタビューしたんですが、みんな意識が高いですね。それで自動車メーカー(BMW)を取材しました。そこは世界で初めて自動車のリサイクル研究所を作った所だからです。ドイツは法律でリサイクル率を上げるということが決まっていて、年々それが厳しくなっていくんです。ですからいかに安くリサイクルするかということも、企業に課せられた課題なんです。例えばどうやってリサイクルのコストを下げるかというと、車の運転席は今まで18種類のプラスチックで出来ていたんですって、それを1種類のプラスチックで作ることが出来るようになって、リサイクルのコストが下がったんです。そして私が一番感心したのは、解体している人たちも研修にこられるようにし、そして彼らがリサイクルしたものを買い支えるということです。そこまでが企業責任だと認識しているんです」
手塚「ドイツは環境税がありますが...」幸田「私が良いなと思ったのは、環境税を導入する代わりに、社会保険料を下げましょう。つまりプラスマイナスゼロに持っていこうとしたので、理解されやすい。日本も何に税をかけるかという、価値観の見直しが必要だと思いますね」 |
手塚「日本は子供達への環境教育というのはまだまだ遅れていると思います。幸田さんは海外の教育システムを取材されてどのようなことを学ばれましたか?」幸田「今日本はこれからスタートいうという時期に入ってきたなと思って期待しています。想像力を養うと言うことでしょうか」手塚「今大学で環境を先行してる学生が沢山いますが、卒業したらどうするのかなと思ってしまうんです。だからそういう感性や想像力をトレーニングするための教育システムがあれば、彼が学んだことも無駄にならないのにな、と思うんですが」幸田「私もそう思います。今のシステムのままでは無理かもしれませんね。社会の仕組みを変えていかないといけないでしょうね」
手塚「幸田さんの今後の活動予定をお教え下さい」幸田「今まさにしていることは、子供達に環境の絵本を作りたいと前から思っていて、それがやっと8割方出来てきたので、今年はそれを出版したいなと思っています」 |
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小黒一三さん |
下城民夫さん |