手塚「疋田さんが出版された“自転車ツーキニスト”この本についてお聞きしたいのですが...」疋田「“自転車ツーキニスト”とは私が勝手に作った言葉なんですが、自転車通勤をする人という意味です。元々99年に単行本“自転車通勤で行こう”というタイトルで出版したんですが、3年後に文庫本で出版する時にタイトルを変えました。最初に単行本を出した時は正直売れませんでした(笑)世の中もあまり自転車に気付いていなかったというか...それでアピールもしたかったので、“自転車通勤で行こう”というホームページを作りました。そしたら少しずつヒットするようになってきたんです。それにはエコの風もありましたから...すごく幸運でした」
手塚「本の中に“21世紀は自転車の世紀にならなければならないよ”と書いてありますが、これは...」疋田「20世紀は行く所までいっちゃった時代という感がありますよね。便利さを追い求めるというよな。そこまで本当に必要なのかなと思って、その便利さの前に立ち止まって本当の気持ちよさを探してみる。例えばヒートアイランド現象。冷房を効かせようとして室外機が熱風をまき散らし、結果街が熱くなってしまった。それでまた冷房を...という悪循環。そんなことよりもまず冷房を抑えていれば良かったと思うんです。車にしてもそうです。そのある程度のバランスで止まっているのが“自転車”だと思うんです。私がよく言うのは“20世紀が科学技術を押し進めていく実験の場だったとしたら、21世紀はそれを精査するときではないか”と。同じ科学技術でもそこまで必要ないというのと、それは必要だというのがあると思うんです。それでいるものだけを残していく。それが21世紀だと考えているわけです。そのいいものの代表が“自転車”だと思っているのです」 |