手塚「今週は宇宙の話をしたいのですが、寺門さんは私の父、手塚治虫のマンガの影響はうけたのですか?」寺門「ありますね。僕が子供の頃、鉄腕アトムの連載が始まったので...ですからあそこにかかれている未来の話ですとか、火星に行ったり、月へ行ったりした話には心が動かされました」手塚「その頃にそういうものが現実になると思いましたか?」寺門「僕が子供から学生になっていく頃に宇宙ロケットが打ち上げられて、マンガの世界がドンドン現実になっていきましたから、いつか宇宙旅行も出来るようになると思っていました」
手塚「現時点で、我々が月や火星に旅行に行ける可能性はどのくらいあるのですか?」寺門「まだしばらく我々一般人が行くのは難しいですが、火星へ探検隊が行くのはここ20年以内で間違いなくあると思います。どうしてかというと、技術的には難しくはないのですが、金銭的な面や、誰が最初に行くかなどの社会的な要因が問題だと思います」手塚「我々が気軽に海外旅行に行くぐらいの値段ではないですものね」寺門「そうですね。まだまだ地球上にお金を使うところが多いんです。例えば環境問題ですとか、開発途上国の問題など。ですからそういう問題がクリアになって、全世界規模で探検に行こうという気運が高まれば実現出来ると思います」
手塚「探検の目的というのはなんですか?」寺門「人間というのは歴史が示すように前向きに前進してきたわけです。そこには知的好奇心だとか、探求心があったからだと思います。ですから最も重要な目的は、知的好奇心と、探求心ですね。例えば月に行って経済が潤ったかというと、そうではないですから...」
手塚「実際に火星に生物はいるんですかね?」寺門「結論はまだ出ていませんね。太陽系の惑星は同じ時期に出来ているんです。出来た直後は地球も火星も同じような環境だったと思うんです。地球が出来たのが46億年前なのですが、今の調査では39億年頃に最初の原始的な生物の痕跡が見つかっています。ですからその頃には火星にも生命があったかもしれないと言われています。ただ宇宙の中で地球というのは奇跡的な天体なんです。大気と水があって、太陽からの距離がちょうどいいという生命に適した星ですから。だから地球を大事にしなくてはいけないんです」
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