4月7日は鉄腕アトムの誕生日。ということで手塚治虫や鉄腕アトムに関わりの深い方をお迎えしてお送りする「鉄腕アトム生誕記念スペシャル」と言うことで立川談志さんです。
手塚「談志さんとはよく父のパーティでお会いしましたが、こうして二人だけでお会いするというのは初めてです。と言うわけでまず最初に父、手塚治虫と談志さんのお付き合いから伺いたいと思います」立川「私個人としては宝島を見て衝撃が走ったんですが、最初はオサムシと言っていて、後にオサムになった。それで先生にあったときに“本当はオサムシなんですよ”“便所の回りのキタネ〜虫?”“そうそうあれあれ”と言うような話をしました。私の尊敬の定義は価値観が同じで、相手のレベルまでこちらが達していないと。その空間を埋める行為が“尊敬”だと思っているんですよ。で先生を尊敬しているから、先生の言うことは素直に聞けますよね。でも先生のことだから高いところから私を見るようなことはしない。逆に先生の方が僕を尊敬しているんだよと感じさせてくれる優しさがありましたね。私にとってイヤなところが一つもない、大きさも見せない、威張らない。対談したときにもっと威張った方がいいよと、言ったぐらいだ」手塚「それは談志さんの前だからじゃないですか?」立川「えっ、知らないよ。威張ってる?」手塚「威張らないですね。厳しいことは言うけれど」
立川「でね、なんでこういう人をライバルにするんだろうなと思うんですよ。手塚治虫がそんなことでガタガタ言っちゃダメだいって言う...ある時先生に石ノ森章太郎が“マンガは手塚治虫しか無いよ”って言ってたよと言ったら“そう言ってましたか!!”て言ったんです。意識してたんですね。意識する必要が全くないはずなのに。そう言うライバル視する優しさが...」手塚「優しさなんですか?」立川「俺は優しさだと思うんだけど、先生から見ると小心という言い方も出来るかもしれないですよね。それが負けず嫌いに繋がるかもしれないですけどね〜」
立川「先日ある酒場であった学校の先生と義務教育の話なんかしてた時に、今義務教育で教えなきゃならないことは学業と意味において全部とは言わないが必要ない...ならね義務教育全部手塚治虫にしちゃえばいい」手塚「それはちょっと(笑)」立川「極端に言えば先生のマンガを見ることだと、そっちの方がよっぽどいいね。で全部を100とするとその内の2ぐらいは談志の落語を入れといて貰って...」手塚(笑)立川「この間先生の本をまた読み直してみてね、良いんだよねやっぱりね。すごいんだよな〜。どうにもなんないスよ。比べるもんじゃない。天才は手塚治虫一人...」 |