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10月8日ゲスト: Play
set products デザイナー |
中野シロウさん |
手塚「今中野さんが中心となっているデザインチーム『Playset
products』が活動を始めるまでの経緯についてお聞かせください」中野「 『play set products』は、2001年の末に僕の他に西塚耕一、中原正博の3人でチームを作って始めました。僕は玩具メーカーに努めていて、西塚がゲームキャラクター、中原が本の仕事をしていました。僕が会社を辞めて自分で会社を立ち上げる時に、二人も会社を辞めていたので、3人で集まって始めました」手塚「代表作に『モダンペッツ』がありますが、これを作ろうと思ったきっかけは?」中野「アメリカのフリーマーケットを回っていて、気になるぬいぐるみがあったんです。それで40体ぐらい買って、ホテルに戻ってタグを見たら“Made
in Japan”と書いていました。でもそれは日本国内では見かけないもので、 自分で調べて、結局今、2,000体ほどぬいぐるみがあります(笑)そのぬいぐるみがどういう経緯で作られたものか調べているうちに自分で作りたくなってしまいました、それがきっかけです」手塚「この『モダンペッツ』は何種類ぐらいあるのですか?」中野「正規のものとしては18種類発売しています。その他にミュージシャンとのコラボレーションですとか、いろいろなものを含めると40種類ぐらいあります。今後100種類発表していこうというプロジェクトです」手塚「ディズニーやサンリオともコラボレーションしていますね」中野「そうですね、やはりデザインのチーフといわれる方や、デザイナーの代表の方が集めてくれてたのが経緯なんです」
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手塚「今回手塚マンガのキャラクターをデザインした、『tezuka moderno』というシリーズを9月29日に発売されましたね」中野「最初にライセンシーの方からこのお話をいただいて、手塚プロダクションの方とお話しさせていただいときに意気投合して、何かいいものが作れるのではないかと。それがちょうど1年ぐらい前で、1年でここまで商品がいろいろ出せるというのは過去にもなかったことなので、やはりいいプロジェクトが組めたと思います。今後どうやって広げていくかということを今話し合っています」
手塚「現在第1弾として、アトムや、ユニコ、ジャングル大帝なんですが、このキャラクターのを選んだのはどなたが?」中野「僕がしました。自分なりにイメージのつきやすいものから選びました。僕は手塚作品の3割程度しか把握していないと思うので、これからいろいろと出せると思います」手塚「私が一番目を引いたのは、アトムが寝てたんです。うつぶせになって。なぜ寝てるアトムを取りあげたんですか?」中野「アトムはロボットですが、今回子供というのをテーマにしました。ですから子供が畳の上で寝てるような、そういう感じで描くと今までに無いような、可愛いものになるのではないかと思って。うちのお客様は20〜30代の女性が多いので、喜んでもらえるのではないかと思いました」
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10月15日 ゲスト:中野シロウさん |
手塚「一番最初に触れた手塚作品は何ですか?」中野「テレビシリーズで毎回楽しみに見ていたのは『ミクロイドS』という作品です。その他にも『ブラック・ジャック』ですとか『鉄腕アトム』などを読まさせていただいていました。テーマがいろいろ違うので、そのスケール驚いたり考えさせられたりしました。『火の鳥』を小学校4年の時に読んで、なかなか理解出来ず、何度も読み返して熱を出したという経験があります(笑)」手塚「なかなか『ミクロイドS』をあげる方は少ないので...」中野「ミクロイドSもデザインさせていただいて、非常に嬉しく思っています。また『ジャングル大帝』や『リボンの騎士』のオープニングは色が綺麗で、曲も壮大で、そういうイメージの部分で憶えているものは大きいです」手塚「そういう色とか音は今の中野さんに影響を与えていますか?」中野「影響はあります。ああいう風に描けたらいいなとか思います」
手塚「中野さんは自分が生まれrか生まれないかぐらいのときの古い物に魅力を感じますか?」中野「そうですね、このところ昭和ブームじゃないんですけど、僕の生まれた昭和42年前後にいいものがあったなと...。怪獣一つとってもデフォルメ加減だとか凄いんです。そういうものが現代に表現出来たらなと思っています。『モダンペッツ』はその当時の職人さんの息子さんが一人で造っています。だから限定500個ということではなく、次のものを造るために今までのは造れないんです。ですからうちの会社が造るものは味があるというのは当然だと思っています」手塚「その方は中野さんのシリーズが売れてることをどう仰っていますか?」中野「“こういうものがまた評価されると持っていなかった”と喜んでくれています。ただ高齢なのであまりタイトにアイデアを持って行けないので、ゆっくり進めています。最初に“なんでそういう作り方をするんだ、綿でやればいいじゃないか”と言われました。ベッチンで造る縫製の人形はぬいぐるみと違って縫い直しがきかないんです。縫って最後にいっきにおがくずを詰めるんですが、詰めすぎると裂けてしまうんです。そうすると捨てるしかありません。ロスが非常に多いんです。本当に職人技です。」
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手塚「その職人さん、私の父と同じぐらいの世代の方だと思うんですが、手塚治虫の作品を造ると言ったときの反応は?」中野「凄くビックリしていました。うちがアトムを描けることにビックリしていました。“どうやってそんなことが出来たんだ”というような」
手塚「いろいろなキャラクターからどういう作品を造ろうかとイメーイを膨らませているのは、楽しい作業だと思いますが、実現化するにあたって難しいこともあると思いますが...」中野「子供として表現出来ないキャラクターを今後どうしていくかというのがあります。また記憶に残るものということで、日常使えるもの、例えばアトムで椅子を造るとしたらどうなるんだとか...。ただアトムをプリントするのではなくて、形状からアトムにする、頭の形ですとか、足先ですとか。自分たちが面白がって造れるものを造りたいんです。ですから企画をプロダクションにどんどん出して一緒に進めていければなと思っています」
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tezuka moderno |
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鈴木幸一さん |
山田啓雄さん |