EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 中島 悠
4月 嵯峨生馬
4月 今関 勝
4月 中溪宏一
5月 山川冬樹
5月 近藤 篤
5月〜
6月
浜崎貴司
6月〜
7月
羽仁カンタ
7月 中溪宏一
7月 嵯峨生馬
7月〜
8月
本多有香
8月 冨田秀実
小西雅子
8月〜
9月
安藤直人
9月 小西雅子
9月〜
10月
鈴木幸一
10月 中野シロウ
10月 山田啓雄
11月 川端由美
11月 浜崎貴司
12月 赤星たみこ
12月 山岸尚之
12月 2006年を振り返って
1月 塩田明彦
1月〜
2月
中溪宏一
2月 つやまあきひこ
2月〜
3月
中島 悠
3月 山岸尚之
3月〜
4月
北澤 肯
11月5日ゲスト: 自動車ジャーナリスト川端由美さん

川端由美5 川端さんは昨年12月にご出演頂いています。
  手塚「川端さんは9月30日から10月15日までフランス、パリで行われた、パリモーターショーに取材に行かれましたが、このモーターショーの位置付けは?」川端「このモーターショーは2年に1回開かれます。昨年行われたドイツのフランクフルトモーターショーと交互に行われています。またヨーロッパは新車の発表会がありません。ですからこのモーターショーで発表するわけです」手塚「日本のモーターショーとの違いは?」川端「日本は環境のこととか、テクノロジーが注目されます。フランスではそれぞれが自由にテーマを持って展示しています。またこのモーターショーのポスターは地球の模様が描かれた車が走り去るというデザインで、エコとか環境を意識していることは確かです。ただ環境の部分を前面に出すのではなく、やはりデザイン重視で展示してあるところが面白いと思いました」

 手塚「日本のメーカーはいかがでしたか?」川端「環境に近いところではレクサスがハイブリッド車を出して、注目を集めていました」手塚「一般の人はどういうところに注目していましたか?」川端「特にフランスの人は小さな車が好きなんです。またディーゼル車が人気です」


川端由美6 手塚「ヨーロッパではまだまだディーゼルが主流なんですか?」川端「去年と比べるとその壁はずいぶん低くなりました。去年ははっきり分かれていて、ドイツの雑誌で「ハイブリッド対ディーゼル」という記事を載せていました。ですが、今年はいろいろなところでハイブリッド車が浸透してきて、もしかしたら次の段階で普通の人がハイブリッド車を選ぶということが、ヨーロッパで始まるかもしれないと思いました。プジョーの親会社にあたる「PSA」というグループがハイブリッドモデルを出しました。それはディーゼルのハイブリッドなんです。ディーゼルはガソリンと比べると1〜3割燃費が良いのですが、それをハイブリッドにすることでもっと効率の良い車を作ろうとしています」手塚「それは注目を集めますよね」川端「なんと言っても見た目が可愛くて太陽のようなオレンジ色のカブリオレ(オープンカー)にそういう技術を載せてきました」手塚「日本でも“エコカー、確かにいいよね、でもスタイルとしてはこっちだよね”という迷いがありますね」川端「私もエコカーの取材をしてると車業界で言うと、スポーツカーが好きな人は“エコカーって、つまらない、走らない、かっこわるいでしょ”と言う人が多いんです(笑)でもプリウスもエコセレブな人達に選ばれてファッショナブルなイメージが付いてきています。エコカーのイメージも良い方に変わってきてると今回のパリでは感じました」

 手塚「これから先原油高があったり、地球環境のことを考えるとエコカーが当たり前になってくるんでしょね」川端「今、知らず知らずのうちにハイブリッドも出てきています。BMWはここ1〜2年で、みんながマイクロハイブリッドに乗っているということになっています。プリウスは30%も燃費が上がりますが、トヨタの沢山ある車の中で(今はどんどん増えていますが)1車種ですよね。BMWはトヨタと違って1車種の凄く効率のいい車を作るのではなく、全部の車種で4〜5%燃費を良くしようという考え方をしています。それをマイクロハイブリッドと呼んでいます。メーカーとしては総量でどれだけCO2を減らすかというのが大切なので、一つのモデルでCO2を減らすのか、全部のモデルで減らすのかという違いですね」

