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7月16日ゲスト:
NPO法人アースデイマネー・アソシエーション代表理事嵯峨生馬さん
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嵯峨生馬さんは前回4月9日にご出演されています。
手塚「現在嵯峨さんが中心となって、東京の代々木公園で月に一回開催されている『アースデイマーケット』についてお伺いします。まずは概略からお教えください」嵯峨「東京周辺で野菜や果物などを作られている生産者の方、手作りでジャムやパンを作っていらっしゃる加工品の生産者に集まっていただいて、生産者自らが販売してお客さんとやり取りをするマーケットです。イメージとしてはパリのマルシェみたいなお洒落な、雰囲気のいいマーケットを目指しています」手塚「どのくらいの方が参加されていますか?」嵯峨「出店者数は25〜30です。50店ぐらい目標としています」
手塚「来場者の方の年齢層は?」嵯峨「若い方が多いですね。出店者の方も若い方が多いんです。農家を継いだ2代目の方が頑張っていて、東京に住んでいる友達を呼ぶので、来場者も若い方が多いですね。またここは消費者としてだけでくるのではなく、農家の方と直接話ができますので、一歩踏み込んだ農家さんとの関係が出来る窓口にもなっています」手塚「なるほど、“ちょっと畑へお手伝いへ行ってみたい”だとか、“遊びにおいで”と言った会話も成り立つわけですね」嵯峨「経済的取引という意味のマーケットではなく、人と人が知り合って、そこから新しい交流が生まれていくというマーケットという思いを、主催者側はこめています」
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手塚「この『アースデイマーケット』を始めたいと思ったきっかけは?」嵯峨「私の知り合いに2人組の渋谷在住のデザイナーがいまして、彼らがロンドンで過ごしていた時にロンドンのマーケットにいたく感激をしたそうです。それが東京に帰ってきたら無い。だったら自分たちの手で出来ないものか、ということからスタートしました。また渋谷を中心に『アースデイマネー』という地域通貨を発行しています。それを使えるスペシャルな場所としてもいいのではないかと思い始めました」
手塚「具体的に『アースデイマネー』はどのように使われるのかお教えください」嵯峨「全額アースデイマネーでの支払いは出来ません。500円ぐらいでしたらそのうちの10%ぐらいですとか、農家さんごとに違います。但し『アースデイマーケット』に参加する方はすべてアースデイマネーを受け入れていただくということを出店の条件にしています。また出店料もアースデイマネーで払えるようになっています。農家さんもそれを受け取っても出店料で使えるので、結果的にそんなに損はないのかなと思います」手塚「なるほどね」嵯峨「もっと嬉しい使い方をしてくれる農家の方もいまして、“今度東京から農作業を手伝いにきてくれる方が見つかったので、それの支払いに充てます”と言ってくださったんです。これで人と物の循環が都市と農村で出来るので、私たちにとって理想的な使い方です」
手塚「今後のご予定は?」嵯峨「一番近い所で7月23日がアースデイマーケットの開催日です。8月は場所が取れなかったのでお休みしますが、『みんなで農作業に行こう月間』にしました。9月が17日、10月が22日と開催します。11月からは冬休みということで来年の4月か5月から半年間続けていきたいと思っています」
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7月23日 ゲスト:嵯峨生馬さん |
手塚「アースデイマーケットに参加されている方の反応はどうですか?」嵯峨「来場者の方の反応ですが、最近は海外に行かれる方が多く海外での朝市を経験されています。それが東京になかったので、それが出来てありがとうという反応や、生産者と直に話が出来て嬉しかったですとか、一番嬉しかったのは“皆さん優しい方で癒されます”というのがありました。また出店者は、無農薬や低農薬で野菜を作っている方や、加工品も手作りだったりというこだわりで出店者を選んでいますので、流通経路を持っていない方がほとんどです。そういう流通に関してのきっかけ作りの場所として使ってもらっていると思います。また出展者同士の情報交換の場としても活用されているようです」
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手塚「ここに出店されている方は『アースデイ』を通じて知り合ったんですか?」嵯峨「『アースデイ』もそうですが、『アースデイマネー』の関係が多いんです。アースデイマネーは渋谷を中心に行っていますが、他の地域でも地域通貨をやりたいと言っている団体があって、そういう所を経由して農家の方と知り合いになったり、アースデイマネーが関係するプロジェクトで農作業というのがあって、その関係の農家の方。という具合に知り合いの知り合いぐらいの関係で参加店を募っている感じです」
手塚「出店者は関東近県に限られるのですか?」嵯峨「中には高知で野菜を作っている方が出店されたりですとか、山口県の『フシノ』という地域通貨と交流協定を結んでいる関係で山口の特産品を売ってくれたりしました」手塚「そういう繋がりもあるんですか」嵯峨「そうです。それで実際のメリットに繋がっている例があります。今回参加された方の中に、『水田トラスト』と言って、みんなで出資して水田を管理して、無農薬のお米を作ろうとしている団体があります。そこにAPバンクの方がいらして、結果、APバンクが今年作ったお店にその『トラスト米』が採用されました。たんに知り合いになるというだけではなく、食材に興味のある企業などには、そういう場としても使えると思います」
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中溪宏一さん |
本多有香さん |