近藤さんのご出演は今回で4回目。前回は2003年5月25日にご出演されています。
手塚「6月9日に開幕するサッカー・ワールドカップのお話を伺っていこうと思います。近藤さんがサッカー・ワールドカップを初めて知ったのはいつ頃ですか?」近藤「多分中学生の時だったと思うんです。1974年の大会でした。兄が買ってきたサッカー雑誌を見て、こういう世界があるんだと気付きました。僕ら世代の田舎出身のサッカー好きに共通していることは、映像で見たことのない選手がどういうプレイをしてたのかを知っているということです。勝手に頭の中で作ってしまうんです、記事に書いてあることを。だから大嘘つきの世代でしたね(笑)」手塚「でもその想像が、ある部分憧れになっていくわけですよね。印象に残っている大会は?」近藤「1986年に大学を卒業したんですけど就職する気はまったくなくて、大学時代にコツコツ貯めたお金で86年のメキシコ大会に行きました。その時にたまたまスポーツ新聞のアルバイト記者の仕事があって、記者証も貰えたんです。4月か5月に日本を出て、カリフォルニアからメキシコに行って2ヶ月間ぶらぶらして、本大会に記者として取材しました。マラドーナが活躍した大会で、僕にとってもすべてが初めての経験だったので、忘れられないですね」
手塚「初めてワールカップの開催地へ行ったわけですが、イメージしていたこととずいぶん違いましたか?」近藤「大会が始まったらそれは凄かったですね。この人達は“壊れてる”と思いましたね(笑)メキシコが試合に勝ったら道中に人があふれ、車は動かない。やたら盛り上がってるんですよね。またプレスセンター行ったら係の女の人はみんな美人なんですよ(笑)自分の人生でそんなに美人の人だけが集まる空間というのを見たことなかったですから...」手塚「なるほど、それもワールドカップならではだったんですね(笑)」近藤「試合も目の前でマラドーナが5人抜いてシュート決めてしまう...。『至福』という言葉は多分日常的に使わないんでしょうけど、まさに至福の時でした」
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