手塚「高樹さんは現在ハワイにお住まいでフリーダイビングの資格を持ち、ドルフィンスイムを通して自然のすばらしさをいろいろな人に紹介されています。このようなライフスタイルを始めるきっかけは?」高樹「20代は女優の仕事でスタジオにこもりきりでした。30代に入って事務所を変わったりして、仕事の傾向も海外のドキュメンタリーですとか、旅番組に率先して出かけるように変わりました。それでその環境に暮らす人々の価値観に触れて、今までやってきたことに疑問を持ちました。一番大きな出会いは、北欧のフィンランドにオーロラを見に行ったんです。私は寒いところが苦手なので覚悟はしていたんですが、そこは森の中に入っていくととても暖かかったんです。またそこに暮らす人たちは自然に対してとても謙虚に生きていたんです。そういうことに触れて私たちは恵まれているだけに、自分勝手に生きているんだなと感じました。そして次にオーストラリアに仕事でいきました。そこではイルカセラピーをやっていらっしゃる女性や、アボリジニの方にお目にかかって、私の人生が変わりました。特にアボリジニの方と生活を共にして自然と共存するということを、頭ではなく体で覚えました。それ以来私ができる自然との共存を探そうと思って、今に至っています」
手塚「それでも女優の仕事を続けていますよね。それは...」高樹「人間一度知ってしまったものを無しにすることはできないんです。環境問題というとすごく難しいテーマに入ってしまいますよね。車に乗ることや外国から輸入されているものを食べるのはどうか...などを考えてしまうと、生きているのが苦しくなってしまう。だから自分ができることを日々考えています。で女優というのは職人芸ですから20年間やってきたことを、私でないとと言ってくれる方がいる限りあえて捨てるということはないんじゃないかなと思います」 |