 手塚「フランスはあまりエコという話は聞かないですが、エコロジーに対してどういう発送をフランスはしているのですか?」川端「フランスはプレゼンを全然していません。でもヨーロッパでよく『車を発明したのはドイツ人だけれども、車に移動の自由を見いだして使いこなしたのはフランス人だ』と言われます。フランス人は車の未来とか持続性を考える時に、“移動の自由を守るためにエコカーを考える”という発想なんです。だからエコありきではないんです」


11月12日 ゲスト:川端由美さん

川端由美7  手塚「川端さんはいろいろなモーターショーに行かれていますが、具体的のどこに行かれましたか?」川端「ヨーロッパでは『ジュネーブショー』というのが1年の始めにあります。ここは自動車メーカーのない国なので、いろいろなメーカーが平等に発表出来ます。またスイスは環境意識が高い国なので、環境に良い車がでていました。これが3月で、5月にはスウェーデンでボルボが行っている環境のイベントに参加しました。6月にはパリ行きました。ここでは、タイヤメーカーのミシュランがエッフェル塔の下にエコカーを沢山集めたイベントに参加しました。そして7月にはダイムラークライスラーがドイツのハンブルグで行った、『燃料電池車』のワークショップに行きました」

 手塚「ミシュランがエコカーを集めた、タイヤのイベントを行ったんですか?」川端「いえ、タイヤの宣伝はありません。これは『チャレンジビバンダム』というイベントでミシュランという名前はありません。『ビバンダム』はミシュランのキャラクターですが、世界で最古の企業キャラクターなんです。そして彼が1997年に100歳になったのを記念してこのエコカーを集めるイベントが始まりました。ミュランの方に伺うと“私たちはタイヤを売る会社ではなく、移動のためのソリューションを売っています”とおっしゃいます。ですから3つ星などでおなじみの『ミシュランガイド』もトラックの運転手さんのためのガイドブックとして始まりました。また1970年代まではフランスの標識は全部ミシュランが作っていましたし、地図も作っています。これらすべて『移動のためのソリューション』なのです」


川端由美8  手塚「『燃料電池車』と言うのは究極のエコカーと言われていますが?」川端「10年ぐらい前の1997年にそのように発表してしまいました。ただその当時は値段が数億円したり、水素のスタンドがなかなか出来なかったりで普及していませんでした。それが今年いろいろ“今ここまで来ています”と言うプレゼンがされるようになりました。はっきり“2012年には”という言い方をしたので、近い将来でてくると思います。またフォルクスワーゲンも燃料電池車のワークショップを開いて、そこで“市販する”という発表をしそうです。そしてホンダもF1をやっていた時に、燃料電池、ディーゼル、アルコールを使った代替燃料車を研究していますと発表して、実車をテストコースで乗れるイベントを行いました」

 手塚「ヨーロッパ全体の車の流れを取材されてきて、感じたことは?」川端「ヨーロッパは気候が厳しいんです。北海道よりちょっと北にあるのですが、暖かい海流や微妙な風があって、暮らしやすい気候になっています。ですから海流が変わってしまうとものすごく寒い冬が来たり、風向きが変わるとロシアの汚い空気が回り込んだりします。そういうことがあってヨーロッパの人は環境に敏感なのです。ですから大きな会社はお金を使って環境への取り組みが大事だということを分かっています。またボルボはエコカーを開発していますが、それと同時に子供に環境教育をしようというイベントを行っています。元々ボルボの理念は『安全・品質・環境』を創業当時から掲げています」


山田啓雄さん 浜崎貴司さん

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