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9月24日ゲスト: オフィス・アースガーデン代表鈴木幸一さん |
鈴木幸一さんは2004年5月にご出演頂きました。
手塚「お久しぶりです。普段鈴木さんは『南兵衛さん』と呼ばれていて、私もそのほうが呼びやすいのそれで通させていただきます。まずこの『オフィス・ガーデン』の業務についてお聞かせください」南兵衛「よく『アースデイ』と混同されがちですが、元々2001年の『アースデイ東京』を立ち上げるにあたって、その中核でもあったので無理もないんですが...。僕は東京、お茶の水の『GAIA』というオーガニックのお店で1991年から働いていて、いろんなイベントの企画を立てていました。その流れの中で『GAIA』という名前では収まりきれなくなるような内容になってきたので、『アースガーデン』を立ち上げました。きっかけとして大きかったのは95年にフリーマーケットを開催し、96年には『レインボー2000』に関わって、それからフェスティバルを作るというのに魅せられました。また『オーガニック』や『エコロジー』というのを自分の中でテーマとして持っていたので、それと音楽を融合させて今に至っています」
手塚「野外フェスティバルのフードエリアのコーディネイトもやっていらっしゃいますが、オーガニックやエコロジーに興味を持つきっかけは?」南兵衛「元々キャンプですとか自然に寄り添った活動が好きで、高校を卒業するときに大学に行くよりもいろいろなところを旅したいなと思いました。最初は自転車で世界一周するつもりだったのですが、とりあえず日本一周をしました。そこで日本の自然の美しさに触れてそこからオーガニックやエコロジーへの根本的な気持ちが出てきたんだと思います」
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手塚「南兵衛さんは今年の5月に『フェスティバル・ライフ』という本を出版されました。南兵衛さんのフェスティバルのイメージは?」南兵衛「まず多様であると言うこと。音楽や食べ物に関しても。そういういろいろなものに触れられる場所を提供するということを考えます。もう一つは新しいものに触れる、若しくは興奮するものに触れるということですね。一つのものにみんなで大きく集中していく、心を合わせる、そういう要素がありますね」
手塚「私はまだ行ったことがないんですが、APバンクフェスはどういう感じになっているのですか?」南兵衛「『エコロジカルな世界にしていこう』と言うところから始まっているので、それを伝えるような工夫とか、フィールドの作り方をしています。例えばオーガニックフードの出店数が40軒以上あります。また他にオーガニックコットンのお店ですとかそういうエコロジカルな活動をしているお店や企業が出展しています。純粋な展示コーナーも充実しています。トイレも全部ではないですがエコトイレを導入したり、トイレにいろいろなうんちくが書かれています。例えば日本全国でどれぐらいの廃液が出ているですとか、僕も面白くて全部覗いてみました(笑)」
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10月1日 ゲスト:鈴木幸一さん |
手塚「先日私は伊豆市修善寺で行われた野外ダンス・ミュージック・フェスティバル『メタモルフォーゼ』に行ってきました。ここでデポジット制と言うのやっていました。デポジット制はビールなどの飲み物を買う時に飲み物代にプラスして、お金をとります。それを飲み終えた後、空き缶を回収所に持って行けばそのプラスされた料金が帰ってくるという仕組みです。これを採用した経緯をご説明ください」南兵衛(鈴木)「『メタモルフォーゼ』はクラブ系の野外音楽フェスですから、一晩中音が流れているので、踊ったり聞いたりすることに気持ちがいってしまいゴミが散らかりやすいんです。それで思案しているところにメタモルフォーゼサイドから、“デポジット制にしたらどうか”と言ってくれました」手塚「採用してどうでしたか?」南兵衛「一番苦労したのが釣り銭なんです。今回100円をプラスしたんですが、凄い量の100円玉を用意しなくてはいけませんでした(笑)100円玉って結構重いですし、大量に集めるために銀行に掛け合ったりしました。結局用意した半分ぐらいですんだんですが、初めてでデータがまったくなかったので...。また持ち込みはお断りしていたのですが、持ち込む方もいてそういう人の缶はどうするとか...。会場で使われる容器はすべて100円にするというようにしましたが。またそのために使われる容器をシンプルにしたり、数を把握したり、社会システムのシュミレーションの様でした。とにかく凄いエネルギーを使いました。エネルギーイコール制作コストにつながるので、主催者側の負担もそれなりに小さくないですね。それでもやろうとする、それに応えていくというのは気持ちのいいことですね」
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手塚「これから先のフェスティバルシーンをどのようにお考えですか?」南兵衛「10年やってきてあたりまえになったかな、特別なものではなくなったと思います。例えば僕の本のタイトル『フェスティバル・ライフ』はライフじゃないですか。ライフってあたりまえのものだと思う。別に『お祭り生活』と言いたいわけではないんです。フェスティバルで楽しく仕事をし、そこでいろんなものに気が付いたり、受け取ってきた僕が、いろいろあるけど楽しく豊かに暮らしてきたということが言いたい本なんです。そういう熟成感が来てくれてる若い人達にもだんだんと訪れてるなという気がします。フェスティバルがそれぞれに多様になっていくというのもあります。民族音楽にこだわるフェス、ダンス音楽にこだわるフェス、場所にこだわるフェス、日本全国、全都道府県全部に特徴のあるフェスがあるのが理想です。その先にある夢としてもっと大きなフェスが生まれて欲しいと思います。大きい会場でみんなが笑顔だと言うのは一つの幸せの形だと思います。また自分自身のこだわりは、オーガニックとか、エコロジーとか...。それは人が自然とどう気持ちよくらしていくかという知恵を学び合うようなフェスを立ち上げていきたいと思っています」
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小西雅子さん |
中野シロウさん |