EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 中島 悠
4月 嵯峨生馬
4月 今関 勝
4月 中溪宏一
5月 山川冬樹
5月 近藤 篤
5月〜
6月
浜崎貴司
6月〜
7月
羽仁カンタ
7月 中溪宏一
7月 嵯峨生馬
7月〜
8月
本多有香
8月 冨田秀実
小西雅子
8月〜
9月
安藤直人
9月 小西雅子
9月〜
10月
鈴木幸一
10月 中野シロウ
10月 山田啓雄
11月 川端由美
11月 浜崎貴司
12月 赤星たみこ
12月 山岸尚之
12月 2006年を振り返って
1月 塩田明彦
1月〜
2月
中溪宏一
2月 つやまあきひこ
2月〜
3月
中島 悠
3月 山岸尚之
3月〜
4月
北澤 肯
4月16日ゲスト: ベースボールコメンテイター今関勝さん

今関勝1 今関さんは1993年ドラフト3位で日本ハムへ入団。96年にはイチロー選手らと共にオールスターに出場、また自己最多の11勝を挙げるなどローテーションの一角として大活躍されました。2000年に日本ハムを解雇されてからは野球を続けられる環境を探し求め、アメリカ東海岸の独立リーグ『Atlantic League』の球団へ入団しました。2003年までの3年間メジャーのスカウトの目にとまることを信じ挑戦を続けられました。現在は日本のクラブチームで好きな野球を続けながら『日本のプロ野球』と『アメリカの野球』の両方を経験されたことを生かして野球の発展、そして人々の心の発展に貢献すべく講演、執筆活動を中心に活動されています。

 手塚「初めてお会いしましたけど、背が高くてがっしりしていらして、よくプロレスラーとかお相撲とかに間違えられるそうですけど」今関「そうなんです。プロレスの会場に行った時に挨拶されたことがあります」手塚「そんな今関さんなんですが、野球の強い高校にお入りなって、1年の時にいじめが原因で中退されていますね」今関「野球の強い高校ってどこでもお山の大将みたいな選手が集まるんですね。そこでちょっとしたことで喧嘩をしてしまったんです。それで僕が勝ってしまったんです。そうしたら次の日から誰も口をきいてくれなくなってしまったんです。そういうことがあってこの環境で甲子園を目指すと言うことが出来なくなってしまい、高校を辞めました」手塚「親御さんはどうされましたか?」今関「逆に両親は自分の好きなようにしろとということと、時間をかけてみてくれました。それが僕にとって助けになりました」

 手塚「その後別の学校に転校されましたが...」今関「また入学試験を受けて1年生から始めました。やっぱり野球をやりたいという思いがありましたので」手塚「それで野球部にお入りになって...」今関「そうですね、今度の学校は甲子園を目指すという学校ではなかったので、自分の目標としてプロを目指すという方向に変わりました」手塚「ただ途中でクラブチームに移ってしまいましたがこれは?」今関「高校野球は3年間しか登録出来ないんです。2年生の時に年齢制限もありましたので、次にどうしていこうかと。僕はいつも“どうしていこうか”ということから行動を考えて目標を決めていきます。ですからその時も目標を設定を変えて野球の出来る環境を探しました」手塚「あの〜、クラブチームというのをご説明願えますか?」今関「クラブチームは自分たちでお金を出し合ってを作るチームです。私がいた所は硬式野球のチームでして、社会人野球を引退された方や、大学で活躍された方。またノンフィクション作家やギタリストなどもいる異色のチームでした」手塚「なるほど、年齢、職業を問わずやりたい人がお金を出し合って作ったチームなんですね。これは全国にどのくらいあるんですか?」今関「現在200チームあるはずですね。私がやっていたときは80チームぐらいでした」手塚「高校野球のような大会はあるのですか?」今関「毎年夏に全国大会があります」

 手塚「それで93年に日本ハムに入団されるわけですが、遠回りしたその時間は今関さんに取ってはどうだったんですか?」今関「遠回りと思われるかもしれませんが、考える時間もありましたからかえって近道だったと思います」


今関勝2 手塚「2000年に日本ハムを解雇されてしまいましたが、この解雇はどのように告げられるのですか?」今関「シーズン終了後に球団に呼ばれるんです。呼ばれる頃にはだいたい分かっているんです。私の場合は2年間1軍で1勝しか出来なかったので、そろそろまずいかなと。呼ばれた時には“これで解雇されるのか”と思いましたね」手塚「これでプロ野球選手の幕が下ろされましたが...」今関「私の中では(幕は)下りていなかったんです。その後日本のプロ野球6球団のテストを受けましたが、すべて落ちました。でもまだ野球をやりたい。しかし日本の社会人野球からも声がかからず、アメリカへ。94年当時アメリカにウィンターリーグがあって、そこに参加させていただいていたので」

 手塚「それでアメリカ東海岸の独立リーグ『Atlantic League』の球団へお入りになりましたが、この独立リーグというのは?」今関「独立リーグというのは日本でいうと社会人野球のような形なんです。そのリーグの“Brigeport Bluefish”というチームに3年間いました」手塚「このチームにはどのようにしてお入りになったのですか?」今関「アメリカに渡ってメジャーのトライアウト(入団テスト)を3つ受けましたがダメで、私も独立リーグがあるとはその時知りませんでしたが、2つ受けてみて通ったので入団を決意しました。そこにいる選手はもう一度メジャー復帰を目指す人や、台湾、韓国、日本でもう一儲けしてやろうという気持ちの選手がいっぱいいましたから、ハングリーさもあって凄く面白いリーグでした」

 手塚「アメリカでやっていくうえで言葉の壁があると思うんですが」今関「言葉と生活習慣の違いですよね。契約社会で、訴訟などが起こりやすいなと感じました」手塚「試合の中で日本のチームとの違いは?」今関「試合数が多かったのと、移動距離が長かったというのが凄く違いましたね。4ヶ月半で126試合やりますから28連戦が1シーズンに2回あります。雨で流れると次の日ダブルヘッダーなんですね。またメジャーや韓国へ昇格する選手もいる中で、1年契約の途中で解雇される選手も多いんですし、金銭的にもシーズン中だけですからきついですね。ただそれを悲観しているわけではなくて、チャンスだと思ってみんながプレーしているので、アグレッシブな野球になっています」


4月23日 ゲスト:今関勝さん

今関勝3  手塚 「先日行われました、ワールドベースボールクラッシク(WBC)にはどのような形で関わられたのですか?」今関「アジアラウンドの時に野球連盟から委託を受けまして、球場などでのバッティングのお手伝いをしました。その後コメンテイターとして執筆などのお仕事をさせていただきました」手塚「こういう形でお手伝いをされる野球業界の方はいらっしゃるのですか?」今関「プロ野球OBで何人か、また社会人野球の方もいらっしゃいます」

 手塚「今回のWBCはアメリカのメジャーリーグが主催ということで、試合の組み方、審判の選び方などアメリカ有利に見えたのですが」今関「おっしゃる通り、まず開催時期、開催場所。審判も国際審判を使っていかなくてはいけないのかなと思います」手塚「WBCの当初の目的はなんだったんですか?」今関「ここまでお話ししていいかどうか...(笑)メジャーリーグが主催したので、メジャーリーグを盛り上げようとということが絶対的にあったと思います。ただ結果、決勝戦はメジャーリーガーが2人しかいませんでしたが...」

 手塚「私たち日本人は自分たちの国の代表が優勝したので結果オーライという所もありますが、韓国の代表の方は“なんでだろう”という気持ちも残ったと思います」今関「そうですね、アジアで戦ってるのに1次で戦い、2次で戦いですからね。ちょっといびつな所はありました。それこそ日本と韓国が決勝戦で戦うということになれば、アジアの野球の発展の為にも凄く良かったと思います。それが残念ですね」

 手塚「参加した国や地域の数が少なかったですね」今関「やっぱり野球はお金がかかるスポーツなので、浸透し切れていないという所も現状としてはあります。ただ海外青年協力隊や日本の駐在員の方が野球を浸透させているという現状もあります」手塚「長い期間試合を見てこられてどのような感想をお持ちですか?」今関「今まで注目されていなかった選手が注目されたことが凄く嬉しいですな」


今関勝4 手塚「野球を始めとするスポーツが、私たち人間のために出来ることをどのようにお考えでしょうか?」今関「スポーツはコミュニケーションをとらないと出来ません。それが今の子供たちに欠けていると思います。スポーツを通して礼儀作法やコミュニケーションの取り方を学ぶことが出来れば、人間としての成長もあると思います。スポーツでエラーをした時にどのようにカバーするかということは、一般の社会でもあることですから」

 手塚「今関さんが野球を続けてこられてよかったことは?」今関「良かったことは野球を好きになれたということ、野球に出会えたということです」手塚「引退後、野球から離れてしまう方もいらっしゃいますが、今関さんが野球から離れなかったのは好きでしょうがなかったからですか?」今関「好きでしょうがなかったということが第一です。それと自分の人間形成をしてもらったのが野球だったという気持ちがあるので、野球に恩返しをしていきたいという気持ちがあるからです」

 手塚「今後の活動予定をお教えください」今関「野球を通じていろいろな情報を発信していきます。講演でも皆さんのヒントになるようなことを発信していきたいと思います。例えば失敗してもやり直せるということを伝えていきたいと思います」


嵯峨生馬さん 中溪宏一さん

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